表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でCamp  作者: ぽぷねこ
5/46

1-4

 ♢♢♢1-4

 コツのようなものがわかると魔法は意外と簡単に発動した。

「水よ」とか「精霊の」とか、ラノベで出てくるような詠唱は必要ない。要は気持ちというか信念というか、よくわからないがそのようなものが発動に必要で、俺は使えるようになった。

 一番に欲しいと思ったのがアイテムボックスという、ラノベでよくみる別の空間に物を保管するという魔法で、目の前のバイクが突然消えた時、すげー興奮した。

 テントも保管するとガオーさんの誘いで、湖岸にある村へと行くことにした。

 前方を子供と手を繋いでミーアが歩いている。時折見える笑顔が可愛くて、つい視線がミーアさんを追っていた。

 横を歩くガオーさんとに沈黙が流れていたが、俺がふと疑問に思っていたことを口にした。

「ガオーさん」

「うむ」ガオーさんがこちらを向く。

「俺がこちらの人間じゃないってこと、どうしてわかったんですか」

「ああ、そのことか。尻尾無しはこの世界にはもういないんだ」

「なぜですか」

「彼奴ら魔法が使えなかったからだと言われている。はっきりしたことはわからないけどな」

「それで、俺に魔法を使えるか試したんですか」

「ほおー、お前意外と頭良いんだな」意外とは余計だ。

「それじゃ、俺が魔法使えなかったらどうするつもりだったんだ」

「そん時はしょうがないさ、みんなで協力して助けるさ。ミーアが泣く姿見たくないしな」

(へーガオーさんて、いい父親しているんだな)

「もう一ついいかな?」

「え、まだあるのか」面倒臭そうな顔をする。

「すいません」と、軽く頭を下げると「何だ」と、答えてくれそうだ。

「ミーアさんの事なんですけど……。あまり喋らないのはどうしてかな、と思って」

「ああ、そのことか」ガオーは躊躇したというより考えているような仕草をしてから

「いずれ分かることだ話そう」また、躊躇しているのか、考えているのかどっちとも取れそうな仕草をしてから

「あれはもう10年も前のことだ。妻が不治の病で亡くなってね、それが原因で喋らなくなったんだよ」

(わー、マズイこと聞いちゃったかな)

「すいません。辛いこと思いださせて」俺は軽く頭を下げ、謝った。

「いいんだよ。すぐにわかることだ」そう言って、笑ってみせた。辛いのに、無理に笑ってる姿が何だか物悲しかった。


「おかあさーん」突然、ミーアだ手を振り走り出した。

 前方に女性の姿が見えていた。

 その女性の胸に飛び込み、ニコニコ笑っている姿が、こちらからもはっきり見えた。

(へー、ミーアにこんな一面があるとは驚きだ。いやいやそれ以上の驚が、たしかおかあさんって言ったよな?)

「あのう…」俺がガオーさんの方へ向くと、ガオーさんは口に人差し指を縦にあてていた。

「やあ、あんたが娘の彼氏かい?」ミーアによく似た白い髪の美しい女性が聞いてきた。

「……。どなたでしょうか」俺の頭は理解を超えていたところにあった。

「ああ、私かい。私はこの子の母親だよ」

「へ?。母が死んだと…」後ろからしー、しー、という音が聞こえるが無視して続けた。

「ガオーさんから聞いたのですが……」

 突然、前にいる女性の目が三角になり、後方のガオーさんを睨む。

「あなたちょっときて」そう言って、引きずって物陰に行ったと思ったら、バキ、ボコ、という物凄い音が聞こえてきた。

(あのおっさん、俺をからかう事考えていたな。すぐにわかるって言ってたけど、こういう事か。いい父親だと思った俺がバカだった)

 音が止んで出てきたガオーさんは、10ラウンド戦ってOK負けしたボクサーのような顔をしていた。

 女性が口に左手を当て

「おほほ、この人ったら、すぐ人をからかうんだから…。後できつく叱って置くからね」と、右手はガオーさんの胸ぐらを掴みながら笑った。

 俺は(まだやるんかい)と、心の中で突っ込みながら「お手やわらかに」とだけ、口に出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ