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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第三章
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第七十一話 突然の訪問者



 ある日、私はお城にある図書室で世界地図を広げていた。

 フランジェ国から南西に行った場所に死者の国ニブルヘイムがあるようだ。

 他にも何か情報が得られないかと、いろんな本を探したが名前は載っているが詳しくは書かれていなかった……。



 「死者の国……どんなところなんだろう??」


 リデルやクロアにも聞いてみたが、2人ともあまり知らないようだ。

 なんでも、3番目の巡礼地はその死者の国の手前にあったらしく、すぐ近くまでは行ったが入り口がわからなくて死者の国には入れなかったそうだ。


 「入り口がわからないってどういうこと??すぐ近くにあるのに入れないってなに??」


 私はますますわからなくなり、酷使した目を休ませるように外の景色に視線を移した。

 すると、誰かが図書室に入ってきたようで少し大きめの木製のドアが軋んだ音を立てながら開いた。


 「ああ、リヴィ。ここにいたんですね。探しましたよ??」

 「おおー、流石聖都の図書室、でかいな。だがこの本の匂いはあんまり好きになれねぇ……。」

 「え!?ラン様とマーレ??聖都に来ていらしたんですか??」


 声のする方を見るとラン様とマーレがドアの近くに立っていた。

 私と目が合うとラン様は天使のような微笑みでこちらに手を振ってくる。



 「そろそろ死者の国へ赴く事になりますから、その前にちゃんとお話ししておこうかと思いまして。つい先ほど聖都に着いたんです。」

 「俺は一足先に聞いたんだが、なかなか興味深いぞ。」

 「そうなの??……とりあえず、客室に行きましょうか。」


 私はテーブルいっぱいに広げていた本を元の本棚に戻してから、客室へと2人を招いた。

 後からリデルやクロアもやってきて、ラン様が話し始める。



 「実を言うと私も死者の国の事はあまり知らないのです。ベネディッタは随分昔にステラエーンを一度訪ねてきたのですがそれ以来は手紙でのやり取りのみになっていましたから。」

 「そういえば、ベネディッタ様ってどんな方なんですか??」

 「ベネディッタは私より前の魔王討伐の勇者一行に選ばれた聖職者です。……つまり、私と同じように女神様の加護によって不老になっています。その代わりに”死者を呼び出す力”を持っているんです。」

 「死者を呼び出す力……。しかも、ラン様より年上の方ってことですか??」

 「ええ、恐らく100歳は超えているでしょうね……。」


 ベネディッタ様もどうやら私達と同じ境遇だったようだ。

 その”死者を呼び出す力”によって、死者をファンタスマゴリアの祭りに招いているらしい。


 「あれは再生と死の女神リュディパ様の一番のお気に入りでして……。リュディパ様は他の女神様とは違い、荒っぽいところがあるのでその教えを鵜呑みにしているのです。だから、ベネディッタが率いる教団は悪事も自分が正しいのなら正当、という考え方なんですよ。」

 「……薄々わかってはいましたがとんでもない組織ですね。」


 同じ聖職者であっても、暗殺する人だ……相当癖がありそうだ。

 そして、死者の国にどうやって向かうのかという話になった。


 「確か、3番目の巡礼地の近くにニブルヘイムがあるんですよね??でも、どうやって入ればいいんですか??」

 「ああ、それについては私宛の手紙に行き方が書いてありましたよ。……滝に飛び込むんです。」

 「……え??滝に??」

 「巡礼地のすぐ近くに大きな滝があったのは俺も憶えているが……。あの滝に飛び込む??死ぬぞ。」

 「招待されていない者は死ぬでしょうね。ですが、招待された人間にはニブルヘイムに転送される魔法が発動されるようです。」

 「そんな魔法があるのか!?相当込んだ魔法式が使われているんだろうな。それはちょっと俺も気になるな。」


 クロアはその滝の事を覚えているらしく、少し顔をこわばらせた。

 招待された人だけを転送させる魔法があると聞いたリデルは顔を輝かせて興味津々のようだ……。


 「というわけですので、必ず招待状と一緒に同封されていたいたアイテムを身に付けてくださいね。」

 「同封されていたもの……。私は十字架のネックレスでした。」

 「それはきっと教皇がずっと着けていたものでしょう。招待した人物に自分が身に付けていた物か、お互いに思い出があるものを同封するようです。私は、銀製の懐中時計でした。マーレは何が入っていたんです??」

 「若い頃に俺があいつに渡した小さな拳銃だ。こんなボロをまだ持っていたとは……。」


 そう言ってマーレは上着のポケットから手の平サイズの小さめの拳銃を取り出して懐かしそうに眺めていた。

 その様子を見てラン様はマーレに少し強めに行った。


 「……マーレ、以前にも言ったようにあの男は悪魔に魂を売っています。余りあの男の事は信じない様にしてくださいね。」

 「わかってるって!!ランフェル様は心配性だな。」


 マーレは拳銃をポケットにしまい、肩をすくめながら言った。

 


 「では、出発は2週間後になりますのでそのつもりで。リデル陛下、しばらくお世話になりますね。」

 「ええ、出発までゆっくりしていってください。すぐに部屋を用意するように伝えておきます。」

 「お気遣い感謝します。リヴィとも一緒に過ごせますし楽しそうです。」

 「リヴィは俺達の仕事の手伝いをしていますからランフェル殿に構える時間はありませんよ。」

 「おや、クロア。冷たいですねぇ。……では、リヴィ。時間がある時は私に街の案内をお願いできますか??聖都は久々なのでいろいろと変わっている所があってびっくりしたんですよ。」

 「もちろんです!!ご案内しますね。マーレも行きたいところあったら言ってね。」

 「じゃあ、美味い酒が出る店でも案内してもらおうかな。」

 「お酒……はわからないからなぁ。マークスさんに聞いてみよう。」


 ラン様とマーレと聖都を歩くのも楽しそうだ。

 私は2人に聖都のオススメの場所を沢山教えようと、いろんな場所を頭に思い浮かべた……。




 

ラン様とマーレが着ました。

早く死者の国いきたい・・・。

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