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今朝は笑い声で目が覚めた。
笑う門には福来ると云いますからね、いいことだ。
俺が居間の方へ行くと、驚いたことに、クロバちゃんと族長がまた来ていた。驚いたのはそこではないな、族長の左側に座っている女性だ。
黒一色のバニースーツが、白くて長い髪、長い耳に、しっくりしていると言うか、この人のために考え作られた衣装のように、女性の美しさを、性を、漲らせていた。
シロさんが爽やかで健康的な昼の女王なら、この人は艶かしい淫靡な、夜の女王といったところか。
やばい、俺の夜行性のジュニアが朝だというのに、目覚めようとしている。
突然右腕に痛みを覚え振り向くと、いつのまにか近くにいたミーアさんがつねっていた。
俺は顔を洗ってくると言って、気分を落ち着かせてから戻ってきた。
席に着くと兎人族族長が改まって自己紹介した。
「俺が族長のケンエだ。こっちが妻のダツエ」と、右に座っているダツエの肩にそっと手を当てて紹介した。ダツエさんが艶かしい仕草で軽く会釈する。そして反対を向き「この子が娘のクロバだ」と、紹介する。クロバちゃんが、今日は上目遣いで、こちらを向き、軽く会釈した。
今度はガオーさんが「俺はこの村の族長ガオーだ。そして」と言って、左側に座っている俺の肩をポンポンと軽く叩き「こいつがオキタ・スイだ」と、紹介する。俺は、どうもと言って、軽く頭を下げた。
ダツエさんがこちらへ前かがみになり
「このケーキとても美味しかったわ、今度みんなにもあげたいの」
胸の谷間が見え、目のやり場に困る。
「今度宜しかったら買ってきましょう」
「ありがと」軽い(^_-)に、アドレナリンが溢れ出す。
話はもう終わったのか、お暇の挨拶をして、ケンエさんたちが外へ出た。
ケンエさんとダツエさんにクロバちゃんが手を振っている。
不思議に思った俺は
「あれ、クロバちゃんは帰らないの?」
「はい、残ります」笑顔で言うクロバちゃん。
幾ら何でもこんな幼い子を置いて行くのは良くないだろう。
(これが目的で来たのか)
俺はダツエさんに駆け寄り、連れて帰って欲しい、と言った。
ダツエさんは、妖艶な仕草で耳打ちした。
「あの娘、私の幼い頃とそっくりなの」ダツエさんの息が耳にかかり、膝が崩れそうだ。
「そういうことで、よろしくね」
俺に拒否る力はもう残っていなかった。将来のクロバちゃんを想像して、負けを認めよう。
俺はクロバちゃんのテントを張り、あっちの世界へ買い出しに行ってきた。
俺が帰ってくると、ミーアさんとクロバちゃんが引越しの整理をしていた。
「ミーアちゃん、これお願い」
「クロバさん、これは?」
「ミーアちゃん、それはここに」
ミーアさんが、俺が帰って来たのを気付いたようだ。
「クロバさん、スイさんが帰ったみたいです、少し休みませんか」
ミーアさんとクロバちゃんが居間の方へ来たので、飲み物とケーキの準備をしようと台所の方へ向った。
そこへミーアさんが来たので、聞こえて来た会話で気になったことを聞いてみた。
「ミーアさん、なんで、クロバちゃんをさん付けで呼んでいるの」
「あら、クロバさんは私より年上ですよ」
「…………」
あの、女狐め!!。




