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僕の居場所はここにある

作者: 木蓮

毎日、目まぐるしい世界の中で、僕たち子どもは生きている。

僕もその一人だ。


「変だと思われたくない」

「笑われたくない」


そう思うたび、まわりの顔色を気にしてしまう。

スマホの通知が鳴り、友だちの投稿や話題のニュースが次々と流れてくる。

全部を追わなきゃ、置いていかれる気がした。


でも、行きたくないときも、やりたくないときも、

「本当はどうしたい?」が分からない自分がいた。


LINEの返信を気にして、笑われないように話題を作る。

少し返事が遅れると、不安になり、ブロックされないか心配になる。


持ち物一つでも指摘される。

「これ持ってないの?」

「なんで知らないの?」


小さな肩に、重い荷物がのしかかる。


いつしか、自分の気持ちより、周りの顔を見てしまう。


困っている顔をしているのに、見て見ぬふりをする大人たち。

親や先生の言葉も信じられなくなり、大人には頼れなくなっていった。


僕は思った。

「誰も本当に分かってくれない」

「大人も助けてくれない」


気づいたら、身体に変化が出ていた。


学校に向かう途中で足が止まる。

お腹が痛くなる。

眠れない日々が続く。

気づけば、ベッドから起き上がれない日もあった。


「僕の居場所はどこにあるんだろう」

迷路にずっといるようで、抜け出せない気がした。


でも、ある日すべてがどうでもよく思える瞬間があった。

他の子どもたちと同じ価値観でいなくてもいい。

人と違ってもいい。


それを受け入れてくれる人たちが、僕の居場所だと気づいた。


嫌いなことを無理にしなくてもいい。

人の顔色を気にしなくてもいい。

好きな話題が一緒の人と話せばいい。


僕は久しぶりにスマホを置いたまま家を出た。

歩きながら、風の匂いに気づき、空の色が少し鮮やかに見えた。


行けなかった学校も徐々に行けるようになった

気の合う友だちと話す時間を少しずつ増やした。

「この話、面白いよね」

笑顔で共有できる瞬間が、こんなに安心するものだとは思わなかった。


家に帰れば、好きな本を開き、音楽を聴きながらゆっくり過ごす。

誰かに強制されるでもなく、自分のペースで時間を使うだけで、胸の奥の重さが少しずつ軽くなっていった。


僕は気づいた。

「居場所は、誰かに与えられるものじゃない」

「自分で選んで、作っていくものなんだ」


そして、少しずつ自分の心の声に耳を傾けられるようになった。

「今日は何がしたい?」

「誰と話したい?」

そんな問いかけに、自分で答えられる日が増えていった。


まだ迷うこともある。

不安になることもある。


でも、もう一人じゃない。

自分を受け入れてくれる人たちと過ごす時間が、僕の力になっている。


全員に愛される必要なんてないんだ。


僕は今日も、小さな一歩を踏み出す。

自分の居場所を信じて、少しずつ前に進むために。

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