勇者の先生
不定期です
飽きたらやめます
キュリオシテイシスという国の王家に勇者が産まれた。
その子は慢心せず、民のことを想い、時には人のために、時には自分のために、正しい力をふるえるように教育をされてきた。
「ユリウス様、あなたは王子として、そして勇者としてせねばならぬことがあります。それはなんでしょうか?」
「はい、ユリア先生、それは民を想い、国を護るためです。」
「半分正解ですね。あなたは民を想い、その力を国の民のために、そしてあなた自身を護るために使う力があります。国は必ずあなた様を想い、政策をするわけではございません。時には利用することもあるでしょう。ただそれは国のためでございます。そのような時は人のためにあなた様をの御力を振るいください。しかし、時には自分のためにあなた様を利用する方もおられるでしょう。そのような時には自分を護るために力を使うのです。私は国よりも、身近な人が心身ともに健康に暮らせるように願っているのです。」
私はそう言い、微笑みながらユリウスへと顔を向けた。
彼は王子で、生まれながらにして勇者だ。
世の邪を払い、世界を救うために生まれた子。
私は彼にそんな責務だけを背負って生きて欲しくはない。
この子は勇者、王子である以前に人で、その上まだ8歳の子供だ。
私はこの子を心優しい子に育て、国のために生きるよう教育するように命じられているが、国だけに生きる子を育てたくは無い。
あぁ、私の愛しいユリウス、どうかこの子が曲がらず成長しますように…
ユリアは、ユリア・フォン・キュリアスは、母として、先生として、皇后として、ユリウスに対してそう願う。
そしてユリウスが今、目の前にいる敬愛すべき先生が自身の母であるということを、まだ知らない。
拙かったら言ってほしいです
物書きはやってて楽しいので