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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第三章
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第六十五話 それはまるでお伽噺のような 4



 「ええっと、人違いではありませんか??」

 「……。」


 私は思わず否定して、他人の振りをした。

 すると、クロアは私の手を掴んで椅子から立たせると、上から下まで見てからゴツゴツとした両手で私の頬を包み込んだ。


 「いや、リヴィだ。その髪色はどうせそこにいるリデルが魔法で変えたんだろ??それにマークスもいるのか……お前達、なにをやってるんだ??」

 「なんでバレたんだ!?結構、自信あったんだぞ!!」


 私の向かいに座っている人物にクロアは言うと、リデルは眼鏡を取ってため息をついた。

 そして、リデルが指を鳴らすと私達の髪色は自分たちの色へと戻る。


 「ほら、やっぱりリヴィだ。俺がリヴィを見間違えるわけがない。」

 「でも、本当によくわかったね。」

 「ねぇ、ちょっと、その子はもしかして……。」


 クロアが笑いながら私の髪を撫でたり、頬を軽く摘まんだりしてきた。

 それを隣で見ていた女性が、私を見てぷるぷると肩を震わせていた……よく見ると少し目が潤んでいる。



 「リヴィ!?リヴィなのね!!私達の可愛い天使!!会いたかったわ!!」

 「え??ええっ??」


 私は女性の胸に思いっきり引き込まれ、力強く頭を抱きしめられた。

 豊満な胸に包まれ、私は息が苦しくなって女性の背中を叩くと、ようやく離してもらえた。


 「リヴィ、憶えていないか??こいつは孤児院の時に一緒に住んでいたクリスティンだ。」

 「孤児院の??……もしかしてクリスお姉ちゃん??」

 「そうよ!!本当に記憶を失くしていたのね。可哀想に……もう一回抱き締めちゃう。」



 前にもこうして容赦なく抱きしめられた事がある……力強く抱きしめられて苦しくて、でもそれが嬉しくてくすぐったくて笑ってしまったようなそんな記憶がよみがえった。

 私はあの頃より大人の女性になったクリスお姉ちゃんを見上げた。


 「なんだ、知り合いだったのか。俺達にも紹介してくれ。」

 「こいつはクリスティン。同じ孤児院にいたんだ。そして今日たまたま再会したんだ。」

 「え??じゃあ2人で仲良く買い物してたのもたまたまってことですか??」

 「ああ。丁度いいから買い物の荷物持ちをしろと言われて付き合っていた。」

 「2人でホテルに入って行ったのは……??」

 「クリスが調子に乗って買いすぎるから、一度泊まっているいるホテルに荷物を置きに行ったんだ。」

 「なんだ、ただの荷物持ちか。てっきり、クロアに彼女が出来たのかと思ったんだが。」

 「なっ!!こいつが彼女なわけないだろ!!俺の好みな部分が全くない!!」

 「ちょっと、その言い方は流石に失礼じゃない??」


 というわけで、クリスお姉ちゃんはクロアをただの荷物持ちとして連れまわしていたようだ。

 私は安心して胸を撫で下ろした……。



 私達は5人で一緒に食事をしてから、クリスお姉ちゃんが会わせたい人がいる、と言うのでマークスさんにリデルをお城へ連れて行くようにお願いしてからホテルのロビーでその人を待つことになった。

 すると、焦げ茶色の髪の毛をポニーテールにした男性が現れる……この男性も知っている気がする。


 「リヴィ!!私達の天使!!相変わらず可愛いな!!」

 「あれ、デジャブ。」


 クリスお姉ちゃんと同じ年齢ぐらいの男性に、思いっきり抱き締められる……今度は胸板が痛い。

 私は、デレデレに顔を緩めている男性の顔を見つめる。


 「随分遅かったのね。道が混んでいたの??」

 「ちょっとね。途中で山道ががけ崩れを起こしていたんだ……すっかり夜になってしまったよ。」

 「リヴィ、こいつはケイレブだ。」

 「……うん、大体思い出してきたよ。久しぶり、ケイレブお兄ちゃん。」

 「リヴィもクロアも元気そうだな。俺達の妹と弟が立派に勇者の役目を果たせて兄ちゃんは鼻が高いぞー!!……2人とも、本当によく頑張ったな。」


 そう言ってケイレブお兄ちゃんは私とクロアの頭を優しく撫でてくれた。

 何年も会っていなかったので話が弾み、私達もホテルに部屋を取って昔話に花を咲かせていた。



 「それじゃあ、2人は結婚したんだね!!おめでとう!!」

 「ありがとう。でも、結婚式はまだ挙げていないの。どうしても、リヴィとクロアも式に招待したかったから。」

 「2人が無事に帰って来たと知ってから少しずつ準備を進めているんだ。だから、私達の結婚式に是非来て欲しい。」

 「もちろん行くよ!!楽しみにしてるね!!」


 2人が幸せそうに肩を寄せ合って言ったので、私は即答で返事をした。

 私達が旅を終わらせるまで待ってくれてたと聞いて、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちになった。


 「それで、2人はいつ結婚するんだ??」

 「……え??」

 「……は??」


 ケイレブお兄ちゃんに言われて私は思わず固まった。

 ガシャン、という音がして隣のクロアを見ると手に持っていたグラスを床に落としていた。

 そして、私と目が合うとクロアは少しだけ顔が赤くなっている。


 「え??まさか……お前達、」

 「リヴィ、そろそろ寝る時間よ??寝かしつけてあげるわ。さぁ、ベッドに移動しましょうね。」

 「えっ!?まだ眠くないから私も起きてる!!」

 「ベッドに入ればすぐ眠くなるわよ。リヴィは小さい時からそうなんだから。」


 どうしてそんな事を聞くのかケイレブお兄ちゃんに聞こうとしたのだが、クリスお姉ちゃんに手を引かれて私は寝室へと連れて行かれた。

 次の朝、他の3人があの後何を話したのか聞いたけど教えてもらえなかった……。



爆弾を投下されたクロアです。

孤児院の2人とは10歳ほど年が離れているので、リヴィとクロアは猫可愛がりされてました。

特にリヴィは天使天使言われていたみたいです。

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