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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第三章
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第八十二話 昨日の敵は今日の友



 フィカート様の裁判が行われた次の日。

 最初の出会い方はトラウマものだったが、私の無実を証明してからベネディッタ様はとても友好的に接してくれるようになった。


 今も部屋を訪れて、私の髪の毛を優しく丁寧にブラシで梳いてくれている。

 器用に黒いリボンを編み込んで三つ編みにすると、それをカチューシャのように頭に一周させた。



 「はい……完成。可愛くできた……。」

 「あ、ありがとうございます、ベネディッタ様。」

 「次は……お洋服も選んであげる……。リヴィちゃんの持ってきたお洋服見てもいい……??」

 「え、はい、どうぞ。」



 私は持ってきた服が掛けられているクローゼットを開ける。

 ベネディッタ様はそれをベッドに広げてどれにするか迷っているようだ。


 「そっか……お祭り中は黒い服しか着ちゃいけないから……。リヴィちゃんには赤も似合うと思う……。僕とほぼサイズ一緒だと思うから、お祭りが終わったら着せてあげる……。」

 「えっ!?そんなベネディッタ様の物を頂くなんて恐れ多いです。」

 「しばらく着てないお古だけど……ちゃんと綺麗な状態だから。それに僕も楽しいからいいの……。」

 「ありがとうございます……。」


 ベネディッタ様はそう言って少し楽しそうに笑った、ような気がした。

 相変わらず無表情に近い人形のようなお顔をしているが、声のトーンが若干高い……気がする。

 「それに……着せ替え人形が欲しかった……アリスの足がもげちゃったから……」、という声が聞こえたような気がしたが私は聞いてないフリをした。



 「リヴィちゃん、こっち……。」

 「どちらに行かれるんですか??」

 「このお城……まだ案内してなかったでしょ……してあげる……。」


 ベネディッタ様は服の赤いフリルをふわふわとさせながら、私の手を引いて歩き始める。

 すると、私の部屋に向かっていた最中だったと言うラン様に会った。



 「ラン様!!おはようございます。……マーレは起きましたか??」

 「おはようございます。先ほど様子を見に行きましたがまだ眠ったままでした。」

 「そうですか……。」

 「お寝坊なマーレには困ったものですね。……それで、お二人共どこに行くんです??」

 「ベネディッタ様がお城を案内してくれるんです。」

 「おや、楽しそうですね。私もご一緒しても??」

 「うん……いいよ。」


 ラン様が可愛らしく微笑みかけると、私の空いていた手を繋いでくる。

 私達は3人でお城を周っていた。



 「ベネディッタ様、このお部屋はなんだったんですか??」

 「ここ……??ここはね……。」


 私はとある部屋が気になっていた。

 そこは、ロイップと入った青い炎の暖炉がある部屋だった。


 「いう事を聞かない悪い魂を燃やす場所だよ……。たまにいるんだ……死んでも悪さをしちゃう子、そんな子はこの暖炉の炎で地獄へ連れて行くの……。」

 「そんな怖い部屋にたまたま入っちゃったんだ。」

 「ですが、鍵も掛けないでそのままにしておくなんて……。ベネディッタ、これからはちゃんと鍵を閉めておきなさい。」

 「めんどくさいよぉ……。次の部屋……いこ。」


 次に案内されたのは厨房だった。

 覗くと見たことのある後姿があった――フランジェ国で私を毒殺しようとした暗殺者のジュノだ。


 「本当にジュノは料理人だったんだ。」

 「あ、リヴィリカ!!さん……。お、おひさしぶりです。」

 「そっか……2人は顔見知りだったね……。」


 こちらに気づいたジュノは私を見て少し気まずそうな雰囲気になっていた。


 「そんなに固くならないで。ベネディッタ様も私は無実だとわかってくださったから。」

 「は、はぁ……そうでしたか。」

 「ああ、彼がリヴィとリデル陛下に危害を加えたという暗殺者ですか……。」


 ラン様が天使のような可愛らしい笑顔でジュノに手を差し伸べた。

 ジュノも最初は理解していなかったが、握手を求められていると思いラン様の手を握った……その瞬間ジュノが声を荒げた。



 「いっ!?いたたたたた!!手の骨が折れる!!なんだこの馬鹿力!?」

 「2人をいじめた悪い子にお仕置きですよ。この程度の力でそんなに喚かないでください。」

 「ラ、ラン様!!そのぐらいにしてあげてください!!」


 ラン様は自分よりも一回り大きなジュノの手を握りつぶさんとばかりの力で握っているらしい。

 何かが折れそうな嫌な音が聞こえてきそうだったのでラン様を急いで止めた。


 「おやおや、まだそれほど力を込めていなかったのですが……まぁ、いいでしょう。」

 「こんなか弱い美少年の顔して怪力……??ステラエーンの神官長怖すぎ……。」


 ジュノは自分の手の指が折れていないか、指を一本一本動かして確認している。

 ラン様は不満そうな顔でジュノを見ていた。


 「ジュノ……今日のおやつはチョコレートを使ったのにして……。リヴィちゃんとランちゃんはどんなお菓子が好き……??」

 「私はベリーの菓子が好きです!!」

 「そうですね……バニラの香りのするものが好ましいです。」

 「今日のおやつは……チョコレートとベリーとバニラを使ったものにして……。」

 「はいはい、任せてください。」

 「ジュノの作ったお菓子美味しいんだよ……。」

 「そうなんですか??楽しみです!!」



 すると、ジュノはそそくさと厨房の奥へ行ってしまった。

 ベネディッタ様に手を引かれ私達は厨房を後にすると、再び城内の案内をしてもらう。

 ジュノが作ってくれたベリーとバニラのムースをチョコレートでコーティングしたケーキはとても美味しかった。




さっそく仲良しに。

次回、ベネディッタ様の秘密?が明らかに

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