僕と君との間を引き裂く確信犯が隠れている!
僕と彼女の間を引き裂く確信犯が隠れている。
今思えば? 半年前から、おかしな事が起き始めた。
僕の携帯に、“非通知”で何回も無言の電話がかかってきたり。
玄関先に、ごみが捨てられていたり。
彼女からも、僕に誰かに監視されているという話も聞いた。
誰に狙われているのかも分からない!
ただ、犯人は? 彼女を狙ってる事は確かだった。
僕に対しての嫌がらせ。
彼女を着け回す。
完全に犯人は、【彼女が好きな男に違いない!】
しかし? 彼女には、全く見覚えがないと言う。
【犯人は】誰なのだろう?
見えない敵に、僕も彼女も怯える毎日を送っている。
彼女のへの【執着心】がひどく。
何処でどう調べたのか? 最近では彼女のメールアドレスに
直接、メッセージを送ってくるらしい。
内容はこうだ!
【君に会いたい!】
【何故? あんな男が好きなんだ。】
【ボクじゃダメかな、あの男とは直ぐに別れるんだ!】
【ボクは、君だけを好きだけど? アイツはよそに女がいるぞ!】
【愛してる愛してる愛してる君だけを。】
【ずっと、ボクは君の味方だ!】
【誰よりも君を愛しているのはボクだけだよ。】
【会いたい会いたい会いたい】
【君の傍に、ずっと。】
・・・気持ち悪いぐらいの、愛のメッセージが書かれていた。
この男は、彼女が本気で嫌がっている事を知らない。
“目に見えないストーカー”
僕達の邪魔をする犯人は? 何処にいるのか?
警察にも、直ぐに犯人を捕まえてもらえるように話したが
あまり協力的ではなかった。
犯人が誰だか分からない、だから犯人を捕まえられないと
いうモノだった。
まあ、警察が言っている事も一理ある。
“見えない犯人”を捕まえろと言われても無理な話だ!
彼女の悲しむ姿を僕はみたくないだけだ。
どうにかして、その男を捕まえたい!
愛する妻を僕の手で守りたい!
毎日、怯えながらの生活をもう終わりにしたいんだ!
*
・・・そんな時に、【犯人】を捕まえた。
まさかな!? 犯人は、“彼女の事を僕の妻という男だ!”
ボクの事を、犯人は彼女のストーカーだと思い込んでいる。
何度も何度も、彼女に送ったメッセージはボクの本心だ!
彼女も、ちゃんと受け止めてくれている。
だから、今もボク達は一緒にいるんだ。
お互いに想い合っていて、どんな事があっても彼女をボクが
守ると決めたのに。
長い間、辛い想いをさせてしまった。
犯人は、警察の取り調べでボクの事を彼女を追いかけ回す
ストーカーだと自供した。
彼女を苦しめているのは、ボクだと。
ボクがいなければ、彼女とずっと一緒になれるのに。
【ボクが、真の犯人】なんだと、その男はそう信じているんだ!
・・・でもね?
彼女が、ボクにこう言ってくれたんだ。
『・・・やっと犯人が捕まったね! ずっと私を守ってくれて
ありがとう、高志!』
『うん! 犯人が捕まって良かったな! 警察が言うには? 犯人は
君を街で初めて見かけて一目惚れして告白し! 君とその男は夫婦に
なったとか? いつの間にか、君はあの男の頭の中で妻になっていた
らしい。どうして、こんな事に、、、。』
『・・・・・・』
『長い間、あの男に苦しめられたな!』
『・・・そうね。』
*
その頃、警察が本当の犯人を突き止めた。
その男の部屋の中には、彼女の写真が部屋一面に貼られていたらしい。
彼女の行動も、全て把握していた。
彼女を追いかけ回していたのは? 彼女の高校の時の同級生だったと。
あのメールも、全てその男のパソコンから送られている。
完全に、彼女のストーカーになった男。
その男は、彼女の事を密かに想っていたらしいが、既に彼女は当時
彼がいて、その男の入る隙がなかった。
大人になって、彼女の事を何かの拍子に思い出し。
今の彼女の事を、調べたらしい。
あの男は、僕の存在が邪魔だったのだろう。
僕さえいなければ、全て上手くいくと思ったに違いない!
でも? その前に、警察にその男は捕まる。
もう、安心だ! これから先も、僕が妻を守ると誓った!
妻は泣き崩れた、そんな妻を僕は優しく抱きしめる。
もう、こんな思いは絶対にさせたくない!
ずっとずっと、僕は君の傍に居るからね。
最後までお読みいただきありがとうございます。