二度目の……
「いいか?声は極力抑えろ。
結構此処外に聞こえるから」
「……声ださせる自信あるんだ?」
へぇ、とか言ってる顔、真っ赤だぞ。
「すっげーエロい事、今からすんだぜ?
出ねェ訳ねーじゃん。
どうしても出そうになったら俺の身体の
どこでも噛んで良いからな」
「え?いいのか?」
嬉しそうだな、オイ。
一体どこ噛むつもりだ……
「ああ。本当はお前の声を
聞きながらしたかったが
別の機会にたっぷり聞かせてもらうから、
楽しみとして取っておく」
「……初めてで、どうしてそこまで
自信家なれんのか、ちょっと
呆れてるんだけど?俺」
奴の学ランに手をかけて脱がせながら
「加減は極力すっけど辛かったら言え」
「加減とか出来んの?ドウテーさんが?」
ホント口の減らねぇガキ。
「じゃ言葉に甘えて、俺の好きなように
やらせてもらう。
泣いてゴチャゴチャ言ってきても
止めねぇから覚悟しとけ」
「俺が泣くわけない」
「ほう、今の台詞おぼえとけよ」
それでも最初はセーブするつもりだったんだが、
やっぱ初めてでそんな器用な
真似出来るはずもなく。
途中からは戸神の表情や声に煽られ、
自分でする時とは全く違う未知の感覚と
快感だけを貪る事に夢中で、
結果、コイツを散々泣かせるハメに
なってしまった。
――コイツの場合は自業自得だ。
終わった後、腰が痛いだの長すぎるとか、
下手だからだとか文句を言い出したから、
だからって別のトコで誰かと経験積んで
来た方がいいか?
っていうとあからさまな動揺を見せる。
口はとことん悪いが表情は正直で
可愛いな、お前。
大体な、下手かどうかなんかお前が
分かる訳ねーだろ。
お前だって初めてじゃねーか。
バレてねェとでも思ったのかよ、
反応、随分初々しかったぜ?
ついつい先までのコイツを
思い出す。
(畜生……ホント可愛いかった)
もっと素直になれば
お前が悦ぶような事、色々してやりてェのに
とも思うのになぁ。
ま、武士の情けだ。
今回は気が付かなかったことにしてやるか。
そういや泣き顔、
さっきヤってる時初めてみたけど
結構良くて気に入った。
けどな、そういう意味以外で
お前を泣かすつもりはねェから信用しろよ。
「で、今度はいつどこでする?」
「……暫くしねーよ!
痛くてサッカー出来ないじゃんか!!
バカ野郎!!!!!!!」
「暫くって事は、したくない訳じゃない、
つまり悪くは無かったってことだな?」
「!!!!!!!!!」
今度は無言で平手打ちが来た。
「いって」
一度ならず二度までも……
ったく、俺を殴れるのはお前だけだ。
「バカ日野!!」
―――分かってんのか?
俺の人生初の恋人、戸神 春。
俺は奴のその手首を掴んで
再びキスをした。
次でラスト




