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4 超戦艦たちと極限戦艦 他視点

「…覚醒したのね」

帝国領域の中心部に位置する、新太陽星系、第三惑星ネオアース。

帝国の首都がある暫定的な帝国の中心。

人類の故郷、現在は共和国の手にある「地球」に非常に環境の近い惑星。

しかし、その表面は完全に都市に覆われる、都市型惑星。

惑星全体が首都「帝都」なのだ。

そんな帝都に存在する巨大な建造物。

帝城だ。

「千年…待ったわ」

帝城の最深部、そこにある帝座に座するは、まだ幼い外見の少女。

赤い瞳に黒髪…人間離れした美しい容姿の少女。

彼女こそ、帝国最高権力者、帝国永続皇帝「アラシ」。

―宇宙巡行戦艦、艦級「シキシマ」級戦艦二番艦「ムサシ」、真名、極限戦艦

ムサシ」、さーて、どうしますかマスター?―

茶化すように言うはアラシの乗艦、宇宙巡行戦艦、艦級「シキシマ」級戦艦一番艦「ヤマト」真名、超戦艦「ヤマト」のメインAIだ。

「なに、簡単なことよ…どちらが「シキシマ」級戦艦ゼロ番艦「シキシマ」になるにふさわしいか、決めるだけ」

―相手は極限戦艦、超戦艦である私では部が悪いですよ?―

「そのために、こんなくだらない覇権主義国家を建国して、戦力を蓄えているのでしょう?」

―そんなもので試作品でしかない超戦艦と、完成品である極限戦艦の差が埋まるでしょうかね―

「…妙に悲観的ね、あなたらしくない」

―現に第三艦隊はムサシの通常武装のみで殲滅されましたよ?あーあ、あんなの竹やりで戦車に突っ込むようなものですよね、リソースの無駄遣いでしかない―

「そうね」

戦闘の報告書を見る限り、「ムサシ」は搭載された通常兵器しか使用していない。

確かに、帝国軍では相手にならない可能性が高い。仮に搭載された正体不明の「極限兵器」でも使われたら…。

「…だとしても問題ないわ?」

―…その根拠は?―

「この宇宙の真理の一つを教えてあげるわ…」

そうして、彼女は毅然と言い放つ。

「姉に勝る妹はいない」

―…戯言ですね―

メインAIの冷たい言葉を無視し、アラシは思考する。

現時点では勝算はない…だが時間はある。

…あまり使いたくないが、他の超戦艦を仲間に引き入れるのもいいかもしれない。

「ヤマト」に搭載された試作極限兵器を改造するのもいいかもしれない。

「待ってなさい、私の妹…どちらが上かを、姉の威厳というものを…刻み込んであげるわ」












「…閣下、所属不明の戦艦、推定「超戦艦」が帝国第三艦隊を単独で撃破、その後わが国第一艦隊が残敵を掃討し、複数の敵艦を鹵獲しました」

「わかりました、報告ありがとうございます」

そう言って通信装置の接続を切る人物。

妙齢の銀髪の女性。

彼女がいる場所は現在はダイソン球によって覆われた惑星、人類の故郷である「地球」。

太陽を失った地球は今、完全に人工的に環境を制御されていた。

その地球にある共和国の首都の一角の建物に彼女はいた。

共和制国家であるはずの共和国において彼女こそが陰で権力を握る人物。影の元首。

―超戦艦?あなたの部下たちは節穴ですか?あれは間違いなく極限戦艦ですよ、グロワール―

「私の部下は十分に尽くしてくれていますよ、アルザス」

共和国の影の元首の正体は超戦艦「アルザス」の艦長「グロワール」であった。

「…また多くの尊い数多の命が散りました」

―アラシは幼稚故残虐ですからね?彼女を早く止めなければ、犠牲はさらに大きくなりますよ?―

「そのカギが…突然現れた極限戦艦、ですか」

―…さて、それはどちらの…でしょうかね?―

「…」

―まあ、接触してみればわかることです―

「もし、正体が『奴』であったならば」

―アルトリウス星系?でしたか、それは諦めたほうが…いいでしょう、でも情報からは恐らくもう一方―

「…なら、こちらに取り込むまでです」

グロワールは思考する、今から宇宙の命運を左右することが…起こる。ならばできるだけ、人類にとって最良の結末を…それが地球文明が残した…私の役割…ですから。









「ほう、面白れぇ」

大気がないどこかの惑星の衛星。

しかし、そう呟いた少女は宇宙服も身に着けず、少し古臭い戦闘服の上からトレンチコートを羽織っているだけだ。

真空の衛星の地表に立つ、茶髪を雑に後ろにまとめた碧眼の少女、その光景は、明らかに異様で彼女が普通の人間ではないことを端的に示していた。

―どうしますか?会いに行きますか?その新星に―

「確かに、海賊狩りも飽きてきたからなぁ」

―では―

「まあ、待て」

―?―

相棒の言葉を止めて、少女は笑みを浮かべて言う。

「あれだ…ヒーローってのは…遅れてやってくるんだよ」

―…はぁ、全く―


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