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幼馴染

「オーイ、呼び出し~」


その声の後ろを見て溜息一つ。


教室中がはやし立てる中、

俺はゆっくり椅子から立ち上がった。








「冬至!」


振り向かなくても誰か分かる。


俺、日野冬至ひの としちか

そう呼ぶのは両親と姉達以外ではコイツだけ。


「トシ、また告られたんだって?

今度は何年生?」



チッ、やっぱり来やがった。



クラスが違うっていうのに

毎回俺が告られる度、一体何処から

情報を得てくるんだか必ず

こうしてやって来る。


「お前、何でいっつも来るんだ?

冷やかしか?趣味悪ぃーな、秋」



岩倉いわくら 秋一しゅういち



サッカー部のマネージャーであり

俺の幼馴染だ。


小学校からの付き合いで、

頭の良いコイツは絶対ワンランク上の

高校に行くと思いきや、何故か

同じ志望校だと聞いて少し驚いた。


ま、公立だからか?

てな訳で別に改めて理由も

聞かなかったが。



「だってさ、お前に言ってくるのって

いつも三年生だったろ?

卒業していなくなったのに

度胸ある子いるんだなぁって思ってさ」


……コイツ、完全に面白がってやがる。


「うっせーな、一年だとよ」


「い、い、一年!!なんて命知らずな……」


ボカリと頭を殴る。


「痛っ!もう乱暴者。

そんなのに何でそうモテるんだろ?」


「モテてねーよ。

単なる興味だろ」


「興味だけじゃないって。

しかし年上キラーだと思ってたのに

年下からもか……女の子の母性本能の

範囲の広さと強さって恐れ入るね。」



全然、褒めてねぇよな?

寧ろバカにしてんだろ、お前。


……あー腹立つ。


「男からは怖がられているのに、

女の子からは遠巻きだけど

“可愛い”とか“ストイックさがイイ!”

とかさ……ホントどこ見てるんだろうね?」


まだ言うか。

何が、ね?だ


一番俺のキライな言葉と知ってんだろ、

もう一発、殴りてぇな。



「で、なんて返事……した?」


はぁ。


そんなに聞きたいか?

悪趣味だな、ホント……



「興味ねぇって言った。

もう良いか?

俺、ちょっと職員室寄っていくから

部員にテキトーに柔軟してろって

言っとけ」



「うん。分かった」










「日野、遅かったね。

皆、柔軟終わって今チーム別で

パス練してるトコ」


「了解、マネージャー」



俺達は部活では互いの名前は呼ばない。


“日野”と“マネージャー”だ。



二年になる前くらいから岩倉が

そう言い始めたから、自然俺もそうなった。



「俺はAチームに合流するから

お前、BCにそのままパス練と

十分後にチーム戦をやるって

伝えてこい」


「監督に許可取らなくて良いかな?」



「……お好きなように」



「一応、伝えてくるよ。

あの人、日野には全幅の信頼置いてるし

問題はないと思うけど、例の練習試合も

控えてるからさ」



「勝手にしろって」



じゃと笑った後、踵を返してグランドを

走っていった。




「………………」





俺はつい癖で、いつもその走り方を

見てしまう。


歩いている時はまず気が付かないが

走る時、ほんの少しだけ

引きずってみえるその足を。





と、いうわけで日野先輩が今回の主人公です。


番外編2ということは当然1があるわけですが

1は18禁なので自サイトのみでの公開です。

従って少し??という所があるかと思いますが、

訓練された皆さんなら大丈夫です!

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