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お前がかよ!?

「お前の所はあるっていうのかよ」


質問と同時に体勢を低くして

懐に入り込む。

やはりここはボディを狙ったほうが確実。


「あるよ。ととと、危ない」


直前でひらりとかわされてしまった。

チッ、踏み込みが甘かったか?


「暴力沙汰マズいんじゃないの?

あ、全国関係無かったか」


「ほざいてろ」


「ヤレヤレ……ケンカぱやすぎだろ。

どんだけやんちゃ部員だよ、てかさぁ

よく退部させられないね?

これじゃ爆弾抱えてる様なもんじゃん。

主将とか監督に注意されないの?」


「…………」


「ね~ちょっと聞きたいんだけど。

アンタの高校なんていうの?」


「厳木高だ」


「え?」


今までヘラヘラとしていた

奴の笑いがピタリと止む。



その反応にこっちが驚いた。


――何だ?



「……そういうのさ、早く言おうよ」



「なっ!」


奴はいきなり手に持っていたさっき買った

本屋の袋を俺に投げて寄越した。


「!?」


「あげる。出会った記念。

じゃ、そういう事で」



「オイ!コラ待て!」


貰う理由がねぇってのに。


だが、奴は振り向くことなく

足早に何処かにいってしまった。



(何だっていうんだ?あのクソガキ)


今度見つけたら、アイツ

ぜってーボコボコにしてやる。


無論、見えないところでだ。


あれから数日たったが

あんなムカつく野郎に貰った本なんか

読む気もせず、結局袋に入ったまま

部屋の片隅に置きっ放しだ。


ケチが付いた雑誌とか読めるかってーの。









そうこうしているうちに

例の鷺我が練習試合に来る日を迎えた。


まぁ元出身の近衛目的だろうが

そんな事はどうでもいい。

こういう所と試合ができるのは願ったりだ。


どんな風にゲームメイクすんのか興味

あるし、そのゴールも狙ってみてぇ。


専用バスとやらで御大層にやって来た。


ゾロゾロと降りてきたその様子は

スター気取りかよって言いたくなるほどの

異様さだ。


だが、流石というか独自の雰囲気が

あるのは否めない。


――これが全国ってヤツか。



「日野、向こうの監督らが挨拶来てる。

俺らも一つ挨拶とでも行きますかね」


紺里に促されて黒づくめ集団から

少し離れた監督と思しき人物に

向かって歩く。


近づいてその監督の横に

もう一人いたその顔を見てギョっとした。



「!!!!!!!!!!!」


向こうの監督が挨拶をした後、


「――で、こっちが鷺我高の

キャプテン、一年の戸神です。戸神」


ソイツを紹介した。


「ハイ。今日は練習試合を受けて頂いて

ありがとうございます。

鷺我、主将の戸神とがみ はじめ

と言います。

以後、宜しくお願い致します」



間違いない。


ソイツは紛れもない

あの時のクソ生意気なガキだった。


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