2-3
♢♢♢2-3
俺が親戚や友人を探しましょうかと尋ねると、奥さんは軽く首を左右に振り「私はここでおじいさんと一緒に生きて、一緒の墓に入ろうと思うの」
奥さんは幸せそうな笑顔をこちらに向ける。
俺は「そうですか」と、それ以上は言わないことにした。
シロさんは俺のところへ来て「あんた、いいとこあるね。顔に似合わず」と褒めてくれた。あれ?それ褒め言葉……。
ミーアさんは僕の左肩に頭を載せ、ジッポが僕の下半身をバンバンやってる。痛いのでできればやめて欲しいのだが……。
女性陣のためにスイーツを出してみた。
初めて見る食べ物におそるおそる手が出るが、それも時間の問題だった。パクリとやった途端みんなの目の色が変わった。やはりスイーツは異世界でも次元?、空間?、を超えて女性には人気の食べ物だ。カレー以上に大好評です。
当然というかやはりというか、二匹のノラ猫も手を出し食べまくる。
男衆の方から呼び声がしたので振り向くと、ガオーさんが「ビール頼む。あと焼き鳥、俺はいいのだが、刺身も頼む」
(誰がガオーさんの意見聞いてる。他の人の意見を優先しろ。一応ガオーさんもこちら側の関係者だぞ)
暗くなったところでお開きとなった。
結局ビール150本、日本酒5升が空になっり、焼き鳥は500本、刺身の盛り合わせ10皿と気持ちいいくらいに完食された。
俺のツマミがないよ、後でまた買いに行こう。
さて、後片付けは明日にしよう。今日は疲れたので露天風呂にお湯を張り、タオルと下着を取ろうとしたら、パンティーが……。あれ、どうしてと横の引き出しを開けると空っぽ。俺の下着の上にミーアさんを全部入れたようだ。
慌ててミーアさんを呼ぶ。
「ここは俺の下着を入れるところ、ミーアさんはこっちの方に入れてね」と、教える。一緒はいやじゃないけど、変な性に目覚めたら大変だ。
さてと、風呂に入りまか。
俺が作った露天風呂、なかなかのものだ。
夜空を見上げると気持ちが和む。
遠くの方に光が瞬いていて、結構大きな街に見える。いつか行ってみたいなと、思っていたら、いつのまにかミーアさんが隣にいる。
(ミーアさんそういうのやめてくれる。心臓に悪いから)
風呂から上がり体を拭いていると、ミーアさんも隣に来て体を拭きだした。こういう大胆さは俺には理解できなくて、心臓がドキドキする。人間と猫人との感性の違いって言えばそれまでだけど、当分慣れそうにもない。
居間で椅子座っていると、当然というか必然というか隣にはミーアが座る。無地だが可愛らしいパジャマに、風呂上がりのいい匂いがする。やばい、ドキドキして来た。アイスでも食ってクールダウンしよう。
カップのバニラアイスをアイテムボックスから取り出し、食べる。ミーアさんの視線が俺の口とカップを行ったり来たりしている。
「食べてみる」と、聞いてみるとコクリと頷く。
テーブルに置いたカップをジーっと見つめてから少しスプーンに取り、口に入れる。
バシバシバシ、音が出るほど背中に当たっているんですけど。ミーアさんマジやめて、なんだか嬉しい気持ちが湧いてくるようになったんですけど……。
歯磨きタイムです。
「ミーアさん、これ、このピンク色のカップがミーアさんのですよ」と、置いてあるカップを指差し念を押す。コクリと頷くミーアさんの頭をポンポンしてから、歯を磨く。ミーアさんも倣らう。
歯磨きを終えてそれじゃ寝ますか、今日はいろいろあって疲れました。
ミーアさんは初めてのベットで少し興奮気味かと思っていたら、丸くなって寝息をたてる。逆にこっちはいろいろ考えて寝付けない。今後どうすればいいのか考えてしまう。今の仕事だって、続けるわけにはいかないだろう。すると辞めるか、じゃあその後どうするのと考えると答えが出ない。こちらの世界で生活するのだから、こちらで仕事すればいいかと言われれば、不慣れなところでそうそううまい仕事が見つかるとも思えない。それにあちらの世界のアパートの部屋は、俺には必要だ。あれがなくなるとあちらの世界との絆がなくなりそうで不安だ。アパート代に税金は支払おう、あちらに籍を置くのは必要だ。それじゃお金稼がないとな。仕事…、仕事か……。
外で人々の声がして目覚めた俺は、隣にミーアさんが寝ていないのを確認して起きた。
居間の方へ行くと、出口にガオー夫妻がいて何やらしていた。近ずいて朝の挨拶をすると「おせーぞ」と、言いながらも誰かと応対している。
何だろうと気にしていると、段ボール箱を渡された。中身を確認すると、いくつもの袋が入っていて、中身は砂金だった。
「これは?」と、問いただそうとすると、ガオーさんが「取って置きな、村のしきたりだ」
納得はしたが、これはかなりの額になる。あとでそれなりのお礼をしよう。
サンダルを履いて外に出ると、長老の奥さんがいた。
「上手くなりそうですか」と、声を掛ける。
奥さんは弥勒菩薩のような穏やかな笑顔をみせて
「いつかよしこちゃんを見返してやるの」と、お辞儀した。
「それじゃ上手くなったら見せて下さい」と、別れの挨拶をした。
入れ替わりにプーさんが来て、
「昨日はありがとう。あの刺身とかいう食べ物絶品だった」とご満悦。
「あのう、ピンク色のやつ美味しかったでしょう」と意気込む。
「ああ、あれは最高だ」
「やっぱり、プーさんは絶対サーモンが大好きだと思って、
多めにしてもらったんですよ」
「そ、そうか」僕のテンションにプーさん引き気味。
「ハチミツ好きですか?、好きですよねー」更にテンション上げる。
「ああ、甘い物は嫌いではないよ」プーさん更に引き気味。
「今度ハチミツ持って来ますから期待して下さい」
(プーさんにはお世話になったから、恩返ししなくちゃね。そうだ秋になったらいっぱいドングリ拾って来よう、うん、そうしよう)一人納得していた。




