参考文献一覧+論文 "超かんたん" 解説コーナ〜っ♡ 6
(続)
こうしたマッチョな考え(=マッチョイズム)を重視し過ぎると、男らしい行動を取れなかったときに自分への情けなさや恥ずかしさが湧き、女々しい自分に対してストレスやフラストレーションを感じることがあるようです。
なよなよした男性が男社会で受け入れられづらい理由の1つは、マッチョイズムが支配する社会では『男らしさ』が最大の価値となり、女性的な考えや価値観は『弱さ』として受け取られるケースが少なくないから。
本来であれば、ひとりの男性にも女性的な部分と男性的な部分の両方があります。私の例で言えば、生け花やピアノやお買い物などを好むのは私の女性的な側面かもしれませんが、筋トレやサッカーやビジネスなどを好むのは私の男性的な側面かもしれません。その日の気分や体調などによって、女性的な部分と男性的な部分の比率が変わることもあるでしょう。
この例からもお分かりのとおり、ひとりの人間にも女性的な面と男性的な面の両方が宿っています。むしろ、どちらか一方だけに偏るほうが珍しいかもしれません。社会がこれをどう判断するかは置いといて、私たち人間の性別は思ったよりも多面的かつ多種多様なようです。
言葉を選ばずにいうと、オス♂かメス♀かはただの記号に過ぎません。私に言わせれば、性別はただのオプションです。生物学的にオス♂だからといって全ての面で男性的なわけではなく、ときにはお花を愛でたりコスメに興味を持つことだってあるでしょう。じっさい、お花好きの男性も少なくないと思います。知りませんけど(適当)。
これと同じように、生物学的にメス♀だからといってスイーツや恋愛ドラマばかりが好きなわけではなく、ときにはスポーツ観戦で騒いだりコーヒーを砂糖/ミルクなしでそのまま楽しむこともあるはずです。以上のように、私たち人間の心は二面性——ときには多面性を見せることがあります。
しかし、こうした中立的・中性的な考えを社会が容認/推奨するとは限りません。
参考までに、以下に示すのは男らしさレベルを国ごとで分類したリストです。この一覧を見ると、国や地域によって『男らしさ』を尊ぶ文化に大きなギャップがあることがわかります。
男らしさレベルが高い国:アルバニア、イラン、コソボ、ナイジェリア、ウクライナ、日本、韓国など。
男らしさレベルが低い国:フィンランド、スペイン、ドイツ、スウェーデン、スイスなど。
たとえば、イランやナイジェリアなど男らしさレベルが高い国々では、世の男性に期待する性役割がドイツやスウェーデンなどよりも強いそうです。
言ってみれば、これらの国々では男性的なマッチョイズムが尊ばれ、なよなよした女々しい男性は「男らしくない!」と非難されます。結果として、これらの国や地域に住む男性はより危険な言動を取るようになり、男性らしさレベルが低い国々と比べて交通事故の発生率や感染症への罹患率も高くなるそうです。
たとえば、男性社会ではリスクテイキングが尊ばれます。ウイングスーツやベースジャンプなど、みずから命の危険をおかすような遊びやスポーツの多くは男性的で、こうしたリスキーな行動に出た男性は時にヒーロー的な扱いを受けることがあるでしょう。
くわえて、男性社会ではこうした命を賭したリスクテイキングを、勇敢/勇気がある/とても男らしいなどと評価する文化があります。言ってみれば、命の危険をかえりみない男性がヒーローとして評価されるわけですね。
ただし、こうした性別文化は女性にもあります。たとえば、女性社会の多くには「女らしくあるべき」という価値観——優しさや包容力や気配りなどを尊ぶ価値観があり、これに反する女性は「女らしくない」と陰口を叩かれる傾向にあるようです。じっさい、一部の国や地域では今でも女性に控えめな性格や柔らかい物腰を求め、ガサツで化粧っ気のない女性を「男っぽい」と評価することが少なくありません。
現代の先進国においてもなお、美容業界はほとんど女性の手によって成り立っていることからも、社会と個人どちらの面からも「女性らしさ」を求める声が根強く残っていることが伺えます。最近でこそ少しずつ変わってきているものの、ツヤのある髪やぴちぴちのお肌を求めるのは多くが女性ですし、社会もまたこうした "女らしい特徴" を女性に求める傾向にあるでしょう。
二重整形や豊胸手術や脂肪吸引などの美容整形を利用するユーザーの多くもまた女性で、これは生物学的に裏付けられた『美しさ』への関心は男性よりも女性に特徴的な傾向です。美の探究はホモ・サピエンスのメス♀の生存・繁殖値に直結するため、ほとんどの女性はお金と時間をかけて自分を美しく着飾ることに注力します。じっさい、これは進化的に獲得された女性心理の1つです。
たとえば、私の友だちはよくほうれい線を消すためにヒアルロン注射をしますが、こうした美意識/美容意識の高さは『女性らしさ』の一部でもあると考えられます。じっさい、作中でもルイゼナがコスメ&ショピング大好き♡な女性として描かれていましたね。
この女性心理をもう少し掘り下げてみましょう。たとえば、女性が集まると井戸端会議よろしく世間話が始まりますが、女性同士のおしゃべりには①お互いの立ち位置を確認する、②他者の抜け駆けを防止/監視するといった隠れた目的があります。
かつての伝統的なコミュニティにおいて、ホモ・サピエンスのメス♀は他者と協調しながら暮らし、家事や育児などにおいても様々な年齢の他の女性たちの手を借りることも多くありました。このときに養われた心理傾向は現代の私たちにも受け継がれています。逆に言うと、女性社会において集団の輪を乱す振る舞いをする個体は、家事や育児などの仕事を手伝ってもらえなくなるという大きなリスクがありました。
言い換えると、自分の子どもをちゃんと産み育てるには、周りからの協力をあおいでみんなで一緒に行動する必要があったわけです。性格心理学の分野においても、協調性は男性よりも女性に特徴的な傾向——女性のほうが協調性のスコアが高いとされています。これはどの国や文化にも見られる女性たちの普遍的な心理傾向で、どこかの地域にのみ見られる特有のパーソナリティーではありません。
したがって、女性は男性よりも仲間はずれにされることに強いストレスを感じ、可能なかぎり孤立を避けるような行動を取るよう進化しています。となれば、女性同士のおしゃべりはコミュニティ内の結束を強めるという目的以外にも、じつは「私はあなたの敵じゃない(=味方の証明)」という意思表明の場でもあることが分かるでしょう。
じっさい、世の女性たちがカフェで2時間も3時間も過ごす姿にはどこか『女らしさ』を感じさせますが、あの場で繰り広げられるおしゃべりの裏には①各メンバーのポジション確認や②裏切り者の炙り出しなどが隠れています。これはホモ・サピエンスのメスが進化の過程で獲得した心理傾向で、本人が意識せずともほとんど自動的におこなわれるチェック作業です。したがって、女性自身も自分の発言/行動の意味を正しく理解できていない場合が少なくありません。
話をまとめると、表面上はみんなで楽しくお喋りしているように見えても、その裏には女性同士の駆け引きや序列の固定化などがあります。かつての伝統的な社会では村八分がそのまま『死』を意味していたため、女性コミュニティにおいて仲間はずれにされることは由々しき事態です。狩猟と農耕がメインだった時代、昔の社会は現代よりもずっと集団主義的でしたから、世の女性たちはのけ者にされることを何としても避けようとしたはずです。
このような背景事情があるため、女性たちは(表面上)楽しくお喋りして友好を温めながらも、誰が味方で誰が裏切り者になりそうかを目を光らせて逐一チェックしてもいます。進化心理学的には、これを『女らしさ』と捉えることもできるでしょう。
この辺りが男性から「女は怖い」と言われるゆえんかもしれませんね。とはいえ、男性同士の下ネタ談義(=エロ談義)も似たようなものかもしれませんが。「下ネタを話せる=ノリがいい仲間」みたいなね。まぁ、知りませんけど(適当)。
ただし、こうした『女性らしさ』への固執は時に悲劇を生みます。
たとえば、伝統的な女性らしさへのこだわりと健康レベルとの関連を調べた研究では、控えめ・慎ましさ・美意識の高さなどの女性的な特徴に強いこだわりを持つ人ほど、①うつ病や②摂食障害や③アルコール依存などの精神的な問題を抱えるリスクが悪化する傾向にありました。
これは女性らしさへのこだわりが精神的なストレス/プレッシャーとなって、女性らしく振る舞えない自分に強いフラストレーションを感じるからだと推測できます。『理想の自分』と『現実の自分』とのギャップはストレスの温床ですよね。
ひとことで言うと、性別らしさへの固執は時に地獄を見ることつながります。
逆に、男女どちらにも偏らない中立的な立場の人は、うつ病の罹患リスクも薬物中毒になる割合も低かったのだとか。どうやら、男性らしくもあり女性らしくもある人は、身体的・精神的な健康を損ねることなく健やかに生きられるようです。これは伝統的な文化や価値観——男らしさや女らしさに縛られている人には見られない傾向でした。
たとえば、ミリアは作中で溺死する前は男性♂として生まれながらも、ラーニャたちのいる世界では女性♀に生まれ変わって過ごしていますよね。彼/彼女は内面的には男性で外面的には女性ですが、どうやら元々ミリアは男性と女性どちらの特徴も持っていたようです。生前のミリアは生徒会の副会長としてリーダーシップを発揮する傍ら、宝石があしらわれた美しいジュエリー/アクセサリーを好んでもいました。
お花もアクセもコスメも好きだけど、科学も読書も知識収集だって大好き。おしゃべりもファッションもショッピングもグルメもゲームもスポーツも全て、彼/彼女なりの個性——ミリアらしさを色付けるものの一部かもしれませんね。まるで、ミリアの中でブルーとピンクが違和感なく溶け合っているかのようです。ひょっとしたら、私たちはミリアの振る舞いから学べることも少なくないのかもしれません。
男性らしさか女性らしさどちらか一方に固執することなく、あなたの心がいつまでも健やかでいられることを願っています。
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