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脱走聖女は異世界で羽をのばす  作者: つむぎ


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6/10

えがおー!


リディアは朝日が差し込む中、露店の準備を整え終わった。


ポーションの瓶を並べたテーブルは、色とりどりの液体で彩られている。

惚れ薬、ぷにぷにほっぺ、身長が3センチ伸びるポーション――それぞれにユニークなラベルが貼られ、ちょっとしたお祭りのような賑やかな雰囲気を醸し出していた。


リディアはちょっと緊張しながらも、胸の中でわくわくとした期待に満ちていた。


「これなら、きっと誰かが面白がって買ってくれるはず!」と、自分の作ったポーションを眺めながら、元気に声をかけ始めた。


「新商品! 一日限定の惚れ薬! 誰かを好きにさせる魔法のポーション!」


リディアは大きな声で呼びかけた。

その声が通りに響くと、数人が足を止めてちらりと店の方を見た。


「ぷにぷにほっぺになれるポーションだよ! ほっぺをふわふわにしたい人、必見!」


リディアは次々とポーションを紹介しながら、ちょっとしたパフォーマンスを交えた。

身長が3センチ伸びるポーションを見せると、「誰でもちょっとだけ背が高くなれるよ! 身長アップしたい人、ぜひ!」と声を張り上げた。


少しずつ、通りすがりの人々が立ち止まり、興味深そうにポーションを眺めるようになった。


その中で、一人の女性が近づいてきて、にっこりと微笑みながら声をかけてきた。


「ねえ、これは本当に効くの?」


リディアはその質問に嬉しそうに答える。


「もちろん! このポーションは、私が一生懸命作った特製だから、間違いなく効くよ!」


女性は少し考え込んだ後、惚れ薬の瓶を手に取った。

「じゃあ、試しにこれを一本。だって、今日はちょっと楽しいことがあったらいいなと思って。」


リディアは思わず笑顔を見せ、「ありがとうございます! きっと素敵な一日になりますよ!」と言った。


他の通行人たちも興味津々でポーションを手に取っていった。

リディアは次々と売れていくポーションを見ながら、心の中で小さな勝利を感じていた。


神殿では決して経験できなかった、この街の自由な空気と、ポーションを通じて人々と触れ合う楽しさを感じていた。


そのうち、街の子どもたちが集まり始め、ポーションを興味深そうに覗き込むようになった。


リディアはその子たちに向かって、さらに元気よく声をかける。


「ぷにぷにほっぺになりたくない? ちょっとした秘密を知りたいなら、このポーションを試してみて!」


子どもたちは目を輝かせて集まり、「ほんとうにぷにぷにになるの?」と、目を大きくして聞いてきた。

リディアはうなずきながら、楽しそうに答える。

「うん、すぐにでもぷにぷにになるよ!」


その様子を見ていた通行人たちも、微笑みながら足を止めた。


街全体が、リディアのポーションを通じてほんの少しだけ、愉快で楽しげな雰囲気に包まれ始めたようだった。


露店を始めたばかりのリディアだったが、その小さな一歩は確実に成功へと向かっていた。


人々と笑い、驚き、時にはちょっとした感動を共有しながら、リディアの新しい冒険が広がりを見せていた。

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