もうこの世界に神はいない プロローグ-ちょっと先の未来
初めてなので、読みにくいと思いますので、どんどん苦言を呈してください
「ーーの降臨により、荒れきったこの世界は1年もせず再び秩序を取り戻し、××が去ったあとも××に仕えた星導士達が代々平和を維持し続け、今日に至るーー」
国立星光魔導学院 高等部1年 Z組 歴史の授業中
子供の頃何度も聞いた話。机に伏して目をつぶる。眠りはしない。
この世界には魔法が存在する。と言っても使えるのは総人口の3分の1ほどだ。魔法の根源はもってうまれた『星』。基本は1つ、でも例外な奴もいる。星っていうのは、夜になると見えるあの星のこと。だから魔導士、より星導士という呼称が定着している。
魔法を使う者は、遥か彼方の空に浮かぶ自分の星から『星光素』(魔素ともいう)をチャージして、『星光エネルギー』に変換。それを様々な魔法陣に通過させ思い思いの魔法として射出する。
星導士見習いなら誰もが幼い頃から知ってる基本中の基本。僕は初等部で、教科書を読むまで知らなかった。でも知る必要もなかった。僕は魔法が使えなかった。星をもっていなかった。
『星をもたない子』
初めこそ珍しがられたものの、すぐに忌み嫌われる存在になった。両親と兄たちはみな強い星をもって生まれたから、僕は彼らの恥以外の何でもなかったんだろう。家族は僕をぞんざいに扱った。それでもリーとミラトスだけは居場所を作ってくれた。それだけが救いだった。
だから尚更自分が魔法を使う日なんて来ないと思っていた。16歳の誕生日を過ぎても魔法が使えたことなんて1度もなかった。
家柄、純血の星族、兄たちの才能。どんな理由で、両親のメンツを守るため魔導学院に入ることになっても、生まれた時にどの星にも照らされることのなかった僕が星の力を手にすることなんて不可能ーーのはずだった。
あの日、僕の世界は、この世界の運命ごと変わった。
「ねぇテーク、もうノート貸さないって言ったの忘れたの?また補習になってもしらないからね?」
隣の席。シトラだ。座学だけなら常に学年上位の優等生。一応小声にはなっていたが、退屈で静かな教室には響いた。クラスの目がいっせいにこっちに向く。先生までも。まずい。
「テーク、授業受ける気がないなら」
「っ今日に至る約2000年の間に、不在の××の代わりに200年ごとに"太陽の子"と"月の子"が産まれて世界の歪みを正してきた!ですよね?」
応答はなかったが、渋い顔をして授業が再開された
自業自得だよ?みたいなシトラのニヤついた顔。あとでつねっても別にバチは当たらないだろう。
いやきっと、何をしてもバチなんて当たらない。だってもうこの世界に、神様なんて存在しえないのだから。
最初の話にしては暗めになっちゃったんですけど、面白ければ次回も見て欲しいです!