Step.1..突然の指令
朝早くからジョギングをして、休みの間に珈琲飲んで近くにいた部下と曖昧な会話を交わす。
そして今日が終わればSPとしての仕事がやってくる。
近くでジェストのどなり声が聞こえてくる。いつにしてもやかましい。
「うっさいよ、ジェスト!!」
「あーあー悪い悪ぃ」
悪いだなんて思っていないくせに。なぜ私はこんなヤツと同じ班のなのだろうか。
「またアストロメリアにフラれた?いい気味」
「ふん、お前なんて彼氏できないっつーの」
足のつま先を思いっきり踏んでやる。
「うぐぅっ」
この苦しむ声さえが最近心地よく聞こえてくる。きっと疲れがたまっているのかも。
何回も鳴り響く携帯。メール着信が多い。
今月は2000通以上、パケットなどには入っているが軽く四千は超えているだろうか。
イライラと不安でストレス頂点。ジェストはそんなのを知らないでお構いなくからかってくる。
「あーもうっ」
「最近そればっかりだな」
「まあね」
ピンポーンと呼び出しのチャイムが鳴った。
大体は私とジェスト、だってもう最近任務ばかりで大変だ。
『ロイス・ミスミと、ガルダ・ジェストは、至急.....』
「ファック」
「女が言うなよそんな言葉」
「ふんっ」
携帯を部屋に置いて急いで廊下に出て急ぐ。何事も早急に済まさせないといけない。
上司がかなり恐ろしいからである。
部屋について中に入ると、上司が知らない男を二人、イスに座らせて待っていた。
後からジェストが入ってくる。
「何でしょうか」
「実は、この韓国人俳優、キョン・ムソン殿を護衛してもらいたい」
ミスミの頬が一瞬ひきつった。俺はそれを横目に「わかりました、期間は?」と言った。
ミスミは手を組んで少しイライラの心情をあらわした。が此処は仕事、お金がなきゃダメなので断りれない。
ましてや外人俳優。報酬は高い。
「とりあえず一か月だ」
「わかりました」
「っ・・・了解」
詳しい話は離さなかった上司ともう一人の男。
何があるのだろうか。俺は気になったがきかずにキョンをミスミと一緒にぴったりとつくようにして部屋を出た。
「大変だね、君たちも」
「・・・・そもそも、なぜ私たちがあなたを護るの?」
「ミスミ、人の諸事情は聞かない約束だ」
「うるさいわね、優等生面したオボッチャマ」
「ケンカ・・・はやめてください」
あ、やってしまった・・・。
私はすかさず頭を下げて「申し訳ございません」と謝ると、キョンはそっぽを向いて「あっそ」と言った。
少しむっときたが、すぐに頭をあげて歩き出す。
「行きますよ」
「言われなくとも行くし、足手まといになんなよ」
途端にエラそうな態度を取り出す。
最悪な依頼人を引き受けてしまった。