アラニスのひとりごと。
キャンディ店の店主、アラニスは、毎朝露店に並べる甘いお菓子を並べながら、ふと目を向けた。
自分の店の隣、昨日あんなにご機嫌にキャンディを食べていたあの小さな女の子が、今日は急に露店の一角にポーション屋を開き始めたのだった。
昨日まではただの通りすがりの楽しげな客だったはずだ。
可愛らしい姿で、色とりどりの風船やロリポップを手に、あちこちの露店を見て回っていた。
なんとも無邪気な笑顔を浮かべて、他の店主ともすぐに打ち解けて、楽しそうに話していたことをアラニスは覚えていた。
しかし、今朝、その子がやってきて、急にポーションを並べ始めたのだ。
目の前に広がったのは、どこか異世界のような色とりどりの瓶が並んだテーブル。
ポーションのラベルには「ぷにぷにほっぺ」「身長が3センチ伸びるポーション」「一日限定惚れ薬」と書かれ、どれも愉快な響きのものばかりだった。
アラニスは少し驚きながらも、その子が並べるポーションに思わず微笑んだ。
特に目を引いたのは、彼女の笑顔だった。
顔を輝かせて、何か楽しいことを言いながら通りすがりの人々に声をかけている。
その無邪気で、どこか人懐っこい笑顔が、周りの人々を引き寄せていた。
「ほっぺをぷにぷににしたい方、いませんか~?」
「一日限定!恋の魔法をかける惚れ薬、試してみませんか~?」
その声は、まるでお祭りの出店のような明るさで、通行人たちの心をつかんだようだ。
みんなが足を止めて、どれも楽しそうに見えるポーションに目を奪われている。
その姿を見ていたアラニスは、思わず笑みを浮かべる。
「ふむ、ただの可愛い子かと思ったけど、なかなかやるな…」
それにしても、彼女の無邪気な笑顔と元気な声が、通りの雰囲気を一気に和ませ、明るくさせているのは確かだった。
隣のキャンディ店の店主として、あまりにもそのポーション屋の存在が気になったのだ。
「ほんと、何だか楽しい気分になるね。」
ふと、自分の店に集まっていた客たちも、ポーションの店を見ながら、思わず微笑んでいるのを見て、アラニスは感心した。
美少女の無邪気な笑顔に、まるでみんなが引き寄せられるようだった。
笑顔の力というものは、まさに無敵だと実感した。
「この子、きっとただ者じゃないな。」
アラニスは気づけば、ポーション屋の小さな店主に心を引き寄せられている自分に気づいていた。
あらわれたばかりですっかり街に馴染んでしまったその子のエネルギーと魅力に、思わず感嘆の声が漏れそうになる。
彼女はしばらく店の外からその光景を見守っていた。
ポーションが次々と売れていき、また新たに来た客たちがその不思議なポーションに興味津々で触れながら、楽しそうに話す様子に、心から感心していた。
「よし、私も負けてられないわね。」
アラニスは自分の店の飾りを少し整えながら、改めて決心を固めた。
彼女のように、自由に楽しみながら商売をしている姿を見て、なんだか自分ももっと楽しんでお客さんと接しようという気持ちが湧いてきた。
「今日も一日、甘いお菓子を届けるぞ!」
そう思ったアラニスは、にっこりと笑顔を浮かべ、店の前に立ち、声を張り上げた。
隣のポーション屋の子も、きっと次の日も元気よく露店に立っているだろう。
そんな風に、彼女との出会いが新たな刺激となり、アラニスの心も少しだけ前向きになったのだった。




