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序章

学校に行って友達と話したり、家に帰ってご飯を食べながら家族と今日の出来事を話したりする。

穏やかで平和な生活……それがパソコンのキーボードで文字を打っている16歳の少女南雲 瑠璃(ナグモ ユリ)の望むことだ。




ただ、穏やかで平和な生活を送れたらいい。巨大な力を持っていたとしても自分を理解してくれればいい。

そんなに難しいことは望まない。ただ自分の見える範囲の人たちには笑っていてほしい。それが望んでいることだ。




瑠璃は本来名前の通り瑠璃色の髪と瞳をしている。けれど黒髪黒目が当たり前な日本にとって瑠璃色の髪や目を持つ人間が出てきたらどうなるだろうか?

少なくとも変な目で見つ人間が出てくるだろう。だからこそ瑠璃は自分の髪の色を隠すためにカラーコンタクトやヘアスプレーなどで色を黒に変えている。




彼女が今打っているものは南雲グループが使う書類だ。南雲グループとは、ホテルや食品関係、医療、警備など様々の企業の会社をまとめたものだ。

南雲グループは今や世界の頂点に立っているグループで何かをするとなると大変なのだ。

ちなみに今の代表つまり南雲グループの中で権力を持っているのは南雲 茂(ナグモ シゲル)。瑠璃のおじいさんにあたる人だ。

瑠璃はおじいさんに自分の才能を認められてたまにこうやって仕事を手伝っているのだ。


コンコンと音が鳴ったので入ってきてもいいと伝えると白いドアのあいてその間から覗いたのは、腰まで伸びている黒い髪を持つ少女。彼女は瑠璃の部下で秘書をしている。

名前は東条 白(トウジョウ ハク)。黒い髪は普通だが、目の色が白いからといって捨てられていたところを瑠璃が拾い、部下になった。

白以外にもこのような状況になって拾われた人間がほかに3人いる。処理が得意な白は秘書。その他に、(アカネ)翡翠(ヒスイ)琥珀(コハク)といった色の名前を持った人間が存在している。

ちなみに茜は女の子で芸能関係を、翡翠は男の子で情報関係を、琥珀は翡翠と同じく男の子で警備関係を担当している。





瑠璃は打っている手を休めることなく白に用件を尋ねる。

「もうそろそろ時間になります。ほかの3人ともそろっておりますので玄関の方にお越しください」

「ん?もうそんな時間?分かったすぐに行く」

打っていた手を止めてデーターを保存する。

そして3人の待つ玄関まで歩いて行った。




玄関で待っている黒髪の人たち。だがその目は白と同じように黒い目ではなく茜色、翡翠色、琥珀色をしている。

「まったくまだかよ。おっせーな白の奴」

「まぁまぁおちつけ。さっき呼びに行っただろ……」

「そうよ!白も忙しいんだから仕方ないじゃない!」

「それはわかっているけどよー」

「ちょっと黙ろうか?廊下まで聞こえてきたんだけど?」

キキ―と扉が音を立てて開く。奥にいたのは上司である瑠璃とその後ろに下がっている白の姿。

上司の姿に喜びを顔に出す3人とも……。

「だってーー。主に早く会いたかったんだもん!」

「そうだそうだ!」その言葉に同意してうなずく男の子たち。

「まったく四天王がこんな調子では……」

白が溜息を吐いて頭を抱えるように右手を顔に当てる。

「まぁ久しぶりに会ったから仕方ないか……」

苦笑いしながらそう言う瑠璃。

「あのね、友達にもらったんだけど……。主にあげる!」

茜が差し出してきたのは日本茶。

差し出されたものに目を輝かせて瑠璃。その姿を見て満足げにうなずく茜。

「ありがとー。うれしいよ」

茜に抱きつき耳元で囁く。するとどうしてか赤くなってしゃがみこむ茜。

「あぁ~。たく。しょうがねーな。主、そうやって男の声を使って女の耳元でささやくのはやめろ。女の子の腰が抜けるだろ。前にも言った通り緊急時以外に男の声を使うのはやめてくれ」

「ごめんごめん。でも茜が可愛くて仕方なくてさ」

そう言ってくる琥珀に反省した様子もなく謝る瑠璃。

「主」

主というのは4人が瑠璃を呼ぶ時に使うあだ名のようなものだ。

言うなって言っても聞かないので瑠璃はあきらめた。

「時間が迫っております。お急ぎください」

「あぁ。分かった」

いくよ3人とも。

すでに伯は玄関の前に止まっている車のドアを開けており、瑠璃は呼びかけた。

といっても茜は腰を抜かしており立てないので琥珀がおんぶしている。




「で、(リン)は?」

鈴とは瑠璃の弟でゲームを作るのにはまっている。そしてお姉ちゃん大好きっ子のシスコンだ。

「鈴様でしたら先に本家にいます」

問いかけに対して丁寧に答える。

次の瞬間、激しい衝撃を襲う。

4人は頭を打ち、気を失った。

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