プロローグ よくあるテンプレ的な始まりで。
新作です(*'▽')なろうのシステム変更で、右も左も分かりませんw
「お前のスキルなんて、俺たちのパーティーに必要ねぇんだよ!!」
「そんな! でも、たしかに……」
「『告知』なんて名前だから、敵の攻撃を読めるのかと思えば……成功率30%なんて、アテにならないんだよ!!」
「…………うぐ」
理解はしていたけれど、面と向かって言われると傷付く。
たしかに俺が神から授かったスキル『告知』は、世間で呼ばれている【未来予測系】に分類されるものだった。だけど有力なパーティーにいるそういった能力者とは違って、こちらの『告知』は完璧ではない。もちろん他の同系統のスキルもそうだが、俺のスキルは最下級だった。
「いいか、アビス。お前は役立たずなんだよ! 家が貧乏なのは知っているけどな、そのことに俺らを巻き込むんじゃねぇ!!」
「……分かった。その通りだよ、すまなかった」
メンバーに頭を深々と下げてから、俺は冒険者ギルドの外へと出る。
そうして、夕暮れの空を見上げて大きくため息をつくのだった。
「これでまた、無職か。……ルーシーになんて言おう」
思い浮かんだのは、ボロボロの家で待つ唯一の肉親――妹のこと。
生まれながらに病弱だったルーシーは、これまで何度も生死の境をさまよってきた。まともに働きに出ることもできず、家計を支えているのはほとんど俺の稼ぎだけ。とはいえ貧困街出身の人間を雇う場所なんて、そうそうない。
冒険者稼業くらいしか、生きる術がないのだ。だけど、
「はぁ……気が重い」
それもまた、上手くいかない。
ソロでやるには俺のスキルは弱すぎる。剣術に覚えがないわけではないけれど、それだって平凡の域を出ないほとんど我流だった。教えてくれた父さんは何か事件に巻き込まれたらしく、幼い頃に命を落としている。
今さら俺たちを守ってくれる都合のいい人は、いなかった。
だったら、せめて――。
「俺のスキルが、進化でもしてくれたら……」
――極稀に発生するという、スキルの進化。
外れスキルと呼ばれているものの中には、さらに上位のスキルがあり、特定の条件を満たせば神がそれを解放してくれるらしい。眉唾物の不確かな情報ではあったけど、もう縋るとしたらそれしかなかった。
しかしながら、そのように都合のいい展開は起こるはずもなく……。
【告知:スキルが進化します】
……と、思っていた時だった。
「え、いまなんて……?」
俺のスキルが、そんなことを報告してきた。
頭の中に抑揚のない声が聞こえてきて、そんな可能性を示す。
「でも、どうせ成功率は三割だし――」
【『告知』スキルは進化し『完全告知』となりました】
「……って、マジか!?」
だけど、それも肩透かしだろうと諦めていると。
その声はたしかに、そう告げたのだった。
最弱と罵られ、役立たずと蔑まれた俺のスキル。
それがいま、上位の能力へと姿を変えた。信じられない。だけど、もし本当ならとんでもないことだった。そして、
「これなら、きっと……!」
俺――アビス・ルシフルの人生は、きっと大きく変わるのだ。
この瞬間の感動は、とかく大きなものだった。
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