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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

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転生したらBL世界でハーレムでした

掲載日:2026/02/02

 目が覚めると、俺は知らない部屋にいた。

 天蓋付きのベッド。壁には豪華な絵画。窓からは広大な庭園が見える。

 どう見ても、俺の六畳一間のアパートではない。

「……夢か?」

 頬をつねってみる。痛い。夢ではない。

 ベッドから這い出して、部屋を見回す。調度品のすべてが高級そうだ。鏡台には金の装飾が施されている。

 鏡に映った自分を見て、俺は絶句した。

「誰だよ、これ……」

 そこにいたのは、俺ではなかった。

 金色の髪。碧眼。整った顔立ち。年齢は十代後半くらいだろうか。

 どう見ても、俺ではない。

 いや、待て。これは……。

 記憶が頭に流れ込んでくる。俺ではない、別の人間の記憶が。

 名前はアレクシス・ヴァンフリート。この国の名門貴族の次男。王立学園に通う十七歳。

 そして、昨日トラックに轢かれて死んだ佐藤健太、二十五歳の記憶も同時にある。

「マジかよ……転生?」

 よくある異世界転生ものの展開だ。死んだと思ったら、別の世界に生まれ変わっていた。

 冷静になろう。状況を整理しよう。

 俺は佐藤健太として死んだ。そして、アレクシス・ヴァンフリートとして目覚めた。ここは異世界。おそらく中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。

 よし。まず、この世界のことを知らないといけない。

 部屋を出ると、廊下には使用人が立っていた。

「アレクシス様、おはようございます」

「あ、ああ。おはよう」

 使用人は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。

「本日は学園の登校日です。朝食の準備ができております」

「わかった。行く」

 食堂に向かいながら、俺は考えた。

 この世界のことを知るには、学園に行くのが一番だろう。アレクシスの記憶はあるが、断片的で曖昧だ。実際に行動しながら、少しずつ情報を集めるしかない。

 食堂には、すでに兄がいた。

「おはよう、アレクシス」

「おはよう、兄さん」

 兄の名前はエドワード。長男で、次期当主候補。二十歳。

 エドワードは新聞を読みながら、紅茶を飲んでいた。

「今日は学園か?」

「ああ」

「がんばれよ。お前も今年で卒業だからな」

「うん」

 朝食を終えて、俺は馬車で学園に向かった。

 王立学園。この国で最も権威のある教育機関。貴族の子弟が集まる場所。

 馬車を降りると、周囲から視線を感じた。

「アレクシス様だ」

「相変わらず美しいわね」

「あの金髪、本当に綺麗……」

 なんだ、この注目度。

 アレクシスの記憶を探ると、どうやら彼はこの学園で有名人らしい。美貌で知られ、多くの生徒から慕われている。

 校舎に入ると、さらに多くの視線が集まった。

「アレクシス様、おはようございます!」

「あ、おはよう」

 声をかけてきたのは、栗色の髪の少年だった。名前は……ルーク。アレクシスの親友。

「今日も綺麗だね、アレクシス」

「え、ああ……ありがとう」

 なんだ、この距離感。

 ルークは俺の腕を取って、廊下を歩き始めた。

「ねえ、放課後また図書館に行かない? 新しい本が入ったって聞いたんだ」

「あ、ああ……いいよ」

「やった! じゃあ、楽しみにしてるね」

 ルークは嬉しそうに笑った。

 その笑顔が、なんというか……妙に艶っぽい。

 いや、待て。気のせいだろう。

 教室に入ると、さらに多くの視線が集まった。

「アレクシス様!」

「おはようございます!」

 次々と声をかけられる。全員、男子生徒だ。

 女子生徒もいるが、彼女たちは遠くから俺を見ているだけで、声をかけてこない。

 なんだ、この状況。

 席に座ると、隣の席の少年が話しかけてきた。

「アレクシス、おはよう」

「おはよう……えっと」

「セバスチャンだよ。忘れたの?」

「あ、ああ。ごめん」

 セバスチャン。アレクシスのクラスメイト。記憶にある。

 セバスチャンは黒髪で、切れ長の目をしている。どことなく冷たい印象を受けるが、アレクシスに対しては優しい。

「昨日、体調が悪そうだったけど、大丈夫?」

「ああ、もう平気」

「そう。無理しないでね」

 セバスチャンは俺の手を取った。

「君が倒れたら、僕が困る」

「え、ああ……ありがとう」

 なんだ、この距離感。

 授業が始まった。

 内容は、この世界の歴史や魔法についてだった。魔法が存在する世界らしい。

 授業中、何度も視線を感じた。

 振り返ると、複数の男子生徒がこちらを見ている。目が合うと、彼らはすぐに視線を逸らした。

 なんだ、この人気。

 昼休み。

 ルークとセバスチャンが同時に俺のところに来た。

「アレクシス、一緒にお昼食べよう!」

「アレクシス、僕と食堂に行かない?」

 二人は互いを睨み合った。

「ルーク、君はいつもアレクシスを独占しすぎだよ」

「セバスチャンこそ、最近図々しいんじゃない?」

 空気が険悪になる。

「あ、あの……二人とも、落ち着いて」

 俺が仲裁に入ると、二人は同時に俺を見た。

「アレクシスがそう言うなら……」

「仕方ない。今日は三人で食べよう」

 なんだ、この展開。

 食堂で三人で食事をしていると、周囲からまた視線を感じた。

「アレクシス様、ルーク様、セバスチャン様の三人だ……」

「なんて美しい光景……」

「写真に撮りたい……」

 周囲の生徒たちがひそひそと話している。

 なんだ、この反応。

 食事を終えて、午後の授業に向かう途中、ルークが言った。

「ねえ、アレクシス。今度の休日、僕と街に行かない?」

「街?」

「うん。新しいカフェができたんだ。一緒に行きたいな」

「あ、ああ……いいよ」

「本当? やった!」

 ルークは嬉しそうに俺の手を握った。

 その瞬間、セバスチャンが割って入ってきた。

「アレクシス、僕とも約束があっただろう? 図書館で一緒に勉強するって」

「え、そうだっけ?」

「忘れたの? ひどいな」

 セバスチャンは少し寂しそうな顔をした。

「あ、ごめん。覚えてる」

「なら、良かった」

 セバスチャンは微笑んだ。

 なんだ、この三角関係みたいな展開。

 午後の授業も無事に終わり、放課後になった。

 ルークと約束した図書館に向かう。

 図書館は静かで、落ち着いた雰囲気だった。

「ここだよ」

 ルークは俺を奥の席に案内した。

 二人で並んで座る。

 ルークは本を開いたが、読んでいる様子はない。ちらちらと俺を見ている。

「どうした?」

「ん? いや、別に」

 ルークは少し頬を赤らめた。

「アレクシスと一緒にいると、なんだか落ち着くんだ」

「そう……なのか?」

「うん。アレクシスは特別だから」

「特別?」

「僕にとって、アレクシスは……」

 ルークは言いかけて、口を閉じた。

「なんでもない。忘れて」

「ああ……」

 なんだ、この雰囲気。

 図書館を出ると、外はすっかり夕暮れだった。

「もう遅いね。送ろうか?」

「いや、大丈夫。馬車が来てるから」

「そっか。じゃあ、また明日」

 ルークは名残惜しそうに手を振った。

 馬車で帰る途中、俺は考えた。

 この世界、なんか変だ。

 男子生徒たちの反応が、やけに親密すぎる。距離が近い。目の輝きが尋常じゃない。

 もしかして、これは……。

 その夜、自室で本を読んでいると、使用人がノックした。

「アレクシス様、お客様です」

「客?」

 誰だろう。こんな時間に。

 応接室に行くと、そこにはセバスチャンがいた。

「セバスチャン? どうしたんだ?」

「ちょっと話したくて。邪魔だった?」

「いや、大丈夫」

 二人で応接室に座る。

「今日、ルークと図書館に行ったんだって?」

「ああ」

「楽しかった?」

「まあ……普通かな」

「そっか」

 セバスチャンは少し寂しそうな顔をした。

「僕も、アレクシスともっと一緒にいたいな」

「え?」

「アレクシスは、僕のことどう思ってる?」

「どうって……友達だろ?」

「友達……か」

 セバスチャンは俯いた。

「僕は、アレクシスのことが……」

 その瞬間、ドアが開いた。

「アレクシス様、お茶をお持ちしました」

 使用人が入ってきた。

 セバスチャンは立ち上がった。

「もう遅いから、帰るよ。じゃあね」

「あ、ああ……」

 セバスチャンは去っていった。

 なんだ、今のは。

 告白しようとしてた……のか?

 いや、まさか。

 その夜、ベッドに入ってから、俺は考え続けた。

 この世界、どう考えてもおかしい。

 男子生徒たちの反応。距離の近さ。視線の熱さ。

 そして、ルークとセバスチャンの言動。

 まさか……。

 翌日、学園に行くと、また多くの視線を浴びた。

「アレクシス様、今日も美しい……」

「あの笑顔、天使みたい……」

 男子生徒たちの反応が、明らかに異常だ。

 教室に入ると、ルークとセバスチャンが待っていた。

「おはよう、アレクシス!」

「おはよう、アレクシス」

 二人とも笑顔だが、互いを牽制し合っている。

 授業中、また視線を感じた。

 振り返ると、後ろの席の男子生徒が俺を見つめていた。目が合うと、彼は頬を赤らめて視線を逸らした。

 うん。これは確信した。

 この世界、絶対おかしい。

 昼休み。

 またルークとセバスチャンが同時に来た。

「アレクシス、今日は僕と!」

「いや、僕と食べよう」

 二人は譲らない。

 そこに、別の生徒が割って入ってきた。

「アレクシス様、僕もお話ししたいです!」

「え、誰?」

「クラスメイトのジェイクです! いつもアレクシス様のことを見ています!」

「そ、そうなんだ……」

 ジェイクは金髪で、少年のような顔立ちをしている。

「アレクシス様、僕、ずっと言いたかったんです。アレクシス様のこと、本当に素敵だと思っています!」

「あ、ありがとう……」

「ジェイク、割り込まないでくれる?」

 ルークが睨む。

「ルーク先輩、僕だって権利があります!」

「権利って何だよ」

 三人が言い合いを始めた。

 なんだ、この修羅場。

 そこに、また別の生徒が来た。

「アレクシス様! 僕もお話ししたいです!」

「僕も!」

「僕も!」

 次々と男子生徒が集まってくる。

 気づけば、俺の周りには十人以上の男子生徒が集まっていた。

「ちょ、ちょっと待って……」

「アレクシス様、僕を選んでください!」

「いや、僕を!」

「僕です!」

 完全にハーレム展開だ。

 しかも、全員男。

 あ、これは……。

 この世界、もしかして……。

 その瞬間、教室のドアが開いた。

「何をしている」

 低い声。

 振り返ると、そこには銀髪の青年が立っていた。

 生徒たちは一斉に静まり返った。

「ダミアン先輩……」

「邪魔をするな」

 ダミアンと呼ばれた青年は、冷たい目で生徒たちを見た。

 生徒たちはすぐに散っていった。

「助かった……ありがとう」

「礼には及ばない」

 ダミアンは俺を見た。

「アレクシス・ヴァンフリート。君のことは聞いている」

「あ、ああ……」

「この学園で最も美しいと言われる男。多くの者が君に惹かれている」

「そ、そうみたいだね……」

「僕も、その一人だ」

「え?」

 ダミアンは俺に近づいた。

「君に興味がある。もっと知りたい」

「あ、あの……」

「放課後、屋上で待っている。来てくれるか?」

「え、あ……」

「では、待っている」

 ダミアンは去っていった。

 なんだ、今のは。

 告白……じゃないよな?

 いや、そうかもしれない。

 放課後。

 俺は悩んだ末、屋上に向かった。

 ダミアンは約束通り、屋上にいた。

「来てくれたんだな」

「ああ……」

 ダミアンは夕日を背にして立っていた。その姿は、絵画のように美しい。

「アレクシス。君は自分がどれだけ特別か、わかっているか?」

「特別……?」

「この学園で、君ほど多くの者を魅了している人間はいない」

「そんなこと……」

「僕も、君に惹かれている」

 ダミアンは俺に近づいた。

「君のその金色の髪。碧眼。優しい笑顔。すべてが美しい」

「あ、ありがとう……」

「僕は、君のことをもっと知りたい」

 ダミアンは俺の手を取った。

「僕と、付き合ってくれないか?」

「え……」

 告白だ。

 完全に告白だ。

 しかも、男から。

「あ、あの……」

「返事は今じゃなくてもいい。考えてくれ」

 ダミアンは微笑んだ。

 その笑顔が、あまりにも美しくて、俺は言葉を失った。

 その夜、自室で俺は頭を抱えた。

 これは、どう考えても……。

 この世界、ボーイズラブの世界だ。

 男同士の恋愛が普通の世界。

 いや、むしろ推奨されている世界。

 そして、俺はその世界で「受け」の立場にいる。

 周囲の男子生徒たちは、みんな俺に好意を持っている。

 ルーク、セバスチャン、ジェイク、ダミアン……。

 どう考えても、ボーイズラブの世界だ。

 俺は元の世界では、普通の男だった。

 女性が好きだった。

 ボーイズラブには、興味がなかった。

 なのに、この世界では……。

「どうすりゃいいんだよ……」

 翌日から、俺は学園生活に慣れようと努力した。

 ルークとセバスチャンとは、適度な距離を保つ。

 他の男子生徒たちとも、友好的に接する。

 ダミアンの告白には、まだ返事をしていない。

 しかし、日を追うごとに、俺は気づき始めた。

 この世界の男子生徒たちは、みんな魅力的だ。

 ルークの明るい笑顔。

 セバスチャンの優しい言葉。

 ダミアンの堂々とした態度。

 そして、他の生徒たちの、俺を見る熱い視線。

 最初は戸惑っていた。

 でも、少しずつ……。

 少しずつ、この世界の雰囲気に慣れてきた。

 ある日、ルークと二人で街を歩いていた。

 新しいカフェで、ケーキを食べる。

「美味しいね」

「うん」

 ルークは嬉しそうに笑った。

「アレクシスと一緒にいると、本当に幸せなんだ」

「そう……なのか?」

「うん。僕、アレクシスのことが本当に好きだから」

 ルークは真剣な顔で言った。

「好き……って」

「恋愛感情だよ。僕、アレクシスのことが好き」

 はっきりと言われた。

「あ、あの……」

「返事は急がないよ。でも、僕の気持ちは本物だから」

 ルークは微笑んだ。

 その笑顔が、あまりにも純粋で、俺は何も言えなくなった。

 別の日、セバスチャンと図書館で勉強していた。

「アレクシス、この問題わかる?」

「ああ、これは……」

 俺が説明すると、セバスチャンは嬉しそうに頷いた。

「アレクシスって、本当に頭がいいよね」

「そんなことないよ」

「いや、本当だよ。僕、アレクシスのそういうところも好きなんだ」

 セバスチャンは俺を見つめた。

「アレクシス、僕も君のことが好きだ」

「え……」

「ルークだけじゃない。僕も、君に恋をしている」

 またはっきりと告白された。

「あ、あの……」

「返事は待つよ。でも、僕の気持ちは変わらない」

 セバスチャンは優しく微笑んだ。

 そして、ダミアンとも再び話す機会があった。

 屋上で二人きり。

「アレクシス、考えてくれたか?」

「あ、あの……」

「焦らなくていい。僕は待つ」

 ダミアンは俺の肩に手を置いた。

「ただ、一つだけ言わせてくれ」

「何?」

「僕は、君を誰にも渡したくない」

 ダミアンの目は、真剣だった。

「僕の気持ちは、本物だ」

「……わかった」

 俺は、少しずつ理解し始めていた。

 この世界では、男同士の恋愛が普通だ。

 そして、彼らの気持ちは本物だ。

 ルークも、セバスチャンも、ダミアンも、みんな本気で俺を想っている。

 最初は戸惑った。

 でも、今は……。

 今は、少しずつ受け入れ始めている。

 彼らの優しさ。真剣さ。純粋な気持ち。

 それを無下にするのは、間違っている気がする。

 ある日、学園の中庭で、俺は一人で考えていた。

 この世界で、俺はどう生きるべきか。

 元の世界の価値観を捨てて、この世界に順応するべきか。

 それとも、自分の気持ちに正直に生きるべきか。

 その時、誰かが声をかけてきた。

「アレクシス様、お一人ですか?」

 振り返ると、知らない少年が立っていた。

「君は?」

「僕はフェリックス。一年生です」

 フェリックスは栗色の髪で、少し内気そうな印象を受ける。

「僕、ずっとアレクシス様に憧れていました」

「そう……なんだ」

「アレクシス様は、この学園の誰もが認める美しい方です。僕も、アレクシス様のような人になりたいです」

 フェリックスは真剣な顔で言った。

「僕、まだ恋愛とかよくわからないんですけど……でも、アレクシス様を見ていると、胸が高鳴るんです」

「え……」

「これって、恋……なんでしょうか?」

 フェリックスは俺を見つめた。

 その瞳は、純粋で、曇りがない。

「わからない……けど」

 俺は言った。

「君の気持ちは、本物だと思う」

「本物……」

「うん。だから、大切にした方がいい」

 フェリックスは嬉しそうに笑った。

「ありがとうございます、アレクシス様!」

 フェリックスは去っていった。

 俺は、自分の言葉に少し驚いた。

 本物の気持ち。

 大切にする。

 それは、俺自身にも当てはまる言葉だった。

 この世界で、多くの人が俺に好意を寄せている。

 その気持ちは、本物だ。

 なら、俺はどうするべきか。

 その答えは、まだわからない。

 でも、少しずつ……。

 少しずつ、この世界に馴染んできている。

 男同士の恋愛。

 最初は理解できなかった。

 でも、今は……。

 今は、少しだけ理解できる気がする。

 それから数週間。

 俺は、ルーク、セバスチャン、ダミアンと、それぞれ時間を過ごした。

 ルークとは街を歩き、カフェで話した。

 セバスチャンとは図書館で勉強し、夜遅くまで語り合った。

 ダミアンとは屋上で夕日を見ながら、将来の話をした。

 そして、気づいた。

 彼らと一緒にいると、楽しい。

 心が温かくなる。

 笑顔になる。

 これは……。

 これは、もしかして……。

 ある日、俺は決断した。

 ルーク、セバスチャン、ダミアンの三人を呼び出した。

 中庭で、四人で向き合う。

「三人とも、話がある」

「何?」

 三人は真剣な顔で俺を見た。

「俺は……最初、この世界に戸惑っていた」

「戸惑っていた?」

「うん。男同士の恋愛とか、よくわからなかった」

 俺は正直に言った。

「でも、今は違う」

「違う……?」

「今は、少しだけわかる気がする」

 俺は三人を見た。

「君たちの気持ちが、本物だってこと」

「アレクシス……」

「だから、俺も真剣に考えたい」

 俺は深呼吸した。

「誰か一人を選ぶのは、今はまだできない。でも、君たちのことを、もっと知りたい」

「それって……」

「俺と、これからも一緒にいてくれるか?」

 三人は顔を見合わせた。

 そして、同時に笑った。

「もちろんだよ、アレクシス」

「僕も、嬉しいよ」

「当然だ」

 三人は俺に近づいた。

「じゃあ、これから四人で過ごそう」

「うん」

「いいね」

「賛成だ」

 四人は笑い合った。

 俺は、この瞬間を忘れないだろう。

 転生した世界は、ボーイズラブの世界だった。

 最初は戸惑った。

 でも、今は……。

 今は、この世界も悪くないと思っている。

 なぜなら、ここには……。

 ここには、本物の気持ちがあるから。

 そして、その気持ちに触れて、俺も少しずつ変わっていく。

 男同士の恋愛。

 まだ完全には理解できていない。

 でも、それでいい。

 これから、ゆっくりと学んでいけばいい。

 ルークの明るさ。

 セバスチャンの優しさ。

 ダミアンの強さ。

 それぞれが、俺にとって大切な存在になっていく。

 そして、俺も彼らにとって大切な存在でありたい。

 転生した世界は、予想外だった。

 でも、それは……。

 それは、新しい可能性でもある。

 俺は、この世界で生きていく。

 自分らしく。

 そして、彼らと一緒に。

 これが、俺の新しい人生だ。

 ボーイズラブの世界での、新しい人生。

 まだ始まったばかりだが……。

 まだ始まったばかりだが、きっと楽しいものになるだろう。

 なぜなら、ここには……。

 ここには、本物の愛があるから。


 数ヶ月後。

 俺は学園を卒業した。

 ルーク、セバスチャン、ダミアンも一緒だ。

 四人で、新しい道を歩み始める。

 俺は、もう迷わない。

 この世界で生きていく。

 彼らと一緒に。

 転生したらボーイズラブの世界だった。

 最初は信じられなかった。

 でも、今は……。

 今は、この世界を愛している。

 なぜなら、ここには……。

 ここには、本物の愛があるから。

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