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異世界でCamp  作者: ぽぷねこ
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3-4

 ♢♢♢3-4

 急な上り坂だというのに、俺の足取りは軽い。こういうのをルンルン気分と言うのだろう。

 俺は川沿いに歩くことにした。なぜかと言うと、幅30mはあろう立派な川、その水源がどこだろうと興味を持ったことと、砂金が取れるのだから、どこかに金脈があるはずだと考えたからだ。

 1時間は歩いた。それで気がついたこと、雑木林はあるものの、家を建てるのに使えるような大木がない。

 さらに1時間歩いた。意外にも平坦な地形が続いている。ぐるり360度見渡してみると、川の反対側は山脈があり、森と呼べるところも見えるが、こちらは雑木林が所どころ見えるだけで険しい山は無い。ほぼ草原と言っていい。川を挟んでこうも地形が変わるものかと不思議に思う。

 川はというと、視界の限界を超えて続いているとしか言いようがない。これ以上は時間的にも無理なので、目的は諦め、ここでキャンプすることにした。

 今日張るテントはこれだ。シェルター型のでかいテントだ。やっぱでかいのはいいよね。本当はこういうのでキャンプしたかったんだよね。でもバイクだと持って行くのに制限があるし、仕方なく小さめのテントになっちゃうけど、今の俺は違う、アイテムボックス持ちだ。これあっちの世界で教えたら、みんな羨ましがるよね、きっと。

 設営もすごく簡単だ。色分けされたポールを同じ色のスリーブに通してアタッチメントに入れるだけで自立する。あとはペグを打つだけだ。

 今日はデイキャンプなので、インナーテントは付けないでおこう。

 テーブルやイスをいくつも出してレイアウトする。水タンクOK、シングルバーナーセットOK、クッカーOK、どんどん小道具をテーブルに並べていく、至福のひと時。もうウキウキして宙に浮きそうだ。

 時計を見たらもう11時を回っていた。

 米を研いで水に浸し、固形燃料でご飯を炊く。

 BQコンロに火を入れ、今日は焼肉だ。

 まずはビールを取り出し、カシャ。一口飲んで、肉を網に乗せる。皿にタレを入れ、焼けるのを待つ。その間にビールを一口、二口、最高!。

 焼けた肉をタレにつけパクリ、うまー。ビールをゴクリ、うまー。

 ご飯もそろそろ炊けたようだ。飯盒のふたを開ける。このまま一口、親指立てて、サイズアップ。

 焼けた肉をパクリ、ご飯をパクリ、そしてビールをゴクリ、たまりません。キャンプ最高!!。


 昼食を堪能したあと、俺はベットに横なり、読書をすることにした。

 小説のタイトルは

『浦島を助けたカメ』

 ♢

 最後の息を吐き浦島は海の底へと沈んで行った。

「ごほっ、げほっ」大量の水を吐き、意識を取り戻した浦島は、目の前に大きなカメがいるのに気がついた。

「君が助けてくっれたのか」目の前のカメに聞いてみた。

 カメはコクリと頷いた。

「あいがとう」浦島はカメにお礼を述べ、ここで待っているようにと言った。そして、近くに停めてあった車からクーラーボックスを持って来た。

 クーラーボックスには冷えたビールが沢山あり、それをカメさんに渡した。

 カメさんは蓋を口で器用に開け飲みました。1本、2本と……。

 浦島は、よかった、お酒じゃなくても気に入ってもらえたと、ホッとした。

 カメさんは黙々と飲んでいましたが、突然口を開きました。

「あなたね、だいたい不注意すぎます。泳げないなら深みのあるところへ行ってはいけません」

(あれ、酔っちゃった?)

「それが怒られている人の態度ですか、正座しなさい、正座」

 100p読んだところで眠くなって来た。本を閉じ目を瞑る。

 ♢

「ねえ、君はここで何しているの?」

 僕は着物を着た小さな女の子に尋ねました。その子は近所で見たことのない子で、何処かの親戚の子かと思いました。なぜかと言うと今は夏休みでしたからです。

 僕はこの神社にセミ捕りに来ていました。

 女の子は、僕の持っている網と虫かごを見て、不思議そうにしていました。

 僕はこうやるのといって網を使って見せたのですが、何度やってもセミを捕まえることができませんでした。もうダメかと諦めかけていた時、やっと一匹捕まえることができました。

 僕がその一匹を虫かごに入れると、女の子は僕を見て笑いました。

 次の日も女の子は神社にいて、いっしょに遊びました。

 そして次の日も一緒に遊びました。

 その次の日、女の子はいませんでした。僕は待ちました。次の日もその次の日も……。


 ドサッと言う物音で、俺は目覚めた。

 懐かしい夢だ。

 僕の記憶の中で一番古い友達。あの子は今どうしているだろうか、生きていれば俺と同い年くらいだ。いい奥さんしているだろうか、会って、あの時なぜサヨナラも言わずいなくなったのか聞いてみたい。


 俺は起き上がり外へ出て、音のしたのを確認しようとした。

 辺りを見渡すと、それらしいものは見つからなかったが、緑色の草の中に一つだけ白い色の草があった。

 俺は珍しいその草を取って持ち帰ろうと、手に掴み思いっきり引っこ抜いた。すると、人の姿が地面から現れ、ギャーと、ものすごい声を発すると、川上の方へ走っていった。

 あれなんだ、魔女系のアニメに出てくる『マンドラゴア』か?。

 心臓がまだバクバクする。

 ふと時計を見ると、さらに心臓が高鳴った、PM4:00。


 テントを撤収して帰路に着く。

 道すがら昼読んでいた小説を思い出していた。ひどい小説だが面白かった。

 内容は、主人公の浦島がカメに延々と説教されるもので、明らかに実体験に基づく小説だ。

 浦島が著者でカメはおそらく奥さんだろう。著者は何時もこうやって、奥さんに怒られているのだろうなと想像しながら読むと、面白かった。


 我が家に着いた頃はすっかり暗くなっていたて、ヘッドライトがなかったら、帰るのを諦めるところだった。

 俺が中へ入ると、ミーアさんが仁王立ちしていた。

「スイさん、ちょっとこちらに来て」俺はミーアさんの後をついて寝室の方へ行った。ガオーさん夫妻もいたが、いつになく真面目な顔をしていた。

 寝室に入るとミーアさんが

「ちょっとそこに座りなさい」

 俺は胡座をかいて座ると、ミーアさんのきつい声が

「それが怒られている人の態度ですか、正座しなさい、正座」

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