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最近の俺は朝が遅い。
原因はミーアさんにある。いや、俺自身かも。
ミーアさんは寝る時、下着を披露するのがこの頃の日課で、俺はというと、赤い布を振られた闘牛だ。当然突っ込んでいき、にゃんにゃんタイム突入。
てなわけで俺の朝は遅いのだ。
俺が居間に来ると、ミーアさんが作った朝食を持ってきてくれた。
俺がおはよう、と挨拶すると、遅いぞ、と爽やかな笑顔が返ってくる。
いいなぁ、いいなぁ、最高だ!、隣にガオーさんがいなければ……。
さて、食べてみますか。
まずはご飯を一口。はむはむはむ、うまい!、柔らかすぎず固すぎず、うまく炊けている。
次は味噌汁一口飲む。これもうまい!、文句のつけようがない。
目玉焼きのとろみ加減も抜群だ。
また、女子力上げましたね、これなら元の世界の女子より女子力高いかも。
シロさんはというと、ミーアさんと二人でおにぎりを作っている。
『猫の手』で出す商品の仕込み中だ。猫の手っていうのは、お店の名前で、ミーアさんとシロさんで考えたらしい。俺にはこちらの世界の文字が読めないが、『猫の手』と書いた看板が店の前に立っている。
食事が終わり台所へ行くと、まだ二人は仕込み中だった。
二人のエプロン姿が目に飛び込んで来る。対照的だがとても絵になる二人だ。
シロさんといえばまとめている長い髪が大人の女性を感じさせ、エプロンが締め付けている体が、女性の性を醸し出し、男ならゴクリと唾を飲み込みそうなほど色っぽい。
ミーアさんといえは、まだ伸びきっていない髪をポニテにしている姿は、母馬に寄り添う仔馬のようだ。それでも可愛いことには間違いなく、同年代の男子やロリコンには絶大な支持を受けそうだ。
俺が食器を洗ってから居間に行くと、相変わらずガオーさんはお気に入りの椅子に座り、ダラリとしている。奥さんは働いているというのに、この体たらくはなんなんだ。そういえはここへ来て、男たちが働いているところ見たことがない。金が豊富にあるから働かなくてもいいのかもしれないけど、これでは不健全すぎるし、生きていて楽しいだろうか。面白いと思うことがあるのだろうか……。
で、俺ですが、二人きりになった時
「お願いします」
「ダメです」
0.1後に即答されてしまった。
何がというと、俺は一人でキャンプがしたいと言ったのだ。
「ねえ、ミーアさん。たまには気分転換も必要ですよ」両手を合わせて拝む。
「夫婦は、夜は一緒にいると決まっているんです」ミーアさんはちょっと怒っている。
夜は一緒って言われて悪い気分はしないが、俺はキャンプしないと死んじゃう人です。
「夕方には帰って来るならどうかな」
「夕方……」
(迷っている、ということは脈ありか)
「今度、色んなケーキ買って来るから」
「ケーキ!……た…食べたい」よし!、契約成立。
善は急げって言うからね。
俺は資金調達のため例の店にやって来た。
ホッと、胸を撫でる。お店は大丈夫なようだ。
店主もいつものところに座っている。
「お久しぶりです」軽く頭を下げ、愛想笑いを浮かべる。
「おう、あんたか」メガネのレンズを通さず、上目遣いでこちらを見る。
俺は黙って袋を取り出す。
それを黙って受け取る店主。
腰掛けて待つと靴音が、まさかねえ、と視線を向けるとまさかだった。それも手に凄い物を持っている。
男はテーブルにそれを置くと、気づいた店主がこちらに来る。
これロケットランチャーですよね。
こんなものどこで手に入れたんだ?、日本ではあり得ないだろう。
そう思っていると店主が
「これどこで手にいれた?」
(店主、ナイスな質問です)
「そこにあった」
(はは、この人馬鹿ですか。そんなの誰も信じないですよ)
「そうか」店主は納得しているようだ。
(ええーー、信じた!)
男は現金100万円を受け取ると去って行った。
店主、信用第一と言ってたけど、それ信じたらダメでしょう。
店主がまた元の位置に戻った時、こちらに声をかけて来た。
「そうそう、あれな売れたぞ」
「機関銃ですか」
「そうだ、買った人サンバゲームの人じゃなかったけどな」
(サンバじゃやなくてサバですよ)
「なんて言ったかなあ、中◯マフィンとか言ってたな」
(それマフィンじゃないですよ。マフィンは焼き菓子。きっとマフィアですよ、ヤバい人達ですよ)
俺は金を受け取ると、店主の無事を祈りつつ出ようとしたら、今度は迷彩服の男たちがドカドカ入って来て、俺まで奥へ逆戻りした。
「店主、ここら辺にロケットランチャー無かったか」迷彩服の一人が尋ねる。
「あるよ」店主はさっき持って来た物を出す。
「それだ」迷彩服の一人が喜びの声を出す。
「150万円だ」
「カードで20回払いで頼む。それと、このことは他言無用でお願いします」
「何を言っている、この商売は、信用第一だ」店主は当然のように言った。




