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異世界でCamp  作者: ぽぷねこ
4/46

1-3

 ♢♢♢1-3

 目を開けるとすぐ近くにおっさんの顔があった。

「わー」と、叫び、覚醒する。

「なっ、何してるんですか」と、狼狽えると

「おーい、ミーア。やっと起きたぞ」と、外に声をかけた。

 マイペースなおっさんだ。

 しかし、昨夜はまいった。

 寝ようと寝袋に入ったら、当然みたいにミーアさんまで俺の寝袋に入って来て、べったりくっついて寝入った。

 俺なんかさあ、彼女いない歴30年だよ。生まれてから女性と寝たのって母ちゃんぐらいだぞ。それがいきなり美人の女性と同衾って、ある意味ラッキーというより、罰ゲームみたいなものだ。寝不足で頭が重い。

 着替えて外に出ると、黄色い声が聞こえて来た。声の方へ視線を向けると、二人組とミーアが鬼ごっこみたいなことをして遊んでいた。

 ミーアさんの笑顔が素敵だ、こんな一面もあるんだな……。

 横に立っていたおっさんが「お前さん魔法使えないってな」真っ直ぐ前を向いて、独り言のように言う。

「俺たちの世界じゃ、魔法使える人なんていないよ」俺はミーアさんを目で追いながら言った。

「お前の世界じゃ必要ないかもしれないけど、ここで生きていくなら必要だぞ。覚えてみるか?」

「おっさん」驚いて、視線を向けた。

「ガオーだ」依然として前を向きながらガオーは名前を告げた。

「ガオーさん、魔法って覚えられるのか」驚きと興味を持った視線を向ける。

「さあな、ダメ元で試してみるか」その一言にコクリと頷いた。


 呼ばれてミーアがこちらへ歩いて来た。

 ガオーさんが「こいつ……、名前は何と言うんだ」小声で聞いて来た。

「オキタ・スイ」俺も小声で答えた。

「オキタ・スイがな魔法を覚えたいと言っている。教えてやってくれ」俺からミーアへと視線を移しながら言った。

 ミーアが俺のところへ近づいて来た。どうやって教えるのだろう。興味もあるし期待でドキドキしている。

 ミーアさんがさらに近づいて来た。ちっ近い。身長は俺より10cmは低いだろうか、いい匂いがする。え?、俺の首に手を回した。何をするのだろう。

 ぶちゅー、い、いきなりキスしてきた。え!今度は舌が俺の口の中へ、舌と舌が絡みつく。痺れるような快感、それと何かわからないものが流れ込んできたような気がすが、俺はそれどころではなかった。初めてのキッスがディープだなんて、女性免疫ゼロの俺にはハードルが高すぎだろう。心臓が10cmは飛び出たんじゃないか、天使がパタパタ飛んでる姿が見えるぞ。

「どうだ」ミーアが離れると、ガオーが聞いてきた。

「わからない、でも何か感じたような気がする」本当にそう思うし、魔法を使えそうな気もしてきた。

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