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「スイさん、私だけではダメですか」
「はあ……」
「スイさん、それが反省している人の態度ですか。正座しなさい」
(前にも、こんなことあったような……)
「ガミガミ、ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ」
(わー、これシロさんの血だよな。完璧にシロさんのDNA受け継いでいるなー)どうして、こうなったんだろう……。
俺たちが帰って来て、ミニドリオさんを、ガオーさんたちに事情を説明してから紹介すると、ミニドリオさんがモジモジしながら恥ずかしそうにして、爆弾発言をした。
「あのう私、この人のお嫁さんになります。不束者ですがよろしくおねがいします」
隣でお茶を飲んでいた俺は、といめんに座るガオーさんの顔に吹きかけてしまった。
「な……、何言ってるんですか。ミニドリオさん」俺は慌てて叫ぶ。
ミニドリオさんは、頬に手を当て、恥づかしそうなすぐさをして、
「だって、熱いキッスを何回もしたじゃ無いですか。それに、私の生まれたままの姿も隅々まで見られたし、もう、お嫁に行くしかありません」
やばい、強烈な視線が俺の方へ飛んでくる。顔が上げられない。俯いたままでいると、今まで聞いたことのない冷たい声で、ミーアさんは俺を呼んだ……。
「スイさん、こちらに来てください」と……。
こってり絞られた。1時間くらいは正座させられた。お陰で、足が痺れ思うように歩けない。やっとの思いで、みんなのところへ行くと、意外に和んでいて、ホッとした。
夕食が終わるりくつろいでいるとシロさんが、ミーさんに、ミニドリオさんのベットをクロバさんのところで準備して、それからみんなでお風呂にしなさい、とやんわり命じていた。
3人が消えたところで、ガオーさんが話し出した。
「事情は大体わかった。人助けは立派だと思う。しかしな~、スイよ、何でこうなるかなあ」大きなため息がガオーさんの口から漏れる。
話がわからないので、ガオーさんが話し出すのを待つことにした。
「スイ、あの子、何人かわかるか」ガオーさんが俺を見る。
「犬人ですか?」
「なあ、あの尻尾おかしくないか。あれはフェイクだ」
「フェイク……。え!、偽物なの」驚いた俺は、また、ガオーさんに騙されてたまるかと、目を覗き込むが、嘘ではないようだ。
「彼女は尻尾無しだよ」
ガオーさんの一言に、益々わからなくなる。ガオーさんは以前、ここには尻尾無しがいないと言った。まれに見ることもあるが、みな記憶が無かったりする。俺みたいなのは例外だと言った。それじゃあ彼女も例外なのだろうか。
「すると彼女は何人ですか」俺は負けを認め素直に聞いてみた。
「彼女は鬼人だ」
「鬼人って、そんな人たちもいるんですか」
「いないさ。少なくとも、こちらの世界にはいない。多分、向こうから来たんだと思う」
「向こうって……?」
「川の向こう側からだ。この世界では、川の向こう側へ行くことは禁忌とされている。だから渡ろうとするものはいない。あっちからもこちらへ来ることはまず無い。それが、何故、彼女は来たのだろう。偽装までして……」
「その事を聞いて見ました」
「聞いてみたのだが、川に落ちたとしか言わない。偽装までしているから、多分、計画的だと思う。何か訳ありなのだろうが、言ってくれないと、どうもこうも判断しようがない」
結局、何も答えが出ないまま考えていると、ミーアさんたちがお風呂から出て、こちらへ来た。ミニドリオさんが、パジャマを着ているのを見て、ミーアさんからでも借りたのだろう。今度、あちらの世界へ行った時、ミニドリオさんの衣類を買ってくることにしよう。
クロバちゃんがアレしたいと言ったので『黒◯げ危機一髪』を渡した。みんなは、邪魔したらいけないと思ったのだろう、クロバちゃんの寝室に行ってやるようだ。
時折、笑いや喝采が聞こえてくるので、結構気に入られたようだ。




