第3章 異世界でBusiness
第3章 異世界でBusiness
こちらの世界へ来たのは久しぶりなような気がする。
会社には、父が具合悪いという理由で退職届けをだした。
(親父、親不孝な俺を許してくれ)
スッキリしたところで、例の所へ。
中を覗くとまた目があった。
店主は覚えていたようで、先に声かけて来た。
「おう、また来たんか」
「お邪魔します」と、奥のほうへ歩いて行く。
「あん時のな、こっちもいい儲けなったぞ」うれいしそうで、こちらも助かる。
「そうですか。じゃ、またお願いします」こちらも愛想笑いをうかべる。
店主がどれどれと言ってこちらに寄ってくる。
物を渡し椅子に座っていると、また、車が店の前で止まる音がした。外を覗くと黒塗りのベンツ。
ドアの閉まる音がしたと思ったら、見たことのあるスーツの男が今度は日本刀を持って入って来た。
「店主至急これ頼む」男が焦りながら、前にあるテーブルに日本刀を乗せる。
店主は作業を中止してこちらに、物を確かめ始める。外観を隅々丁寧に調べる。それが終わると刀身を出して、また丁寧にみる。こうして見ているとプロだったのか、と改めて思う。
「切ったか」刀身を見ながら尋ねる。
「さっき切った」男がイライラしながら。
店主が刀身を鞘に収めると「45万だな」
「それでいい頼む」店主が出した金を確認もせず懐にしまい去って行った。
何か凄いことをサラリと言ったような気がするが、聞かなかったことにしよう。
さあやるぞー、資金はたっぷりある。
買って買って買いまくる。買ってはアイテムボックスに収納の繰り返し。
とにかく商品はたくさん必要だ。
なぜかって、決まっている、やろうとしている仕事がきまったのだ、
俺はこっちとあっちの世界とで金の価値観が全然違うことに驚いた。
それで、商売が成り立つと考えた。
あちらの人は商品に飢えている。こちらの商品を持っていけばきっと買う。代価としていただく砂金がこちらの利益につながる。そう考えたわけだ。
あくまでも俺個人の感じたことだが、金1gがあちらの20~30円くらいだ。スマホで確認したがこちらの金相場は4000円くらい、暴利にならないようガオーさんたちと相談して適正価格で商売しようと思う。
ということで、2ラウンドめ行きますか。
買った買った買いまくった。
取り敢えず充分かな。
それじゃ久し振りにアウトドアショップ行きますか。こっちの世界に来たら、アウトドアショップ行くのは、俺にとって宿命みたいなものですからね。 店内をウロウロしながら見て歩くのは至福のひと時です。
奥の方にでかいロッジ型のテントが設営してあった。中に入ると端っこの方でも余裕で立って歩けるほどだ。これいいなあ、ってことで購入を店員に。
小太りで身長が低くいせいか、頭のハゲがよく見える店員が「本当に買うんですか」と、聞いて来た。
(これ店員が言っちゃいけない言葉ですようね)
「現金で買います」
突然店員が泣き出した。
(えー……、俺なんかした?)
「店長がね、こんなの買う奴は馬鹿しかいないって言うんですよ」
(あれー、客を馬鹿っていっているよねえ)
「俺もそう思うんですけどね」
(お前の思ってるんかい)
「メーカーさんだって頑張っているし、今キャンプブームでしょ、だから一人ぐらい馬鹿な奴が買うだろーと思って、嬉しいです買ってくれる人がいて」
(俺、物凄く買い難いんですけど……)
結局購入したのだが、店員は大喜びで出口までついて来て、
「一生忘れません」と、一礼した。
帰りはちょっと遅くなったな、あちらの世界に着いたときは薄暗くなっていた。
また、ミーアさんが待っていて、俺がバイクを収納して歩き出すと左腕にしがみついて来た。嬉しいのだけれれど、やっぱりこうゆうのはよくないと思うので、あとで言っておこう。
自分のテントに着くと、ガオーさん夫妻がいて、椅子に座ってく寛いでいる。
入ってくる俺を見つけたガオーさんがこの椅子いいなと、また言ってる、無視しよう。
「お腹空いた?、ご飯にする」ミーアさんの方に聞いたのだが、なぜかガオーさんが「いいねー」と、言ってる。
(何しに来てるんだ……?、あ!、そうだ、俺が呼んだんだった)
夕飯は寿司の盛り合わせセット。
刺身が好評だったので買ってきた。
ガオーさんは「俺は焼きとりの方がいいなー」と、言ってるが無視、無視。
「わさび抜きだよ、安心して食べて」
みんなに皿を配り醤油をさす。
俺が手でとって食べるのを見て、みんな倣らう。
反応は見なくてもわかる。俺の背中が痛い。
ガオーさんも文句を言ってるわりにバクばく食ってる。
俺は少し疲れたから、カシャっとしたら、
「あるじゃねーか、それ俺にもくれ」ガオーさん当然のように言う。
ガオーさんにビールを出し
「シロさん試してみる」と、チュウハイの軽いのを渡した。
シロさんは、受け取ったチュウハイを匂いを嗅ぎながら、恐る恐る飲み始める。一口飲んでから一気に飲み干す。
シロさんはすごく気に入ったようで、催促がきた。ガオーさんにビール瓶3本、シロさんに酎ハイ350ml缶3本出し、ついでに寿司2皿めを出す。しばらく飲み食いしていたら、ミーアさんが寄りかかってきた。
(ミーアさん、大胆すぎですよ)と、見ると顔が赤い。酎ハイの缶が1本目の前にある。持って見ると空だ。
このままだと風邪ひきそうなので、寝室へお姫様抱っこして連れて行った。
ガオーさんが「寝込み襲うなよー」後方より親にあるまじきことを言ってる。
(いっぺん死ね!)
ミーアさんは意外と細いし軽い。ぎゅうっとすると折れそうだ。寝顔も可愛い。
「おやすみ」小声で言って、ガオー夫妻の所へ。
結局10時過ぎまで飲んでいて、ガオー夫妻に相談する予定を明日にすることにして、お開きにした。
寝室を覗くと、いつもなら丸くなって寝ているミーアさんが、仰向けでショートボブ風の髪が乱れながら寝ていた。
俺は起こさないよう注意して、引き出しを開けて下着を持って、露天風呂へ行った。
外はランタンの光が必要ないくらい月の光が強く、星々の数がいつもより少ないくらいだ。
明日のことを考えながら目を瞑っていると、湯船に揺れを感じ横を見るとミーアさんがいた。
目を瞑り浴槽の壁に寄りかかっていると、ミーアさんが俺の方へ寄りかかってきた。しばらくそのままでいると、なんとも言えない幸福感が溢れてきた。
十分に湯を堪能した俺は、ミーアを驚かさないよう注意して、湯船を出た。
脱衣場で体を拭いていると、ミーアさんも隣に来て体を拭く。アルコールのせいだろうか、視線がミーアさんの方へ向く。
お椀型の形のよいふくよかな胸が、俺の脳を刺激して、そっと抱き寄せた。ミーアさんは一瞬驚いたようだが、拒みはしなかった。
俺はそっとミーアさんの口を求め、口を重ねる。
堪え切れない俺のリビドーが、ミーアさんを優しく抱き上げ、一糸まとわぬ姿のまま寝室へ向かった……。




