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プロローグ
唯一王国アナスタシアは滅びた。
汝らを守ってきた殻は脆くも崩れ去ったのだ。
だが、案ずる事は無い。アナスタシアは数百年の間に驕って腐れた大樹となっていたのだ。強き風の前に倒れるのは必然であったのだ。
恐れるな、人の子らよ。
汝らを守る存在は、アナスタシアの他にもいる。
その名は、『機械仕掛けの神』。
遙かなる過去から汝らを見守り続けてきた、真の守護神なり。
デウス・エクス・マキナを讃えよ。その名を崇めよ。真に神の子となる為に、魔律晶『信仰律』をその身に宿せ。
神の加護を受けし、祝福された子らには、久遠の安息が約束されるだろう。
神を、信じよ。
(黒き衣をまといし神の遣いの言葉より)




