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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第二章
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第五十九話 他人に定められた運命



 フランジェ王国のはずれにある森の中に神殿のある洞窟がある。

 兵士の人に案内してもらいついたそこは大きな洞窟の口が見えたが入り口は言われていたように雪崩によって完全にふさがれていた。

 リデルに炎の魔法で入り口をふさいでいた雪は全て無くなり中に入る事が出来そうだ。



 「壁に何か埋め込まれてるね。何だろ??」

 「たしか、”月の石”と呼ばれる宝石だ。」


 ”これは月の石って言われているの。それからここに祀られているのは月を司る女神様。私達フランジェの民は月の女神の末裔だって言われてるんだよ”


 「……そういえばレチェリアが自分たちは月の女神様の末裔だって言ってたね。」

 「ああ、だからこの先にある月の女神の神殿を代々守っているようだな。」


 明かりを持っていないのに、壁に埋め込まれた月の石が輝いていることで洞窟の中はとても明るい。

 そして、大きく開けた場所へと出るとそこには女神像が現れた。


 女神像の後ろの壁にはとても大きな月の石が埋め込まれていて今でも神々しく輝いていた。

 私は依然と同じように女神像の前で膝まづき祈るように手を組んだ。

 そして目の前が真っ暗になり、記憶が鮮明に甦る……。






 『初めまして、私は月の女神ルーナシェル。新たな聖女に私の祝福を与えます。』

 『ありがとうございます。月の女神ルーナシェル様。』


 ルーナシェル様はそういって私とレチェリアを交互に見る。

 そしてなんだか懐かしそうに目を細めて嬉しそうに笑った。


 『どうされたのですか??』

 『まさか、”夜空の星屑”に会えるだなんて思っていなかったので……。』

 『”夜空の星屑”??』

 『ふふふ、こちらの話です。どうか、そこにいる私の月の一族と仲良くしてくださいね。』

 『え??』

 『……消えちまったな。何の事だったんだ??』


 ルーナシェル様は嬉しそうに笑うと、そのまま姿を消してしまった……。

 私の事を”夜空の星屑”、と言ったが何のことだかさっぱりわからなかった。


 『……そろそろこの洞窟から出たほうが良さそうだ。雪が大量に洞窟の中まで入ってきている。』

 『入り口が塞がれたらたまったもんじゃないな。よし、早く出ようぜ。』


 クロアとリアムは先に歩き出してしまった……私とレチェリアも2人と少し距離をあけて歩き始めた。

 そして、私はずっと言いたかった事をレチェリアに話した。

 その話の内容は……なぜか声が聞こえなくなってしまい何を話しているのかわからなかった。



 『……だから、レチェリアは気にしないで欲しいの。』

 『そういうことだったんだね。……ねぇ、リヴィリカは納得できたの??』

 『最初は戸惑ったよ。いきなり孤児院から連れて行かれたから。』

 『……なんで自分が、って思わなかった??』


 そう、私はそこに居合わせただけだった……それなのにいつの間にかこうして魔王退治の旅に出ている。

 私ではなく、”彼女”が本当はここにいるはずだったのに。


 『私がたまたまそういう運命だったんだよ。』




 「私は”彼女”の代わり??」

 「何か思い出せたか??」

 「うん……私は本当に選ばれた聖女だったのかな??」

 「だが、リヴィリカは魔王を倒した勇者一行の1人だぞ??君だから、君達だから魔王を倒せたんだ。違うかい??」

 「そうなのかな……。」


 私は、本当に選ばれた聖女なのだろうか??

 この不確かな記憶も、死者の国で教皇様に会えば全てがわかるのかな……。





 そして次の日、フランジェ王国を出発して聖都へと帰る。

 私はルフェリアの部屋に行ってお別れの挨拶をしに行った。


 「ルフェリア、短い間だったけど楽しかったよ。」

 「私の方こそ。同年代の子と話せて楽しかったわ。」

 「レチェリアの事、まかせてね。必ず、見つけてくるから!!」

 「ええ、お願いね。……アンタも他人の事もいいけど自分の事も大事にしなさい。」

 「うん、ありがとう!!」


 出発するというので私はお城の入り口へと向かう。

 すでにリデルやクロア、大勢の護衛の兵士さんが集まっていた。


 「では、フランジェ王。これで失礼します。」

 「ああ、これからもよろしく頼む。何か困ったことがあったら遠慮なく相談してくれ。」

 「ありがとうございます。これからはお互い協力しあっていきましょう。」

 「リヴィリカちゃんもクロア君もまた遊びに来てね。待ってるわ。」

 「はい。ありがとうございます。またルフェリアにも会いたいので遊びに来ますね。」

 「あの子も喜ぶわ。……年の近い友達がいないからリヴィリカちゃん達と話せて嬉しかったみたいだから。」

 「……そう思ってくれてたら私も嬉しいです。」


 フランジェ国王と王妃に見送られ私達はフランジェ国を後にした。

 今日のフランジェは珍しく厚い雲から覗かせた日の光が暖かく、フランジェの雪をゆっくりと溶かしていっていた。



あけましておめでとうございます。

いつの間にか年が明けてました・・・。


やっと2章が終わります。

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