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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第二章
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第四十話 秘密の寄り道



 その後もノエルちゃんにアクセサリーのデザインについて話したり、ヴィオラさんに採寸をしてもらったりした。

 3人で美味しいと有名なレストランでご飯を食べたり、少しだけ雑貨を見て回ったりと楽しく過ごすことができた。


 「そういえばノエルちゃんのお店にはレターセットって売ってる??」

 「もちろん、ありますよ!!誰かにお手紙を書くんですか??」

 「うん、ステラエーンの神官長のラン様に。お手紙を出す約束をしたの」

 「ええ~、いいなぁ。私もリヴィリカ様にお手紙書きたい」

 「今はその必要ないじゃない。リヴィリカ様とすぐに会えちゃうぐらい近くにいるんだから」

 「じゃあ、ノエルちゃんが遠くに行った時はお手紙送ってね」


 ようやく聖都に帰還して落ち着いてきたし、そろそろラン様にお手紙を書かなきゃ。

 この前の新しい聖魔法についてもお伝えしたいし。

 お店に戻って店内の文房具売り場にあるレターセットを選ぶ。

 紙に淡い色の花がデザインされている便箋が可愛かったのでそれを購入した。


 「リヴィリカ様ー。お迎えに来ましたよー」

 「え??マークスさん??確か今日はお休みなんじゃあ……」


 クロアが後で迎えをよこすとはいってたけどまさかのマークスさんだった。

 いつもの騎士団での服装ではなく、完全にオフの軽装だ。


 「いやー。家でゴロゴロしてたら隊長がやってきたんですよ……それで夕方にリヴィリカ様を迎えに行けって言われたんです。どうせ暇だろうって」

 「……折角のお休みなのにすみません」


 流石のマークスさんも目が笑ってなかった。

 申し訳なさ過ぎて頭を下げて謝ると、すぐにいつも通りの人懐っこい笑顔になる。


 「まぁ、夕飯の買い出しもあったのでお気にせず!!」

 「はい。……じゃあノエルちゃん、ヴィオラさん、今日はありがとうございました。ドレスの件もリデルに伝えておきます」

 「お願いします。デザインの最終確認とかしたいのでその時になったらまたご連絡しますね」



 2人に手を振って別れると、マークスさんとお城へと向かう。

 夕方なので、いろんなところから夕ご飯の匂いがただよってくる。


 「リヴィリカ様。ありがとうございます」

 「??こちらこそ迎えに来てくれてありがとうございます」

 「ああ、違うんです。……貴女が目覚めてくれて本当によかったなって思いまして」

 「??」


 マークスさんがお礼を言って私はそれがなんのお礼なのかがわからなかった。

 こちらを見るマークスさんはとても嬉しそうだ。


 「リヴィリカ様が目覚めてから、隊長は毎日楽しそうにしてるので」

 「そうかな??」

 「ええ、あの人ちゃんと笑えたんだなーって最近思いました」


 確かにクロアは無愛想すぎるところがあるし、警戒心が強かったりする。

 だけど、実力は確かだし隊員からは慕われていて人望は厚いようだ。

 


 「だから俺は以前の隊長より、今の隊長のほうが数倍好感が持てます。……だから、隊長が大切にしている貴女を俺達第一部隊のみんなは全力でお守りします」

 「それは大袈裟過ぎません??」

 「いいえ!!そんなことありませんよ!!……あ、リヴィリカ様。あそこのホットチョコレート美味いんですよ。寄って行きませんか??」

 「いいの??甘いもの大好きなんです」

 

 とある店を指差してマークスさんが店内に入ろうとする。

 私も甘いチョコレートの香りにつられてマークスさんとお店に入った。


 「これ、隊長には内緒でお願いしますね??……俺とリヴィリカ様だけの秘密です」

 「わかりました。絶対内緒にします」


 私達は頷き合い、温かいホットチョコレートを飲みながらおしゃべりを楽しむ。

 実はマークスさんも甘い物が好きだということがわかって、今度おすすめのお店を紹介してもらう事になったのでとても楽しみだ。



 

 リデルにドレスの件を報告してから、以前お城で使わせてもらった部屋で過ごさせてもらっている。

 ソラさんやアンナにお風呂の準備をしてもらったり、着替えを手伝ってもらったり……至れり尽くせりだった。


 「さて、ラン様にお手紙書こう」

 

 机に向かってガラスペンを走らせていると、窓からなにかコツコツと言う音がしてカーテンを開けて確かめる。

 そこには真っ白な鷹が窓ガラスを嘴で叩いていた。


 「あなたどこからきたの??」


 鷹は羽ばたいて私の頭上を何回か回ると、椅子の背もたれの所に止まった。

 自分の背中を見るような仕草をしているので、見ると鷹の背中には小さなバッグがあった。

 それを開けて中を見ると一通の手紙が入っていた。

 

 「差出人は……ラン様からだ!!」


 封筒を開けて手紙を広げて読む。


 

 そこには無事に聖都に到着できたか、ラン様にも教皇様を暗殺した教団の事が伝わっているらしく念のため気を付けるように、という事が書かれていた。

 

 『ステラエーンでは本格的に雪が降り始めましたよ。

 うっすらと積もる雪も素敵ですが、街全体に雪化粧がされたステラエーンも見ものですよ。

 リヴィに是非見ていただきたいものです。

 魔術師の方に雪の結晶を閉じ込めた栞を作っていただいたのでリヴィに差し上げます。

 読書のお供に使ってあげてください。

 間もなく聖都にも冬の訪れがやってくるでしょうから、風邪を引かない様に温かくするんですよ』



 ラン様の香水の香りがほのかに手紙からしてくる。

 封筒に紙の素材ではない物がはいっていたのでそれを取り出すと、透明な薄いガラスケースに大小様々な雪の結晶が入っている栞があった。

 栞を振ると、中の結晶が動いてとても綺麗だ。


 「あなたも寒い中飛んできてくれてありがとう。今日はゆっくり休んでね」


 鷹の綺麗な羽毛を撫でて、私は再び机へと向かう。

 そして書き終えると少し肌寒くなってきたのを感じながらベッドに潜り込んだ……。

 ラン様の言う通り、こちらにも冬がやってくるだろう。


 

リヴィリカとクロアを見守る隊員の皆さん。

マークスさんにお迎えをお願いしたのは、クロアがマークスさんを一番信頼しているから…かな。

明日から実家に帰るので2日間ぐらい投稿なしになります。

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