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お風呂作っちゃいました。
セラミックって純度の高い土、とかなんとか本で読んだことがある。じゃ土魔法で作れるんじゃねえ?、てイメージしたら本当にできちゃいました。
壁、床、全部セラミック。露天風呂も作っちゃいました。室内にはネットで購入した浴槽を設置。ボイラー設備もOK。あれ?、ボイラーって簡単に手に入るかって?、それはアレよ、蛇の道は蛇って言うでしょ、つまりそう言うこと。俺そういう関係の仕事していますからね。コンプライアンスは?、それ言う、ごめんなさい、取引先にはお金支払ってありますから……。
全て午前中で終わりました。楽勝。魔法って本当にいいものですね、と昔の映画評論家みたいな言葉が出るほどの余裕。
昼食は新居祝いに村全員に大判振る舞いする事になっていて、村の人たちがゾロゾロ集まりだす。それじゃ早く準備しなくちゃって、チッチッチ、俺には伝家の宝刀アイテムボックスがあるんだぜ。
子供や婦人方にほか弁のカツカレーを配る。配るのはミーアさんにしてもらった。
俺はローテーブルを囲んでいる男衆に、先ずは焼き鳥。
「これ、スゲー上手いんだぜ。まあ、食ってみな」ガオーさんがみんなに自慢する。なんでお前が自慢する。
紙コップにビールを出していたら、もう焼き鳥なくなっておかわりの催促。お前ら猫か!、待つこと知らねのか、とムッとしたがよく考えてみたら猫だった。取り敢えずアルコールを先にしよう、と日本酒も出しておく。みんなが飲み始めてから、焼き鳥を出し刺身の盛り合わせも出した。
ガオーさんに刺身の食べ方をレクチャーする。こうやってチューブに入っているワサビを刺身にたっぷり付ける。どうぞ、と言うと一口でパクリ。
「お!」の後は転がり暴れまわる。
このようになるので、これは少し付けて食べて下さい。以上レクチャー終了。トドメに、心の中でザマーミロと、言っておく。
スッキリしたところで、長老の奥さんのところへ。
「遅れてごめん。奥さんには特別メニューを用意した、食べてくれ」と、アイテムボックスから取り出す。
俺の出したメニューはミルクとパン、それとカレーの昭和20年代の給食の定番メニュー。レシピ通りに作ったつもりだ。奥さんはカレーをスプーンですくい一口食べる。
「懐かしいような味がするわ」幸先が良い。さあどんどん食ってくれ。次にミルクを飲む、脱脂粉乳のミルクだ。これ、上手くないんだよねー、でもそれが返って記憶を呼び覚ますのにいいかも知れない。
その時スゲーガン見している奴等がいる。例の二人だ。
(お前等自分のを食っただろうが、こいつ等遠慮ってもの知らないのか、お前等猫か?)……猫だった。
奥さんは結局二人の子供に自分の分を与え、食べるのを満足そうな表情を浮かべながら見ていた。
俺の作戦はこうして二人の、いや、二匹の猫によって失敗に終わった。
仕方ない、次の作戦に行きますか。
俺は昭和20年代の女の子の遊び道具を出してみた。
おはじき、お手玉、お人形(当時のものは手に入れなかったので、手に入った古いもの)、おりがみ、手まり、ゴムひも、あやとり用に毛糸の紐。
(どうです奥さん、懐かしくないですか)
奥さんはそれらを不思議そうに見ていたが、それ以上の感情は湧いてこないようだ。
(これも失敗か、何か別の手を考えようか)と、思案していると、二匹のノラ猫が参入してきた。
おはじきは飛ばすは、お手玉は投げるは、折り紙はおるは、あっ、それはいいのか、しっちゃかめっちゃかだ。
(こいつら保健所に連れて行こうか)と、ムッとしていると、奥さんが「それはそうやって遊ぶものではありません」と、お手玉を受け取り、♪夏もち~かずく……と、歌いながら、起用に3つのお手玉をジャグリングした。
突然手で顔を覆い、奥さんは「私、よしこちゃんのように上手くできなかったの。だから上手くなりたくて何時も練習していたわ。いつかよしこちゃんのようにうまくなりたくて……」と、大粒の涙を流し、泣きながら当時の話をした。




