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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第二章
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第三十二話 花の迷路の向こう



 私がリデルの仕事の雑用係と監視役に任命されてどんな事をすればいいのかを確認する。

 やることは主にカミールさん達がサインした書類をリデルに渡して最終確認してもらうというのと、地域ごとに書類があるのでその書類の中に違う地域の書類が混ざっていないかのチェック。

 それから休憩時間にはリデルの息抜きに付き合う事、これは少し前までやっていたことなので問題なさそうだ。



 「ねぇ、リデル。クロアに今日は外出するなって言われてるからそろそろ帰らないと」

 「ん??ああ、そうだったね。カミール、クロアをここに呼んでこい」

 「かしこまりました」


 リデルはカミールさんにそう言うと、カミールさんはクロアを呼びに行ってしまった。

 てっきり私を解放してくれるのかと思ったらまさかの展開に少し焦る。



 「クロアを呼ぶの??……私、怒られそう。」

 「大丈夫、全て俺から話そう。」


 そしてしばらくすると、クロアがやって来た……うん、一目でわかるすごい怒ってる。

 私は思わず目線を逸らした。


 「……それで??どうしてリヴィがここにいるんだ。今日は家にいろと言っておいたはずだが」

 「ごめんなさい。いいお天気だったから少しお散歩しようかと……」

 「クロア、俺がリヴィリカに教皇の家に行こうと誘ったんだ。だから文句なら俺に言え」

 「お前がリヴィを唆したのか。いい加減にしろ」


 そう言ってクロアはリデルの隣にいた私の腕を引いて自分の方に寄せてきた。

 だが、それと同時にリデルが私の反対の腕をつかんだ。


 「あと、クロア。今日からリヴィは俺の補佐になったんだ。いいね??」

 「いいわけないだろ、リヴィは第一部隊の看護係になるんだ」

 「もうすでに看護係はいるだろう??」


 2人は私の腕を掴みながら言い争いしはじめた……。

 どちらも引く気がないとわかったのか、カミールさんがため息をついてから口を開いた。


 「では、リヴィリカ様には執務室と騎士団を交互に行ってもらう事にしましょう。いいですかお二人とも??」

 「はぁ、仕方がないか。クロアもそれでいいね??」

 「……いいだろう」


 カミールさんの提案に2人とも少し不満そうだが納得したらしい。

 


 「じゃあ、今日はこのまま執務室にいてもらうぞ。」

 「うん、わかった。私は何をすればいいの??」

 「とりあえず今日はこの部屋にいてくれるだけでいい。」

 「……え、それだけでいいの??」


 それは私がいる意味があるのだろうか??と思ったがリデルはそれでいいらしい。

 私は一度家に戻って本を取りに行ってくる事を伝えて、執務室を出た。

 丁度お昼休憩のクロアと一緒に家に戻り、2人で昼食を取ってからさっき読んでいた聖魔法の本を一冊だけ持って再びリデルのいる執務室に戻った。

 クロアは「また、あとで迎えに来る。」と言って騎士団の方へと歩いていった。



 リデルにいるだけでいい、と言われたので邪魔にならないように部屋の端っこの方で椅子に座り聖魔法の本を読み進めていた。

 静かな執務室に、リデルとカミールさんが書類に何かを書いている音、そして私が本のページをめくる音だけがしている。

 途中、20分ほど休憩としてお茶を入れて一休みしたが、その後もリデルは真面目に仕事をしていた。

 そして、夕日が赤く空を染め始めた頃、リデルは手に持っていたペンを机の上に放り出した。


 

 「ふぁぁ~、終わった~」

 「終わったの??お疲れ様」

 「陛下……本当に終わったのですか??こんなに早く終わる事なんて今まで数回しかなかったのに……。」

 「ふっふっふ、本当に終わったぞ!!俺だってやれば出来るんだからな!!」


 カミールさんが半信半疑で、リデルの机に載っている書類を数枚めくるとちゃんと出来ているようだ。

 カミールさんはその書類を持つとリデルに向かい合った。


 「では、これらを提出してまいりますので。私はそのまま帰ります。お二人ともお疲れ様でした」

 「ああ、頼んだぞ。また明日」

 「お疲れ様でした、カミールさん」


 カミールさんが部屋から出ていくと、リデルと二人きりになった。

 リデルは長時間同じ体勢で作業をしていたからか、肩を回したりしている。


 「お疲れ様、リデル。……どうしていつもこの調子で出来ないのかしら」

 「今回はリヴィがいてくれたからね。俺だってやればちゃんと出来るんだぞ」

 「私抜きでそうあって欲しいんだけど。お茶でも入れようか??」

 「いや、リヴィリカに案内したい場所があるんだ。だから、少し付き合ってくれないか??」

 「??わかった」


 リデルに手を引かれて執務室を出ると、城の中庭に出た。

 前回クロアと鬼ごっこをした時よりもいろんな種類の花が咲いていた。

 手を引かれるまま進んでいくと、そこには花の迷路の入り口があった。

 リデルは行き慣れているのか、迷わず迷路を進んでいく。


 「リヴィリカ、これから行く場所は俺を含めても数人しか知らない秘密の場所なんだ。君には特別に教えてあげる。」

 「秘密の場所??迷路の中にあるの??」

 「そうだよ。……ここだ。」


 リデルはそう言って、立ち止まった。

 だけど、そこは今まで通って来た壁と全く一緒で何も見当たらない……ここが秘密の場所??

 私が首をかしげていると、リデルはポケットから鍵を取り出し植物の壁を探るとそこには鍵穴があった。


 「開いたよ。さぁ、中へどうぞ」

 「植物で扉を隠してあったんだね。……わぁ、すごい!!」


 リデルの後に続いて、小さな扉を少し屈んで進むと目の前には小さいが花園と噴水、ベンチやブランコがあった。

 色鮮やかな花々と、その周りを舞う蝶達……まるで絵本の中に迷い込んだかのような景色が広がっていた……。


リデルのターンが続きます。

クロアと鬼ごっこしたの懐かしいな・・・

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