参考文献一覧+論文 "超かんたん" 解説コーナ〜っ♡ 6
嫉妬の進化——うらましさはあなたを天国/地獄どちらに連れていく?
Impact of Personality Types on Sadism and Schadenfreude in Adults. 2022. Mehreen Liaqat, et al.
Schumpe, B. M., & Lafrenière, M.-A. K. (2016). Malicious joy: Sadism moderates the relationship between schadenfreude and the severity of others' misfortune. Personality and Individual Differences, 94, 32–37.
Lange, J., Weidman, A. C., & Crusius, J. (2018). The painful duality of envy: Evidence for an integrative theory and a meta-analysis on the relation of envy and schadenfreude. Journal of Personality and Social Psychology, 114(4), 572–598.
When your gain is my pain and your pain is my gain: neural correlates of envy and schadenfreude. 2009. Hidehiko Takahashi, Motoichiro Kato, et al.
Tania Singer, Ben Seymour, John P O'Doherty, et al. (2006) Empathic neural responses are modulated by the perceived fairness of others.
Hitomi Watanabe. (2014) The Effect of Sharing a Feeling of Schadenfreude on Adolescents' Self-esteem.
Impact of Personality Types on Sadism and Schadenfreude in Adults. 2022. Mehreen Liaqat, et al.
とつぜんですが、あなたは普段だれかを羨ましがることはあるでしょうか?
科学的な観点から見ると、ひとを羨ましく思うのは別に悪いことではありません。羨望は私たち人間が進化の過程で獲得してきた普遍的な感情ですから、すごいひとを見て「わぁ、すごいなぁ。私もあの人みたいに……!」と思うのは普通です。もちろん、私も誰かを羨ましく思うことは多々あります。
ただし、羨望が嫉妬に変わるのは問題かもしれません。
というのも、嫉妬は本質的に「誰かを引きずりおろそうとする気持ち」だからです。これは憧れが「誰かに近づこうとする気持ち」なのと全くの正反対。この先で詳しく解説していきましょう。
作中、ミリアはお母さんに手を引かれるルルちゃんの姿を羨望の眼差しで見ていましたね。閉館時間を迎えた図書館の前で、彼女は母と娘の仲睦まじいようすを羨ましそうに眺めていました。
さて、これは良い意味/悪い意味どちらだったでしょうか?
心理学や神経科学の観点から見ると、羨望はコインの表と裏のように表裏一体の感情です。他人をうらやましく気持ちにポジティブな意味が加わると良性の羨望、これにネガティブな意味が加わると悪性の羨望——『妬み』や『嫉妬』と表現されます。
したがって、羨望それ自体に良い/悪いはありません。「うらやましい」という気持ちにポジティブ/ネガティブな意味が加わったとき、はじめて羨望に色が付きます。もちろん、ほとんどの人は「嫉妬=よくないもの」と考えるでしょうけど。
ただ一方で、羨望も使いようです。
羨望をポジティブに使えば「あこがれのあの人みたいに!」というモチベーションになりますし、この感情をネガティブに使えば「あいつを引きずり下ろしてやろう」というモチベーションになります。後者は明らかに悪性の羨望——妬み嫉みでしょう。
とりわけ、他人に嫉妬するのは自分が幸せじゃないときです。
いい羨望は「もっともっと幸せに!」という前向きな気持ちを生みますが、わるい羨望(=嫉妬心)は「幸せなアイツが憎い。あいつを不幸にしてやりたい……」という後ろ向きな気持ちを生みます。
他人をうらやましく思うのは普通のことです。羨望は以下のような気持ちを私たちに教えてくれます。
「私は何が欲しいのか?」
「私には何が足りないのか?」
「私が幸せになるには何が必要?」
羨望はモチベーションになります。あらゆる感情がそうであるように、です。
恐怖が「あの怖いものから逃げなきゃ!」という回避のモチベーションを生むのに対し、羨望は「私あの人みたいになりたぁい♡」という接近のモチベーションを生み出します。
ここで参考例をあげさせてください。
たとえば、故ナイチンゲールさんは私の尊敬する女性です。彼女に対する私の気持ちは『あこがれ』そのもので、彼女のように愛にあふれた人になりたいと思うのと同時に、たいへん僭越ながら少しでも彼女に近付けたらとも思っています。
故ナイチンゲールさんは私の永遠のあこがれです。この気持ちは彼女のような人間になろうとするモチベーションになっています。
もちろん、彼女のような立派な女性になれないことは分かっていますが、このあこがれをモチベーションにして今より少しでも良い自分になろうとすることに意味がある——。私はそう考えています。
ひるがえって、嫉妬心は往々にして「ざまぁみろ」を生み出す温床です。これは心理学や神経科学の分野で『シャーデンフロイデ』という言葉で言いあらわされますね。
幸せそうな夫婦が離婚した。ざまあみろ。
幸せそうにしてたアイツが地に落ちた。ざまあみろ。
ざまあみろ、ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。
ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。
幸せそうにしてるヤツらみんな地獄に落ちろ。ざまあみろ。
ここまで鬱屈した感情が湧くかどうかはともかく、私たち人間は進化の過程で「自分より上にいる人間を引きずり下ろそうとする心の動き」を獲得しました。
昔は今よりもずっとコミュニティの規模が小さかったですから、上の立場の人を引きずりおろせば自分が代わりにエラい立場になれたでしょう。
たとえば、族長が失脚すれば自分が代わりにリーダーになれたかもしれませんし、第1夫人が旦那に見限られれば第2夫人の自分が昇格できたかもしれませんよね。
嫉妬心に性別は関係ありません。男性も女性も同じように誰かに嫉妬します。「どんな風に他者に嫉妬し、相手を引きずりおろそうとするか?」に違いがあるだけです。これは往々にして性差よりも個人差のほうが大きいでしょう。
ひるがえって、現代は嫉妬心が暴走しやすい環境になっているようです。たとえば、不適切な言動で誰かかSNS上で炎上したとしても、その人の代わりに別の人が新しく知名度のあるポジションに就くわけではありません。
スマホ画面の向こうにいる人が引きずり下ろされたとて、いったい誰がそのメリット——その上位ポジションに取って代わるメリットを受けられるのでしょうか?
SNS上で嫉妬しても何の意味もありません。
たとえば、私が内心じつは羨ましいと思っている人を炎上させたとて、その人のポジションに新しく私が成り代わるわけじゃありませんよね。
行き場のない嫉妬を画面の向こうにぶち込んだとしても、私の現在の不幸がやわらぐわけではないのは明らかです。これは何の意味もない行動です。
しかし、私たちが進化の過程で獲得してきた心の動きは、これだけ文明が発達した現代でもなも無くなるわけではありません。
他人の不幸は蜜の味。
誰かを失脚させるのは気持ちいい。ざまあみろ。
誰かを引きずり下ろすのは気持ちいい。ざまあみろ。
とりわけ、自尊心が低い人——自分を肯定し受け入れる気持ちが弱い人ほど、嫉妬心に根ざした「ざまあみろ!」の気持ちがより強くなるようです。
さて、私たちはどんなときに他人に嫉妬するのでしょうか?
答えはシンプルで、これは「自分と近い状況にある人が成功したとき」です。自分と近い友人知人が経済的/社会的に成功したときに嫉妬の萌芽が見られます。
たとえば、私たちは自分との距離が遠すぎる人——イーロン・マスクさんが社会的に成功しても大して嫉妬しません。偉人の成功は私たち一般人との心理的距離があまりにも遠すぎるからです。
これと同じように、テレビの向こうにいる芸能人が多額のお金を持っていたり、一国の大統領が幸せな結婚生活を送っていても別に嫉妬しないでしょう。
しかし、これが自分の知り合いや身近なママ友となれば話は別です。
学生のころのクラスメイトもママ友も「自分との心理的距離が近い人たち」ですから、彼ら/彼女らがお金持ちになったり幸せな結婚生活を手にすると私たちは嫉妬します。
逆に、あまりに遠くにい過ぎる人たち——歴史的な偉人や著名人などにはあまり嫉妬しません。この人たちに対して「他人の不幸は蜜の味♡」と感じることはあまりないでしょう。まぁ、その可能性がゼロとは言いませんけれどもね。
ちなみに、共感スキルが低い人たちは「ざまあみろ!」と感じやすいようです。結果として、シャーデンフロイデは女性より男性のほうに起きやすく、自分より社会的地位が高い人を引きずり下ろしたときに世の男性たちは「ざまあみろ!」と感じます。
じっさいに、シャーデンフロイデと脳の働きとの関連を調べたデータでは、他人が引きずり下ろされたときに女性は前帯状皮質が活性化するのに対し、男性のほうは『快感』をもたらす腹側線条体の働きが強くなっていました。
かんたんに言うと、女性は他人さまの失脚を「かわいそう……」と感じたのに対して、男性は「ざまあみろっ、スカッとした!」と感じていたんですね。やだぁ、こわぁ〜いっ。
さて、どうして私たちは「ざまあみろ!」と思ったときに「スカッとする」のでしょうか?
また、どうして共感力を高めると『他人の不幸は蜜の味』と感じにくくなるのでしょうか?
本質的に、嫉妬は不快です。他人を妬む気持ちは本質的に不快感をもたらします。だからこそ、この心のモヤモヤが解消されたときに「スカッとする」んですね。
また、共感力が高い人は他人の失脚を「ざまあみろ!」よりも「かわいそう……」と感じます。誰かの転落劇を見て「え、やだぁ。かわいそうなんだけど……」と感じるような心優しい人ですから、他人さまが高い地位から引きずり下ろされたときに「いいぞ、もっとやれ!」とは思わないでしょう。これは共感がシャーデンフロイデを未然に防ぐ防波堤になることを示しています。
言ってみれば、自尊心も共感スキルもシャーデンフロイデに「待った!」をかけるブレーキのようなもの。これらは『ざまあみろアクセル』を踏まずに済む心のブレーキみたいなものです。
嫉妬という卑しい気持ちを感じずに済むための方法の1つは、ありのままの自分を受け入れたうえで他人に共感する心を大切にし、自他ともに愛と思いやりをもって接してあげることなのかもしれませんね。
私も羨望が嫉妬に変わらないよう、自分に愛を注いであげようと思います。あなたもどうぞご自愛くださいませ〜っ♡
ほぅーら、お酒がダメならノンアルを飲めばいいじゃなあい?
Matured hop extract reduces body fat in healthy overweight humans: a randomized, double-blind, placebo-controlled parallel group study. 2016. Yumie Morimoto-Kobayashi, Kazuaki Ohara, et al.
Effect of non-alcoholic beer on Subjective Sleep Quality in a university stressed population. 2014. L Franco, R Bravo, et al.
Nonalcoholic beer reduces inflammation and incidence of respiratory tract illness. 2012. Johannes Scherr, David C Nieman, et al.
科学は飲酒をオススメしていません。
じっさい、過去いくつもの研究で「お酒=1滴でも健康に悪影響あり」と指摘されています。したがって、まともな科学者ならあなたにお酒のメリットを説くことはないでしょう。
ひるがえって、近年ではアルコールのデメリットが世界的にも認知され始め、会社の飲み会でも "あえて" お酒を飲まない風潮が広まりつつあるようです。
ただ一方で、お酒をやめられない人がいるのも事実です。歴史を紐解いても、アルコールは人類の発展と密接に関わってきた過去があります。
たとえば、私の友だちの1人は大変な読書家&お酒好きですが、たまたま手に取った本に「お酒のデメリット」が書かれていたため、読書の途中でその本を読むのをやめてソッコーでゴミ箱にぶち込んだそうです。はて、お酒好きの下剋上でしょうか?
さておき、お酒に悪魔的な魅力があるのは確かです。「お酒を飲みたい!」という悪魔的な誘惑に駆られる人は数多く、この社会がどれだけ私たち国民に減酒や禁酒を推奨しようとも、あの悪魔的な飲み物を世の中から撤廃できた試しはありません。
じっさい、禁酒法は世界各地で全て失敗に終わっています。どうやら、ワインを含むお酒を禁じるのはラクダが針の穴を通るより難しいようですね。
政府がお酒を禁止する法律を作ったとて、人々からアルコールを取り上げることはできません。
古来より、国家によってアルコールを禁止された人たちは、お酒の密造や密輸入などを通じてこれを手に入れてきました。場合によっては争い(≒戦争)に発展することもあったそうです。やぁー、お酒の魔力ってすごいですね〜?(ほんとに!)
アルコール争奪戦の是非はともかく、健康のことを考えるならお酒は1滴も飲んじゃダメ。数々の研究が示すとおり、たった1滴のワインですら健康に悪影響をもたらす——。科学はそう結論づけています。
ただ一方で、ノンアル飲料はあなたの健康にプラスかもしれません。ほぉーら、お酒がダメならノンアルを飲めばいいじゃなあ〜い?
たとえば、ビールに含まれている『ホップ』を調べたデータでは、この原料には①睡眠の質の改善や②ダイエット効果があると報告されました。
ホップはビールの苦味を出す原料として知られていますが、これを摂取することによえり体内にある褐色脂肪細胞が活性化し、結果としてぽっちゃり女性の体脂肪が燃えやすくなったのだそうです。ほおーぅ、これはいいお話ですねぇ〜?(好奇心ぐさぐさっ♡)
ひとことで言うと、ノンアルビールを飲むと痩せやすくなります。おまけに夜もぐっすり眠れちゃいます。ホップしゅごい。
さらに、ノンアルビールに含まれる①ホップや②ポリフェノールなどは、以下の健康効果をもたらす可能性がいくつかの研究で指摘されています。
①ホップ
・睡眠の質が改善
・ダイエット効果
②ポリフェノール
・抗炎症効果
・疲労改善効果
・免疫力の向上(=225%も風邪を引きにくくなる!)
とりあえず痩せたい人にはホップがオススメですが、ポリフェノールの健康効果もなかなか見逃せません。
とりわけ、ポリフェノールで免疫力の向上が見込める——225%も風邪を引きにくくなるのだから驚きです。どうやら、この成分は適度な量であれば免疫細胞を活性化し、私たちを風邪を引きにくい強い身体にしてくれるんだそうです。
ちなみに、ホップはノンアルビールにも含まれていますし、ポリフェノールもまたノンアルワインに多く含まれています。
となれば、どぉ〜しても飲み会で何か飲まなきゃいけないときは、アルコール飲料の代わりにノンアルビールやノンアルワインを飲むのも1つの手かもしれませんね。これは昨今の世の中の潮流(=アルコールねがてぃぶキャンペーン♡)ともマッチするお話です。
通常のアルコール入りのビールやワインと比べると見劣りするかもしれませんが、アルコールじたいが人体にとっては毒なのでノンアルのほうに軍配が上がります。
もちろん、これは別に「お酒なんて飲んじゃダメっ。アルコール許すまじ〜っ!」という話ではありません。あくまでノンアル飲料の健康効果にフォーカスしたお話なのでご承知を。
お酒は飲んでも飲まれるな。
昨今、アルコール依存(中毒)による健康被害や経済的損失が以前よりも大きく取り沙汰されています。
たとえば、私は普段まったくお酒を飲まないのであまり心配ないかもですが、もしあなたの身内にお酒好きさんがいらっしゃったら家族としては心配ですよね。
かつては「お酒は百薬の長」なんて言われていた時代もありましたが、現代では「お酒は1滴でもアウト」がメインストリームになりつつあります。
ぜひ今回のお話を参考に、お酒との付き合いを見直してみてくださいね。ひょっとしたら、あなたもノンアル飲料に案外ハマっちゃうかもしれませんよ〜?(そうかもっ♡)




