暗黒面の回顧録。~前編~
さて、このエッセイの初回で「黒歴史の発掘」を言い換える表現を募ったところ、感想で素敵な提案をいただきました。
なので、今回はその表現をお借りしてみようと思います。
……ただし、振り返るのは「若き日の情熱」ではなく、私の黒歴史の中でも「暗黒面」についてですが。
先日、フロッピーディスクのデータの呼び出しの話をした際に、出て来たデータとして『この道の方が商業作家のハードル低そう?(当時)と、打算で書いてみてたBL』なーんて一文を書きました。
……自分で書いたんですけどね。
えらく失礼な事言ってますね、コレ。
と、いう事で、言い訳です。
腐女子を敵に回すつもりはありません。
まず、「当時」というのがどのくらい前の事かというと……
漫画・小説の一ジャンルとして「ボーイズラブ」というものがジリジリと勢力を広めつつあった頃でした。
そんなある時、私と友人(漫画描き)で会話の流れから「最近よく聞くボーイズラブとは何ぞや? や○いと何が違うのよ?」……という議論? になりまして……
二人とも、面白い作品であればそういう要素に関しても偏見なく読むタイプでしたが、積極的にそっちばかりを選んだり、ましてや、自分で書いたり(描いたり)はしていなかったんですが――
何故か「よく分からないから、ここはひとつ自分達も書いてみるか!」というふうに話が落ち着きました。
その場のノリというのは恐ろしいですね。
――結局のところ、友人はBL漫画を描いてはくれませんでした。
しかし、私は律儀に小説を一本書き上げました。
生まれて始めて書いたボーイズラブ小説!
……と、長くなって来たので、続きは次回にしましょうか。