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FairyWar《フェアリィウォー》2

第二話始まります。

 手元にあるタブレットには、現在、緊急任務エマージェンシークエストと赤字で表記されている。


 【緊急任務エマージェンシークエスト

 【本国への通信は途絶え、当基地へ所属不明の部隊による攻撃が行われている。】

 【分隊を指揮し、沿岸部より上陸を始めた敵部隊の侵攻を他の部隊と協力、これを阻止せよ。】

 

 たったそれだけの文章が表示され、基地内部の地図マップが表示されていた。

 東西南北が表示され、西に1km進むと海岸があり、そこには本来は基地での訓練などで使う施設や、上陸作戦や水際防御の訓練などで使用されている場所だ。

 

 緊急任務エマージェンシークエストを確認した為か、空爆は収まったようで、周囲に視線を向けると、東の方から黒煙が上がっているのが見えた。

 基地航空隊の格納庫だと、タブレットでは表示されており、そこが空爆の目標だったらしい。

 耳に無線機があり、怒鳴り声が響いていた。 基地の守備隊が慌てているのだろう。

 『滑走路が破壊された』とか、『基地司令と連絡がつかない』とかそんな良くない通信が入っている。


 「これじゃあ航空支援は無しって事なのかもしれませんね」


 1人呟き、それでも戦況は動いているのだからと、改めて気を引き締める。


 【坂田:よろしく】

 【Elen:初めまして、宜しくお願いします】

 【ミスズ:初めまして】


 タブレットで地図マップを確認していると不意にウインドウが開きそこにチャットが流れ出した。 名前も表示されている。

 他の初プレイヤーがいるようだ。 忘れていたが、そう言えば初回だけはサーバーの管理か何かの影響で初参加メンバーだけは集められているらしい。

 自分を含めて4人がいたようだ。 急だったが自分も挨拶だけはしておく。 たった一言【宜しくお願いします】とだけではある。

 尚も、他の三人は未だに何かチャットしているようだが、それには参加せず、自分の指揮するコトネ以下分隊は、すでに海岸へ到着していた。

 実際には出発地点が自分の分隊が一番近かったらしくすぐに到着していただけの話でもあるが、タブレットでは終始チャット機能で会話がされていたがコミュ障の自分には何か言う前に会話が進んでいた。

 仕事ではまだなんとかなるのだが、これは不味いかもしれない。 『海岸に到着』とだけ返信してみる。

 海岸を正面にして高台を確保、距離はおおよそ100mほどの場所だった。 敵との近いかと考えたがやってみるしかないだろう。

 また一箇所に固まると敵の攻撃で全滅の可能性もあったため、自分の率いる3人とコトネに付けた4人は離れて岩陰に隠れ、様子を見ていると、海上に敵の船団が現れた。

 水平線を覆いつくすほどの船団のように見えるが、実際に攻めてくる数は多分少ないと考える。

 手元にはM4カービンとその弾薬である5.56mm×45mm NATO弾が分隊で720発、ベレッタM92とその弾薬の9×19mmパラベラム弾が360発だからだ。

 まぁ、実際には自分の隊だけではなく、あとの3人の率いている分隊と協力して戦うのだから、恐ろしい程の数と戦う事になるかもしれないのは覚悟しておくべきだと考えていた。

 他のプレイヤーはもう着いた頃だろうかと思い、タブレットを確認するが、3人中1人しか到着していなかった。

 自分の分隊から東の方にある道路の歩道の方に伏せているのが確認出来る。 頭が見えてるぞと思ったが、すぐに引っ込んだので、海岸の様子を確認していたのかもしれない。


 【坂田:まだこっちは着かない。 基地の格納庫もダメだな。 航空戦力は期待できねぇ】

 【ミスズ:高台確保、こちらの分隊、いつでもいけますよ】

 【Elen:えーっと、みなさん慣れてます? 海岸まであと2kmです。 火力が欲しかったですね】

 【Elen: あっ、お偉いさんが負傷してますね。 ちょっと最寄のNPCノンプレイヤーキャラクターにでも届けてきます】

 【ミスズ:りょうかいでーす。 あれ? ログ見返すとあと一人はどこでしょ? イシダ? イシダさーん】


 道路に陣取っているミスズというプレイヤーが自分がいないことに気が付いたのか、キョロキョロとしているのが見えた。

 多分、こっちを探しているのだろうが敵が上陸してくるのだから、あまり露見したくは無いのも感想だった。


 【イシダ:すみません。 不慣れなもので、分隊は海岸に到着しています】

 【ミスズ:見えませんでした、どちらでしょう?】

 【イシダ:ミスズさんから左手の海岸を見下ろせる丘ですよ】

 【ミスズ:岩肌がゴロゴロとしてますね、そのあたりでしょうか】

 【坂田:おいおい、2人の世界ですか、こんにゃろ」

 【Elen:ヤキモチですか? 坂田さん】

 【坂田:ち、ちげぇよ。 坂田分隊到着した】

 【Elen:僕も到着です。 基地の方は結構やられてました。 航空戦力、火力支援は期待できませんね】


 坂田とElenが基地の方を見てきてくれたらしい。

 ただ、車両などは無かったようだ。 手元にある武器でこの緊急任務エマージェンシークエストを攻略しなければならないのだろう。

 目の前に集中すると、上陸用舟艇《LCVP》が海岸へと近づいてくる。

 見た限りではあるが、人員輸送用の小型の物のようだ。

 海岸の砂浜へと乗り上げると、船首部分に当たる板の部分が前面へと倒れ中から次々に敵が飛び出してくる。

 どうも、海岸に4人が集まった時点で敵の上陸が始まるようだ。 もしくは、時間切れかのどちらかだろう。


 【ミスズ:撃てっ!】


 真っ先に射撃を始めたのは、海岸に面した道路に分隊を配置したミスズと言うプレイヤーだった。

 使用する武器は多分同じM4カービンだと思われた。 確か、初心者が始める曜日によって初期装備が変わるらしい。

 その日のプレイヤーまでは分からないが、全員が統一されているそうだと、ネットで見た。

 道路上の三人の分隊が射撃を始めると、銃弾を受けた敵もただ撃たれているだけではなく、ミスズ達の居る道路の方へ応戦を始めている。

 坂田、Elen、ミスズの三個分隊からなる守備隊である。 総勢で27名の火力は並大抵ではなさそうだ。

 道路から砂浜へと敵を吐き出す上陸舟艇《LCVP》へと射撃を続けている。

 しかし、戦闘が始まってはいるが自分の分隊はまだ一発も撃ってはいなかった。

 すでに、高台に位置する海岸を正面に構えた道路からの射撃によって、敵側の損害は小さくは無いはずだ。

 次に敵がしてくる事と言えば、迂回し道路にいる部隊に攻撃を仕掛ける可能性がある。

 3つの分隊は、いまだソレを考えていないのか目の前に集中しすぎている気がした。


 「コトネ、君の班は、北の方、正面にある岩陰だな。 そこから道路に陣取っている友軍の側面へ迂回しようとする敵への攻撃を四人任せる。 自分に付いた三人は着いてきてくれ」

 「コトネ班了解」


 妖精フェアリィは喋らないが、頷いている。

 ただ、副官サポートキャラになった妖精フェアリィはAIを駆使して返答は返すようだ。

 今一度、手元の持ったM4カービンの点検をする。 ゲームだから問題無いのかもしれないが、これは癖の様な物だ。

 散々、本物の訓練で刷り込まれたせいだろう。 槓桿を引き、初弾を薬室へと送り込むと、切替金を3発発射バーストへと切り替える。

 連射フルオートがあればな、なんて考えながら砂浜から露出した岩陰を進んでいく。 妖精フェアリィには後方へ続くように指示を出しておりその通りについてきた。

 AIが学習していくそうだが、今は簡単な指示でどこまで出来るのかも気になっている。

 各妖精フェアリィは、周囲の警戒を指示、こちらからの発砲を控えさせた。

 万が一、敵に発見された場合の応戦を許可している。


 『コトネ班よりイシダ分隊長。 迂回中の敵部隊を発見、射撃を開始します』

 「了解、こちらもそろそろだと思われる。1人も通すな」


 案の定、迂回を始める敵が出てきた。 タブレットで地図マップを確認すると、道路の北側へ抜けようとする赤い光点が数個現れたがすぐに全てが消えた。

 自分、もしくは自分の部下が発見した敵については、地図マップに赤い光点として表示されるらしい。

 そして、北側を回り込む敵部隊がいたという事は、自分達のいる南側にも現れるという事だ。

 そう思った矢先に、正面に敵の軍服を着た兵士が数名現れた。 岩陰に隠れて様子を伺っているようだが、こちらには丸見えだ。

 手に持っているのはAK-47とお約束だとは思ったが、間髪いれずにM4カービンを構えて撃つ。

 タタタンッと、3発発射バーストで放たれた5.56mm×45mm NATO弾は間髪いれずに敵を倒していく。

 腹部から胸部へと銃身が上がるのを想定して引金を引いたのだが、ゲームのせいか思ったよりは跳ね上がらなかった。

 もう少し上でも良いかもしれない。  随伴していた妖精フェアリィも攻撃に加わり、弾倉を一つ消費する事無く敵を撃退している。

 今回、用意されていた敵は人間サイズであった。 これが、プレイヤー同士だともう少し対象が小さくなる。

 妖精フェアリィ同士であれば問題ないのかもしれないが、身長の高い自分からするとなかなか難しい。

 まぁ、追々慣れていくだろうと先へと足を運ぶと直後に、海岸へと押し寄せていた敵の上陸舟艇《LCVP》が爆発していく。

 何事かと思い視線を向けると、轟音と共に友軍機が直上ちょくじょうを通過していった。

 1機や2機程度ではないようだ。 上空から友軍による攻撃によって今回の敵の侵攻作戦は阻止されたらしい。

 海上へと目をやると、やはり友軍の艦艇が到着しているようだ。 応戦を開始している。

 また直上ちょくじょうを友軍機が通過していく。 海上の敵艦艇に対する攻撃の為だろうか、海面スレスレを飛行していった。

 それからはと言うと、敵の上陸舟艇《LCVP》は現れる事は無かった。 しかし、周囲に残敵がいる可能性を考慮し、コトネ以下分隊には周囲の警戒を指示しておく。

 万が一、これで敵兵が現れても対処できるはずである。


 【Elen:あれっ? 終わったみたいですね】

 【坂田:ちぇっ、結構な数の弾薬消費してっぞ】

 【ミスズ:まぁまぁ、坂田さん、Elenさん、おつでした】


 道路上にいたプレイヤーはいつの間にか仲良くなったようだ。 【お疲れ様でした】とまた一言だけ送信しておく。

 三人からは、【お疲れ】なんて返信は戻ってきたが、自分からはそれ以上に返信する事は無かった。

 せっかく仲良くなったところに、自分が水を差すのは悪い気がした為だ。

 タブレット上に表示されている文は和気藹々としている。 自分はと言うとコトネ達4人と合流して海上を眺めていた。

 今回、自分自身もそうだが、分隊には負傷者は出ていない。 負傷者が出てしまうと、戦線離脱か最悪では戦死してしまう。

 妖精フェアリィにもレベルがあり、経験を積む事でさらに強くなるのだ。 負傷による戦線離脱では、その時の任務クエストで得られる経験値は手に入らないで済むのだが、戦死の場合はリセットされて新人が追加されるだけなので戦力ダウンなのだ。

 それだけは絶対に嫌だった為、十分に気をつける必要があった。

 タブレットで他に何か出来る事はと色々と触っていると、画面が急に切り替わる。


 【緊急任務エマージェンシークエストクリア!】

 【基地司令:良くやってくれた、おめでとう!君たちのお陰で当基地は守られた。 これからも頑張ってくれたまえ】


 NPCノンプレイヤーキャラクターである基地司令から激励の言葉を頂く。

 タブレット上に今回の任務の評価と報酬が表示されていた。


 【緊急任務エマージェンシークエスト:海岸線を防衛せよ!クリア】

 【シークレット:迂回する敵を撃破せよ!クリア】

 【命中率:A】

 【クリアタイム:A】

 【撃破数:C】

 【救援:A】

 【部隊損害:負傷0 戦死0 評価A】

 【獲得CPコマンドポイント任務クエスト達成2000P シークレット達成3000P】


 今回の迂回してくる部隊を撃破した事がシークレットとなっていた。

 やはり、正面から来るわけではなかったようだ。

 これで、手に入ったCPコマンドポイントは5000Pとなる。

 早速、何に使おうかと考えていたが、編成の項目にまたNewと表示があった。

 確認してみると、『補給』という項目が光っている。

 何となく想像が出来たのだが、やはりそうだった。 今回使用した武器に使用されている『弾薬の補給要請』となっており、補給するを選ぶとコトネがいつの間にか手に持っていたタブレットを自分の方へと差し出していた。


 「これは?」

 「今回使用しました弾薬の補給する為の書類です。 サインをお願いします」


 タブレット上にある書類の中にある署名の欄が光っていた。 試しに、『イシダ』とサインすると『弾薬を補給しました』と自分のタブレットに表示されていた。

 なるほど面白い、こうやって補給するのかと楽しんでいた。 CPコマンドポイントを確認すると、1発に付き1CPコマンドポイントを消費するようだ。

 それでも、4000ポイント以上は残っているのだ。 大いに検討したという事にしておこう。

 ただ、これは小口径の弾薬が該当していて大口径の弾薬や特殊な弾頭などになると消費量が変わっていく。

 強ければ、強い弾薬だとCPコマンドポイントも大量に必要になっていくわけだ。

 ふと、周囲から音がしなくなっていた。

 先ほどまでは、戦闘機の爆音や波の打ち寄せる音などが聞こえていたのに、今はまったくと言っていいほど無音に近かった。

 周囲を見渡しても、副官サポートキャラであるコトネと妖精フェアリィしか居なくなっている。

 どこかに移動しただけ、そう考えて自分も立ち上がろうとした。


 「……」


 静かだったからこそ、聞こえたのかもしれない。 微かにだが、どこかから何かが聞こえた。

 一度周囲を確認する。 コトネや妖精フェアリィは気が付いていないのか周囲を警戒したままだった。

 警戒しながら、後方に付くように分隊に指示し、その声が聞こえてきた場所へと向かう。

 何か、緊急任務エマージェンシークエストやシークレットが発生するのかもしれないと言う考えからだった。

 岩陰からなのかと探すが、そういった場所には何も無かった。

 気のせいかと思い、基地の方へと戻ろうと振り返った時だった。

 小さな人影が、椰子の木の傍に倒れていた。 慌ててその倒れた人影に近づくと気が付いたのだが、このFairyWarフェアリィウォーでは考えられない格好をしていた。

 近づいて気が付いたのだが、少女である。 汚れのない白い衣服を身に纏っている。

 だが、呼吸は荒く何かの発作でも起きているのではないかと慌ててタブレットを開き、設定画面にある運営への直通電話をタッチしようとした。

 しかし、その手を少女が掴んできたのである。 


 「うわっ!?」

 「良かった、見つけてくれた」


 そう言うと、少女は自分で立ち上がると自分をまっすぐに正面から見つめてきた。

 額には汗が浮き出ており、本当なら苦しいはずである。 しかし、それを表情に出す事なくこういったのだ。


 「助けて欲しい、私にはキミが必要なんだ」


 どうも、何かのイベントが始まったようだ。 これもチュートリアルの続きなのだろうかと考えていた。

 もしかすると、すぐにでも敵の攻撃があるのでは、と思い分隊に周囲警戒の指示を出す。


 「私の名前は……。 あなたに私達の世界を救う為に力を貸して欲しい」


 そう言うと、彼女は頭を下げた。 少女の名前が上手く聞き取る事が出来なかった。 何か、バグでも起きているのかもしれない。

 何のことは無い。 きっとゲーム内のイベントなのだろうと考えていたのだから、普通に「わかりました。 自分でよければ力になります」なんて声色を変えて答える。

 カッコいい台詞を使ってはみたが、言ってから遅く、なんだか顔が熱くなってきたのだった。 慣れない事をするものではない。

 そう聞いた少女は、まさに華が咲いたような笑顔になる。 表現とは難しいが、純粋に可愛い笑顔だなと思っていたのだ。

 少女は、両の手で祈るような姿勢になると聞きなれない言葉で何かを唱えている。 まるで、祝詞のりとのようにも聞こえる。

 少女の身体が金色に輝き、足元にはこれまた金色に輝く魔方陣が現れた。

 FairyWarフェアリィウォー妖精フェアリィが出るゲームだが、これでは何か違うファンタジーの様な物では無かろうか、こう言ったことが起きるとは聞いた事が無い。


 「あのっ、コレは一体!?」


 呆気に取られている自分を他所に事態は進行していく。 まず、周囲を警戒していた妖精フェアリィ達が一体、また一体と金色の光の粒となって消えた。

 次々に消えていくと、目の前にいたコトネも消えていった。 何事かとコトネも身体を捩ったりしていたが抵抗むなしくどこかへと消えてしまった。

 気が付いた時には、自分の身体も妖精フェアリィ達のように光の粒へと変換されているようだ。


 「それでは、行きましょう!」


 少女が自分の手を取って、上を見上げる。 つられる様に自分も視線を上に上げると、空には地面があったのだ。

 先ほどまで、戦闘機が飛び交い、対空砲火の上がっていた空ではなくどこだか分からない地面があったのだ。 ゲームのバグでは無いかと慌ててタブレットを使ってログアウトしようとしたのだが、ログアウトの文字がそこには無かった。


 「え!?」


 意味が分からない。

 このまま上に行ってしまうとどうなるんだと、だんだんと恐怖が湧き上がってきた。

 少女の手を振りほどこうとするが、こちらを見る少女の目元が真っ赤に腫れ上がっている事に気が付いた。

 ずっと、ずっと泣いていたのだろう。 青く透き通るような瞳も充血していた。

 その為、腕を振りほどく事に罪悪感が芽生えてしまい、結局何も出来なかった。

 仕方なく、自分のいた場所へと視線を向けると、信じられない事に気が付いてしまった。

 そこには、自分がいたのだ。 自分と、コトネ以下分隊が周囲の警戒を続けていた。

 しかし、何もないと判断したのか基地の方向へと向かって歩いていく姿が見える。

 自分がここにいるのに、下の地面でも自分がいた。 それは普通に動いて当初行こうとしていた基地の方へと走っていくのだ。

 どういう事だと頭が混乱し、事態を飲み込めない。 色々と考えていたが不意に今までは浮遊感だった物が、だんだんと速度が増していく。

 違った、これは浮いているのでは無く、地面に向かって落下しているのだ。

 先ほどまでは空にあった地面が今は下にある。 重力に引かれて落下しているらしい。

 しかも、少女が居なくなっていた。 今は、自分が1人地面に向かって落下している。


 「う、嘘だろ!?」


 もう目と鼻の先だ、このままでは激突して死んでしまうと思うと、目の前が暗くなり気が遠くなった。

 そのまま意識を手放してしまったのだった。


 小心者の作者ですが励みになりますので、どんな事でもよいのでご意見ご感想お待ちしております。

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