ここはどこ?
白い空間・・・・
しかのその空間に色がある。
色は瑠璃色・・・・。
そして人間。
その人間は、身動き一つせずただただ目を閉じている。
白い空間にある、一見周りと同化している扉の奥からは走ってくるような足音が聞こえてくる。
その音に眠っていた彼女、南雲瑠璃はゆっくりと目を覚ます。
「ここどこ……?」
とたんにバッタンと言う音が空間に響く。
その音は白い扉が勢い良く開いた音である。
人間が入ってきた。人数は4人。黒い髪を持つ人間。
彼女は日本人なので黒い髪を持つ人間を見たことは多数あるだろう。
しかし入ってきた黒髪の人間は彼女にとって見なれた人たちだった。
東条白。北条茜。西条琥珀。南条翡翠。彼らは瑠璃の家族であり部下だ。
時期はバラバラだが瑠璃に拾われ、名前と生きる場所をもらった。
苗字が似ていることと、名前が色の名前が特徴だ。
彼らが捨てられた理由は簡単な話、彼らの瞳の色が日本人の色である黒ではないからだ。
彼らの瞳の色は名前の色と同じである。まぁそこからつけられたので当然と言われれば当然だが…。
「主ーーーー」
入ってきてその言葉を言われる。
「なに?」
「大丈夫ですか?」
そう心配してきたのは彼女の部下である白。常に敬語である。受け持っているのは秘書。
「どこも悪くないか?」
同世代の年代の男の子より大人っぽいイメージを持つ琥珀。警備関係の仕事をしている。
「主ー。心配したんだよ?」
かわいらしい容姿を持っている茜。芸能関係の仕事をしている。
「そうだぞ。俺も心配したんだからな!」
琥珀とは逆に少し子供っぽいイメージを持つ翡翠。情報関係の仕事している。
この4人に言われたことで安心したのかかたくなっていた表情がだんだんとほぐれていく。
「で?ここはどこ?」
さっきから気にいていたことを口に出す。
「さぁ?私にもわかりません」
「あの時、俺たちは確かに車の事故にあったはずなんだがな…」
「わたしたちも分からないの…。ごめんね?」
「………。来る途中玄関みたいな扉があったけど…」
最後に発せられた言葉で視線が集中する。
視線の先には翡翠。
「本当か?」
「ほんとほんと」
琥珀の質問に答える翡翠。
「主。どうします?」
白がそう問いかける。
少し考えるように間を開けた後、
「行ってみようか」そう答えた。
先ほどの会話から翡翠を先頭に歩く。
目的地は玄関。
「まだか?」
「そこの角を曲がったらあったはず・・・・あった!」
曲がった先に会ったのは白い扉とは違い少し灰色の入った扉。
「誰が開ける?」
「私があけましょう」
白が扉に手をかけ扉を押していく。
開いた隙間から出てきた光がまぶしい。
光りの強さが段々と強くなっていき範囲の広くなる。
目が光りになれ、白は扉の外にでる。
しかし3歩ほど出たとことで足が止まる。
「白。どうした…?」
呼びかけに答えない。普段の白ではありえないことだ。
不審に思い瑠璃は白に近づくために扉の外に出る。
固まっている白に近づくと目の前を見て固まっていた。
視線を白の向いている方向に向けてみると白い色で埋まっていた。
外は普通いろいろな色があると思う。しかし目の前は白い色で埋まっていた。所々に青や赤などが見えるがほとんどの色が白だ。
よく見てみると人間の姿が見える。そのほかにも様々な形をしたものがいる。
異様なのはそれらが全部こちらの方向に向けて頭を下げていることだった。
人型は土下座をしている。その異様な光景に一瞬固まったが、瑠璃は話を聞くために近づく。
「話がしたいんだけど代表者は?」
それらの一ついや一人が頭をさらに深く下げ
「わし…私です」
そう答えた。
「私たちなんでここにいるんですか?」
するとその代表者…老人はすいませんでした!そう謝ってきた。
「ちょ!なんで謝るんですか?それに敬語じゃなくても結構ですよ」
「ではお言葉に甘えて…。実はな、そなたは強大な力を秘めておった。そしてそなたがいた世界の神がある日突然なくなってしまったんじゃ。世界の神がなくなればその世界はなくなってしまう。しかしそなたがいた。当然世界の神がなくなったのでその神が作り上げた妖精や種族はなくなってしまうがそなたが平穏を望んだことによってそのままの状態になった。ここまでは大丈夫かの?」
コクリとうなずく。
「そなたはまだ幼かったから自分の無意識のうちに世界の神を作った。まぁそれがわしじゃな。そしてたくさんの神が生まれたんじゃ。しかしの…、その神たちがそなたの力の内、神力つまり神の源じゃなそれを吸い取りすぎたんじゃ。神力の中にも運の力も含まれておる。そのおかげでそなたは事故に巻き込まれて亡くなったんじゃ。…、あぁ吸い取ったおかげで力が強くなって、その神は世界の神になったがの」
………は?なくなった?死んだってことか…なるほど……。
「ってちょっとまて…ということはこの4人は巻き込まれたのか?」
「まぁそういうことになるのぉ」
すまんな。そう謝ってくる神…。
「で?あなたは神の中でも最高位の神になるんですか?」
「そうじゃの」
「じゃぁ、私をここに連れてきたのはなぜですか?」
最高位の神…最高神は頭を下げた。