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「あ、あの……ありが……とうございます」

レオ様が帰ってから少ししたらメイドがしどろもどろにお礼を告げてきた。

私は安心させようとヘラッと笑って、

「いいのいいの~」

と手を横に振って言った。


さて、と。

いやぁ、このラノベ展開に思わず動揺してしまったけどこうなったらたぶん私は悪役令嬢だよね?

おおかた、さっきやってたゲームのだと思うけど。一応確認しとこ。

普段からラノベの乙女ゲーム系を読み漁ってる私は思ったよりも状況を早く飲み込むことが出来た。

私はぴょんっとベッドから降りて姿見の前に立った。

メイドは私の一挙一動にビクビクと反応していてそれはもう可哀想なくらい。


ほうほう。なるほどなるほど。


絹のような黒髪が腰の辺りまで伸びていて、大きくパッチリとした黒い瞳。それに加えて陶器のような肌にすらぁっと余分な脂肪がついてない細長い腕と足。まさにパーフェクトガール。

それに予想通りこの見た目は私がさっきまでやってた乙女ゲームの悪役令嬢。

お決まりだからなんとなく想像は出来てたけど、せめてモブがよかったなぁ。

最近のラノベでモブ系も多いっしょ?


それに、この乙女ゲームは攻略対象が割と難しいしスケールが壮大なんだよね。

まず、国が絶対王政ならぬ絶対王子政。第1王子と第2王子がいて第1王子の方が国全体を支配してるような状況。

そして、この私悪役令嬢であるアンナ・ルシヨンは第1王子のレオ・シャロンから愛されていてそれをいいことに遊びまくってる。

んで、必然的に国民とかとにかくみーんなから嫌われてる。

イメージ的にはフランス革命前のルイ16世とマリーアントワネットのイメージかな。


それから、主人公が途中で登場して暴君王子に立ち向かってから第1王子ルートと第2王子ルートにいく訳なんだけど……まぁ、乙女ゲームのお決まりでルートがどっちに転がってもハッピーのエンドで私(悪役令嬢)は死にますね。はい。やばいね。うん。


レオ様ルートだと別れを告げられてレオ様を取り戻そうと必死になっていろいろやらかして国外追放。

第2王子だと革命を起こされてレオ様諸共死亡。


ーーつまり私にハッピーはない!


でも、今ならまだ間に合う……だって、レオ様の性格上面白そうな事があったらすぐに私に言うはず。まだ何も言われてないから主人公には会ってはないだろう。

だから、主人公が来る前にレオ様を更生させて私の評判も良くしていかないと!

レオ様ルートやってた時、主人公はレオ様を更生させることに努めてた。結局最後までやれてないから更生させてなんの意味があるかわかんないけど、やるに越したことはない!


「あの! あなた名前は!」


不意にメイドに向かって言うと、メイドは「ひゃい!」と驚いたような声を上げた。


「ま……マリンです……」

「そう。マリンね。少し手伝ってくれない?」

「え!? あ、はい!」


よし。絶対に私とレオ様の死亡エンドは回避してやる!!

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