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異世界でCamp  作者: ぽぷねこ
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6-4

 ♢♢♢6-4

 真夏の始まりに道路と建物が完成しました。

 こちらでの初運転は良好、道路の平坦性はあちらの世界より素晴らしいくらいだ。トンネルも見た目だけなら文句なしです。

 目的地に着くと川から離れた位置に立派な建物。2階建(一部3階になっている)リゾートホテルのような建物が建っている。外観は設計通りだ。プーさんがいたので挨拶すると、建築を担当した人「チャトラ」を紹介してくれた。

 俺はみんなを待たせ、チャトラに連れられ、建物の中を見て回った。新築の我が家を見るのは楽しい。各部屋を見たけど文句なしだ。これがトンネルを掘る時に出た土で出来たとは到底思えないほどの上出来だ。文句なしの大満足。建築に携わった人たちには、特別ボーナスを支給しよう。

 この後内装を完成させたら、竣工祝いをしよう。


 竣工祝いは盆祭りを兼ねて8月13日とした。

 前日は、朝から大忙しです。

 舞台の設営に、屋台も出すことにした。

 ガオーさんは、焼きそばとたこ焼きを担当してもらう事にした。

「何で俺が……」と言おうとしたから、最後まで言わせず、たまには働けと言ってやった。

 ミーアさんとクロバちゃんは綿あめ担当です。結構お気に入りみたいで楽しそうに準備と練習している。ガオーさんに、娘の爪の垢でも飲んでもらいたいものだ。

 ミニドリオさんは、かき氷担当です。こちらも楽しそうです。どうですかと言ったら、一つ作ってくれました。見た目は?うん、いいね。

 シロさんはみんなのサポート役をお願いしました。これで段取りOKだなと、見ている時、ケンエさん夫妻がやってきた。後ろには見たことのない人たちがついて来ていた。

 ダツエさんが泣いている。クロバちゃんが、ダツエさんのところへ走って行った。

 ダツエさんはクロバちゃんを抱き、仕切りに「ごめんね、ごめんね」と、泣きながら繰り返していた。様子がおかしかったので、俺もケンエさんたちのところへ行く。

 俺が近ずくと、後ろにいた護衛風の男たちが、前に出て来て、部外者は来るなと強い口調で言った。

 カッとなった俺は、

「部外者はおまえらだ、失せろ」つい、きつい言葉になった。

「なに」護衛風の男が前に出ようとしたところを手で制止、リーダー格の男が俺の前に出た。

「こいつは俺のものだ。ずうっと前からな」顎をクロバちゃんの方へ向けて言う。その態度がさらに感情を高ぶらせる。

「残念だな。クロバちゃんは俺の嫁だ。今一緒に住んでる。それにクロバちゃんはもではない、可愛い女の子だ。口の利き方に気をつけろ」俺は右手の人差し指を突きつける。

 ケンエが「スイさん、止めろ。これ以上はやめてくれ。俺たちの問題だ。お前には関係ない」

「いや、あるね。クロバちゃんは俺の女だ」ケンエさんの態度に俺は怒りさえ覚えた。

 ケンエさんは、リーダー格の男に「ホウカイ様、お許しください。この男は、あちらの世界の人、無知なのでございます」すがるように訴えるが、はねのけ、手をかざす。

 雷撃が俺を連続して直撃する。

 みんなが悲鳴をあげるが、俺は風圧を感じただけで、体に影響は何もなかった。

 どうだと言う顔で俺を見ていたホウカイが、俺が平気なのを見て驚く。

 ならばと、俺の方へ飛びかかって来る。俺はそのスピードについていけず、無防備な腹部へ拳をもらった。

 激痛に膝が折れ、地面に膝を着く。そこを右回し蹴りが襲うが、躱すどころか防御すら出来ずもろに食らう。意識が遠のく。ほんの1mm程度の意識が、子供の泣き声を聞きつける。

(泣いている。泣いている……。クロバちゃんか……?、いや、違う。その声は、横たわる僕の上から聞これる。助かったんだ、よかった。僕はホッとした。そうだ!、何故忘れていたのだろう)そのとき、俺の中の何かが覚醒した。

 おいどこへ行く。俺は起き上がり、去ろうとするホウカイの背中に声をかける。

 ホウカイが振り向き「この死にぞこないが!」声とともに飛んで来た。そして無防備な、俺の腹部へ拳を叩き込む。無反応な俺に、ホウカイのニヤついた顔が変化する。そこへ今度は、俺がホウカイの腹部へと拳を叩き込む。ホウカイが腹を両手で抑え、前のめりに崩れる。その無防備な頭部を右足で踏みつける。ホウカイの顔面が地面にめり込む。

 その時になって、やっと控えていた護衛風の男5人が駆けつけるが、本能からか恐怖で近づいて来ない。

 俺は地面にめり込んでいるホウカイの髪の毛を鷲掴みして、そのまま俺の顔のところまで持ち上げた。ホウカイの顔面が土と草でボロボロになっている。そこへ頭突きをくれてやる。俺が手を離すと、痛みで転げ回るホウカイ。すでに勝敗は決していたが、俺は許さない。這いずって逃げるホウカイを歩いて追いかける。

 突然右脇腹から抱きついて来た人がいる。クロバちゃんだ。泣きながら、理解不能なことを口走っている。俺はクロバちゃんと同じ視線になって、頭を撫でた。(俺はよく女の子を泣かせる)ホッとした安堵感のせいだろうか、俺の意識が薄れていった……。


 遠く、高みから、その光景を見ていたものがいる。

 頬に伝う涙を、何度も何度も拭きながら、じっと見ていた。

「間違いない、彼だわ。こんな所にいたなんて……」その呟きを聴くものはいない。

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