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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第二章
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第四十一話 妖精が作ったドレス



 何かに髪の毛を軽く引っ張られるような感覚がして目を覚ます。

 どうやら昨夜ラン様の手紙を届けてくれた白い鷹が枕元で私の髪の毛を甘噛みして軽く引っ張っていたようだ。


 「うぅ……わかりました。起きます……」


 気にせず二度寝をしようとしたら、強めに髪の毛を引っ張られたので仕方なく体を起こす。

 私が起きたのを確認して部屋の中を飛び回ると、窓をつつき始めた。


 「もうお手紙届けに行ってくれるの??君は働き者だねぇ」


 机の上に置きっぱなしにしていたラン様への手紙を鷹の背中のバッグにしまい、きちんと留め具で閉める。

 窓を開けると、朝日の微かな暖かさを感じたが空気はとても寒く思わず身が縮こまった。


 「それじゃあ、ラン様によろしくね」


 すると鷹はまかせろ、と言わんばかりに鳴いて大空へ羽ばたいていく。

 しばらく鷹が飛んで行った方向を見ていたが、風が寒すぎてゆっくり窓を閉めて身支度を始めた。

 



 それからお城の執務室と、騎士団での仕事の合間を縫ってカミールさんから礼儀作法を学んだり、ソラさん達に食事のマナーを見てもらったりして4日ほどでなんとか様になって来た。

 リデルが「ダンスの練習をするぞ!!」と、仕事中に言いだしてそこまで広くない執務室でダンスの練習をしてカミールさんに怒られたり、帰宅してクロアにもダンスの練習に付き合ってもらった。



 「お二人とも大分よくなってきましたね。これならある程度は大丈夫でしょう」

 「そうだな。リヴィリカが食事の時にニンジンを俺の目の前に転がしてきた時はどうなるかと思ったが。」

 「あれはたまたまだから、早く忘れて!!」


 まだテーブルマナーを教わったばかりの時、練習の一環でリデルとディナーを一緒に食べた際、慣れないナイフとフォークに少し苦戦していたら勢い余ってお皿からニンジンが弾かれそれがリデルの目の前で止まってしまった事があった……数秒間沈黙が続いた後にリデルは大爆笑しだした。

 その時は私も落ち込んだ……けど大爆笑しているリデルの方がマナーが悪いと思う。


 「リヴィリカ様、もしも困ったことが起こったらとりあえず上品に笑ってごまかしてください」

 「……カミールさん、もう変な失敗はしないと思うので安心してください」


 最小限のマナーを身に付けただけなのでカミールさんは少し不安そうだ。

 だけど、もうニンジンは転がさないから安心して。




 数日後、フェアリーエデンのノエルちゃんたちから特注していた商品の完成品が出来たという事でお城に持ってきてくれるようだ。

 お城の自室で待つようにと言われて待っていると、沢山のトランクを使用人たちに持たせたノエルちゃんとヴィオラさんが入室してきた。



 「ごきげんよう、リヴィリカ様!!私達の作ったアクセサリーとドレスが出来上がったので実際に身に付けて見て感想を聞かせてください」

 「気に入らない箇所があったらお申し付けください。すぐお直ししますわ」


 ノエルちゃんが手を叩くと、私の周りをメイドさん達が囲み込む。

 そしてあっという間に着ていた服から水色のドレスを着せられると、次は髪の毛を編み込んでハーフアップにする。

 長めの白い手袋をはめて、最後にお花をモチーフにした髪飾り、ネックレス、ピアス、指輪、ブレスレットを身に付けてようやく終わったようだ。



 「素敵ですよ、リヴィリカ様!!」

 「本当によくお似合いですわ。……もう少し胸元にレースを付けたほうがいいかしら??」

 「わぁ……すごい、素敵なドレスだね」


 全身が映る鏡の前でもう一度自分の姿を見る。

 オフショルダーで胸元の露出は控えめ、シャープなウェストのシルエットに何重にも重なった裾がふんわりと広がっている。

 全体的に細かなお花のレースの刺繍が施されていて、動くたびに刺繡と一緒に縫い付けられた小さなダイヤモンドがキラキラと輝く。

 白と青のお花モチーフのアクセサリーの細工も繊細で、透明感のあるユリの花の髪飾りや花冠をイメージしたようなネックレスなど美しすぎて思わず見惚れてしまった。



 「とっても素敵なのだけれど……もう少し何かが欲しいような」

 「マスターもそう思います??リヴィリカ様をもっと可憐に、それでもってフェアリーエデンらしさを足したいような……」

 「そうよね!!リヴィリカ様の社交界デビューですもの。ドレスの装飾を豪華にしてみる??」

 「このままでも十分素敵なドレスだよ??」


 これ以上は逆に目立ってしまいそうなので、あまり豪華にしてほしくないのが私の本音なのだけど……。

 2人はまたデザインについて話し始めてしまい、私の声は全く届かなくなってしまった。



 「では、もう少しドレスをアレンジしいておきますわ!!」

 「どんなドレスなのかはパーティー当日のお楽しみということで!!」

 

 そう言って脱いだドレスとアクセサリーを再びトランクにしまい、2人は嵐のように去って行った。

 ポツンと、自室に残された私はドレスがどのようになるのか少し不安になったのだった……。



ドレスのお話です。どんなアレンジがされるのか・・・それがわかるのはもう少し先になりそうです。

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