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雪だるま作ろう?

作者: 夕日色の鳥
掲載日:2021/12/01

 男の子と女の子が山で雪だるまを作っている。


「どっちの方が大きいの作れるか競争なー!」


「負けないもん!」


 楽しそうに雪玉を転がす2人。


「へっへーん!

俺の勝ちぃ!」


「むぅー!」


 大きな雪だるまを作った男の子が勝ち誇り、女の子は悔しくてむくれた。


「やべっ!

帰らなきゃ!」


「……そうだね」


「またな!」


「……またね」


 女の子はぽつんと佇みながら、寂しそうに手を振った。

 山の外に雪が降っていないことに男の子は気付かなかった。




 またある日。


「……俺、転校するから、もうここには来られなくなったんだ」


「えっ!」


「でも、絶対また来るから!

そしたら、また遊ぼうぜ!」


「……ねえ」


「うん?」


「約束して?

また私と遊んでくれることと、私のことを絶対に誰にも話さないことを」


「ああ、約束する」


「……約束だよ?」


 最後の女の子の顔が怖くて男の子はその約束を少し後悔した。





 10年後。

 青年になった男の子は約束のために再び山を訪れた。


「……来てくれたんだ」


「えっ!?

なんで、年をとってないんだ……」


 女の子は、かつての姿のままだった。

 今日も、この山にだけ雪が降る。


「……約束、守ってくれなかったのね」


「な、なんで……」


 青年はかつて一度だけ、女の子のことを友人に話していた。

 しかし、その友人は話をした翌日に凍死してしまったため、その話を知っている人はいるはずがなかった。


「約束を守ってくれなかったから、私が殺したの」


「そ、そんな……」


 青年は逃げようとしたが、足と地面が凍っていて動けなかった。

 女の子が手をかざす。


「また遊ぼうよ。

どっちが大きな雪だるまを作れるか競争ね」


「えっ!待って!」


 青年の返事を待たずに、女の子は手のひらから吹雪を吹かせた。


「ひっ、うわぁーー!」


 青年は必死で逃げようとするが、雪は彼にどんどん積もっていった。

 そして、女の子の前には、1つの大きな雪だるまが出来たのだった。


「やった!

私の勝ち!」


 女の子は嬉しそうに飛び跳ねた。


「次はちゃんと約束守ってくれる子がいーな~」


 そして、女の子は雪とともに姿を消した。



 その山にまた1人、小さな男の子が探検に来る。


「ねえ。

私と一緒に遊ぼうよ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 雪女というと大人の女性のイメージですが、少女というのも可愛らしいですね。無邪気なだけに、やっていることの恐ろしさが際立ちます。
[良い点] ほんわりした雰囲気が一転して怖かったです。 無邪気な女の子が怖さを引き立てていました。
[良い点] できない約束はしないほうがいいですね。 子供たちの優しい雪遊びから一転、ホラーへの急展開は読んでいて面白かったです◎
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