回転ポーション
卵ちゃんがぴくぴくと微細に動くのを見守りながら、リディアはリュックから薬草を取り出し、ポーション作りを始めることにした。
溶岩の温かさと、まるでお昼寝のような心地よさに包まれながら、リディアは楽しそうに材料を並べる。
「さて、今日のお楽しみは回転ポーション!
回るの大好きだし、これを作ったらきっと面白いに違いない!」
リディアは目を輝かせて薬草を調合し始めた。
まず、手に取ったのは青色の葉。
ほんのりと涼しげな香りが漂ってきた。
次に、透明な液体が入った瓶を取り出し、慎重にそれを混ぜていく。
指先で薬草をちょっとつまんで、回しながら溶かしていく。
ポーション作りの手順は慣れたものだ。
薬草を加えるたびに、薬液の色が少しずつ変わっていき、だんだんと期待の色合いに近づいてきた。
「よし、これで…」
完成したポーションは、薄紫色で透き通っていて、見た目もどこか楽しい印象を与えるものだった。
リディアはその瓶を手に取ると、にっこりと微笑んだ。
「これで、回転してみたい気分の時にぴったり!」
リディアは卵ちゃんのぴくぴくとした動きに気を取られながらも、さっき作った回転ポーションをそっと自分の前に置いた。
しばらく見つめていた卵ちゃんに語りかけるように話した。
「卵ちゃんも元気そうでよかった!これで私も元気いっぱい!
あ、そうだ、今度はポーションを飲んでくるくる回ってみようっと!」
ポーションを少し手に取り、リディアは一口飲んでみた。
ほんのり甘い味が広がったかと思うと、あっという間に体がふわっと軽くなり、周囲がぐるぐる回り始めた。
驚く間もなく、リディアはその場でくるくると回転を始めた。
「わぁ!すごい!くるくる回りながらも、全然転ばないよ!」
リディアは嬉しそうに何度も回りながら、目を細めて笑う。
だんだんと周りの景色が速くなり、リディアの足元もふわふわと浮かんでいるような感覚に包まれる。
回転ポーションは楽しいけれど、あまりに回りすぎると少し目が回りそうになった。
「うーん、ちょっとだけ、やりすぎたかな?」
リディアはふらっとしながらも、楽しさに満ちた声を上げる。
「でも、こんなふうに気分転換できるポーション、いいなぁ。きっと冒険にも役立つわ!」
卵ちゃんもリディアの足元でぽっこりと動きながら、どうやら楽しんでいるようだ。
「次は卵ちゃんも一緒に回してみようかな?」
リディアはニヤリと笑い、今度は卵ちゃんを優しく持ち上げて、ふわっと回してみることに決めた。
その瞬間、リディアの心も、周りの世界も、まるで回転しながら楽しい冒険へと一歩踏み出すのだった。




