九日目
今日もノワは、ビクビクしていたそうです。
ノワが皆になれるにまだまだ時間がかかりそうです。
でも、大丈夫。時間なら有り余るほどあります。
ゆっくり慣れていけばいいのです。
さて、ノワばかりにかまっていられません。
だっでここには五人もいるのですから。
今日は、ジャンナとルート二人を連れて別荘付近の街に出かけました。
こういうのをしょっぴんぐと言うそうです。
街でモノを手に入れるにはお金というものが必要らしく別荘に置いてあった石ころをまずお金に換えました。
一個だけ、しかも置いてあった中で一番小さいものだったのにたくさんの大金貨と呼ばれるものになりました。お金の価値がわからないけどこれだけあれば一生遊んで暮らせると交換したときにいた歳の言った男性が言ってました。
一生遊んで暮らせるとかウソです。
だって、私たちに終わりはないから。
嘘つくと朋輩に断罪されます。
来世でろくな目に遭いません。
街はヒトが多くて目当てのモノを見つけるのにずいぶん苦労しました。
目当てのモノというのは、ジャンナが薬を作るときの道具一式とルートの欲しい楽譜です。
想像して具現化できるのはここだけの話なので外でも使うものは買うか奉げてもらわないとだめです。
ちなみに私が今、下に着ているこの服は、この前訪ねた朋輩がくれたものです。
外行くときにはもう少しましなものを着ろと渡してくれました。今ではこっちのほうが気に入ったのでこっちを着てます。
話がそれました。
とにかく私たち目当てのモノをを見つけるために街を歩き回りました。
今思うと飛んで回った方が早かったと思います。
途中、道で売っていた肉を串にさして焼いたものを食べました。
美味しかったです。
この前作った食べ物の国に追加しておきました。
ルートは私と同じで初めて食べたようで美味しさに感激してました。小さな声で
「暖かいものは初めて食べた」
と言ってました。
最初に見つけたのは楽器のお店でそこでルートが楽譜を買いました。
楽譜を買う前にジャンナと何か話してました。それから私のところに来て
「楽器を買ってもいいか?」
と聞いてきました。
買う分があるなら別に構わないと答えておきました。
バス・チューバというものを買ってました。とっても大きくて低い音が出る楽器です。
買ってすぐにここに持ってきました。
どこにも属していないって楽でいいです。
空の色が変わる頃にやっとジャンナの目当ての店を見つけることが出来ました。
シワがいっぱいある女性がいました。鼻が大きくて目つきが怖かったです。
でも、いい人でした。
ジャンナと何か話したあと道具を勧めてくれました。
なんでも超一流の薬剤師が使う道具なんだそうで。
沢山買ったけど大金貨十二枚しか使いませんでした。
「お前さんたちみたいなちびっ子がこんな大金持ち歩いてるのは危険だ」
と言われました。
危険とはどういう意味なのかよく分かりません。
帰りにそのことをルートに言ったら
「辞書を買え」
と言われました。
わかったと思わず言っちゃったけど辞書ってなんだろう。
世界ってまだ不思議なことばかりで楽しい。