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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第二章
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第五十三話 第二の罠



 私とリデルは最短ルートで部屋へ戻ろうとしていたのだが……。

 とある廊下の前で私達は立ち止まっていた……なぜならその廊下には左右に均一に10体ほど並べられた鎧が大きな斧や剣を高く掲げた状態で飾られていたからだ。


 「なぁ、リヴィリカはどう思う??俺の考えすぎかな……なんか鎧の前を通ったら斧が落ちてくるとか。」

 「か、考えすぎだよ。前にも通ったことあるけど何も起こらなかったよ??」

 「俺は鎧が動くに賭けるぞ。リヴィリカは鎧は動かない、でいいな??」

 「賭けないでよ……。でも私は動かないと思う!!」

 「いいんだな??じゃあ、行くぞ。」


 そして、私達は一歩を踏み出した……すると、足元で糸のようなものが切れる感触がした。

 私はリデルの腕を強く引いて後ろへ下がると、態勢を崩して2人して尻もちをついた。

 目の前には鎧が掲げていた斧が振り下ろされ、床を深くえぐっていた……。


 「リヴィリカ、俺の勝ちだな。」

 「噓でしょ!?リデル、他の道から行こう……あれ??」

 「どうした??あれ、この扉閉まってたか??」

 「しかも鍵を掛かけられたみたい。」

 「このまま進むしかないようだな。あはは、なんか楽しくなってきたな。」

 「全然楽しくないっ!!」


 来た道を戻ろうとしたが、いつのまにか扉は閉ざされ押しても引いてもうんともすんとも言わなくなってしまった。

 どうやら、このまま先に進むしかないようだ……鎧がまだ沢山並んでいる廊下を。


 「どうしよう、一気に走り抜ける??」

 「危険すぎるな。ここは俺に任せろ。」


 リデルは私に後ろに下がるようにいうと、呪文を唱え始めた……すると、冷たい風がどこからともなく吹くとともに氷の結晶が舞い上がる……するとあっという間に鎧は氷に包まれる。

 リデルが、霜の付いた床の糸を踏んでも、鎧自体が凍って固定されているので斧や剣が落ちてくることはなかった。


 「すごいよ、リデル!!いつの間に氷の魔法を習得したの??」

 「えっへん。フランジェの魔導書を読んで取得したのさ!!といっても、発動させたのはこれが初めてだけどね!!」


 私はリデルに拍手をすると、胸を張って自慢げに笑った。

 そして、再び私の手を取って安全になった廊下を歩き始めた。


 「こっち側の扉にはなにか書いてあるな??」

 「”鎧拭き上げ作業中。関係者以外立ち入り禁止”……??私達が入った時にはこんな張り紙なかったよね??」

 「俺達の為に準備されてたってことか。」


 なんとか自室に戻ってくることが出来た……私とリデルは一歩部屋に入りドアを閉めると、その場で座り込んだ。


 「つ、疲れた……何というか気持ちが疲れたな……。」

 「うん……いろんなところに罠があるんじゃないかって深読みしすぎちゃったよ……。」


 しばらく立ち上がれずそのままでいると、後ろのドアが開いた。

 そこにはクロアが不思議そうに私達を見下ろしていた。


 「どうしたんだ??そんなところで座り込んで……。」

 「クロア!!もう!!大変だったんだからね!!」


 クロアは首をかしげると、私の両脇に手を入れて持ち上げると椅子に座らせてくれた。


 「ずるいぞ、リヴィリカ!!クロア、俺も椅子まで運んでくれ!!」

 「気持ち悪い事を言うな。さっさと座れ。」


 しぶしぶ立ち上がったリデルが椅子に座るとクロアに先ほどの出来事を話した。

 


 「俺と別れた後にそんなことがあったのか……こちらは何も収穫はなかった。俺もお前達と一緒に行動したほうがよかったな。すまない、リヴィリカ。お前を危険な目に合わせてしまった。」

 「リデルが一緒だったから平気だったよ。それにしても、なんだかやけくそになってきてるような??」

 「相手も焦っているんだろう。どんな手段でもいいからリヴィリカを殺害しようとしているんだろうね。」

 「ああ。明日になれば同盟国の者達も大勢来るし犯人探しが困難になる。……出来れば今日中にかたをつけようと思ったんだが」

 「それは向こう側も同じ気持ちだろう。ならば、こちらから誘き寄せようか。」



 そう言ってリデルが考えた作戦に私達は耳を傾けるのであった。

 


鎧が動くのはあるあるですよね??

最初の毒で確実に成功するはずだったのに、まさかの毒殺失敗で焦りまくりの犯人。

ちなみに鎧を氷漬けにした件はあとで王様にリデルと二人で謝りに行きました。

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