第13話 深まる三人の揺れ
家に帰ると佑ちゃんがいた。
「つかさ君と話したんだけど、やっぱ3人じゃないとつまんないねーって」
なんだそりゃ?いい歳した男女がそれはないだろう?
「そういうわけで帰ってきちゃった。ちゃんとつかさ君が送ってくれたよ!ゆうは今までどこにいたの?」
「ちょっと、欲しい本を買いに隣町まで。レアなんだよな。今思うと、ネット注文の方が確実で速かったかも。って後悔してる」
っていうか、帰ってくるの早すぎ!でもなぁ、俺に似てるやつならそんな感じかもなぁ。悩ましい。
「3人で会うって言ったって、つかさと俺の休みが同じ日になるなんて、年に何回あるのか?ってくらいしかないんだぞ?」
佑ちゃんが落ち込んでしまった。
「仕方ないなぁ。俺が休みの時に訓練場に連れて行ってやるよ。匂いがつよい化粧品は厳禁!それから、まだ訓練済みじゃないやんちゃな犬だっているから、ラフな格好でな」
「日焼けしちゃう?」
「長い時間外にいればなぁ。休憩室もあるし、なんとかなるんじゃねーの?」
俺の見込みが甘かった。
訓練場に連れて行った佑ちゃんはその他大勢のトレーナーに大人気だった。佑ちゃんは美人だからなっ。
「はぁっ?ゆうの姉?全然似てないだろ」
双子なんですけどね。二卵性だから、単なる姉弟と変わらないか。
「佑ちゃんは昔から美意識高い系Utuberだからなっ」
「なんでゆうが自慢するんだよ?」
「自慢の姉だから。美人で可愛いもん。俺、佑ちゃん大好き!」
佑ちゃんに抱きつく。
「いいよなぁ。身内だったら、気軽に抱き着いたりできるもんなぁ。俺がそんな事やったら、痴漢扱いだよ。いや、その前にゆうに殺されるな」
許さん!
「あ、つかさく~ん」
「あいつは訓練中は真剣にやってるから話しかけない方がいい。訓練が終わったら連れてくるよ。それまで休憩室にいよう?お前らは他の犬の訓練しろよ!」
「俺らも休憩…」
「休憩室がむさくるしい。クボジイに怒られるぞ?」
「はい、働きます。佑香さん、また来てくださいね!」
「ふふふ、皆さん面白い方ねぇ」
「佑ちゃんに不埒な視線を…許さん!」
「ゆうったら頑固おやじみたいだよ?」
「頑固おやじだろうと、佑ちゃんには相応しくない。だいたい俺っぽくないだろう?」
「そうねぇ」
休憩室に連れて行くとそこにはクボジイが。
「へぇ、その子が噂の‘佑ちゃん’か。君の事はゆうからよく聞いているよ。俺のことはクボジイって気軽に呼んでよ」
「まだお若いのにジイってなんか変ですけど?」
「うーん、ニックネームだからそれでいいんだよ。あ、お茶うけに饅頭あるけど食べる?なんか美容に悪いとか?俺はそういうの疎くって」
オロオロするクボジイもなかなかレアだ。
「和菓子はどっちかというと体にいいんです。洋菓子は体に悪いかなぁ。生クリームとか思いっきり脂肪ですよね。ってケーキバイキングに行ったりするんですけど」
「そうなのか?安心した。君にも教えちゃおう。俺の生物学的性別は女だ。病院とか困るよなぁ。保険証と顔と二度見されたりすんの。ゆうはわかる?」
「アルアルですよね。なんのために行ってんだって話になりますよね?」
「私もまだ戸籍とか男性だから、病院で二度見とかされますよ?そういうの日本は遅れてるんでしょうか?」
「だと思う」
こんな会話のところに現れるつかさ。




