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星屑の聖女  作者: 夜桜 メル
第一章
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第十七話 癒せない傷



 「リヴィ!!大丈夫ですか!?怪我を見せてください!!」

 「大丈夫です、これぐらいかすり傷ですよ」


 血は結構流れているが、それほど深い傷ではないので、私が傷を押さえている手をどかそうとするラン様の手を避ける。

 するとラン様は天使のように微笑むと、私の手をそっとどけた。


 「私を庇ったばっかりに……今回復魔法を」

 「ありがとうございます」

 「……??回復魔法が効かない」

 「え??」


 ラン様が私の傷に手を当てて回復魔法を施してくれた……だが確かに回復魔法は発動したのに私の傷は塞がらず、今も血が流れ続けている。



 「どうして……とりあえず止血を!!」

 「お二人は俺が守りますのでゆっくり処置してください。……隊長!!」

 「ああ!!終わらせるぞ!!」


 マークスさんが呪文を唱えると赤い炎が船長の周りを囲む。

 その炎に気を取られたのか少し隙ができ、右肩から斜めにクロアが剣を振り下ろした。

 すると船長はうめき声を上げその体は砂となって崩れていく。

 持ち主のいなくなったボロボロの服の胸ポケットから鏡の欠片が滑り落ちた。

 

 

 「リヴィ!!大丈夫か!?」

 「うん、かすり傷だよ。……それよりも鏡の欠片を」

 「私がやります。クロア、リヴィを頼みます」


 ラン様が止血してくれたお陰で大分血も止まったようだ。

 ちょっと貧血でフラフラすると、すかさずクロアが支えてくれた。



 「スフカ様。こちらの欠片でお間違いないでしょうか??」

 「”うむ、確かに。助かったぞ人の子。感謝する”」

 「では私達をここから解放してくれますね??」

 「”もちろんだ。……とろこでお主は神に仕える者だろう??我をどこかの教会にまた置いてほしいのだが。……いい場所はあるか??”」

 「でしたら、このランフェルが納める神殿においでください。スフカ様を大切に祀らせていただきます」

 「”いいだろう。これから世話になるぞ”」


 そういうと人型から丸い鏡に姿を変え、ラン様の目の前に浮き上がる。

 ラン様をそれを大切に抱きしめると、こちらに振り向く。


 「これで一件落着ですかね??」

 「ふぅ……やっとか。リヴィ立てるか??」

 「ありがとう……ちょっと貧血気味でふらふらするけど。」


 すると船が大きく揺れ始めた。

 そこら中から軋むような嫌な音が反響する。


 「あー、よくありますよね。ボスを倒すと船が沈むってやつ」

 「……マークス先に行って退路を確保してくれ」

 「りょーかいっ!!」


 マークスさんがドアを飛び出し、先に駆け出す。

 クロアは私とラン様を両脇に抱えるとマークスさんのあとをすごい勢いで追いかける。

 天井から板が落ちてきたり、足元が崩れたりするがクロアはそれを把握して避けながら走る速さをもっと上げていく。


 「出口が見えてきたよクロア!!」

 「ああ!!」


 暗かった室内から一気に光が溢れる場所へとでると、ほとんど船は沈みかけていた。

 クロアは船のギリギリまで走り、思いっきり飛躍して陸地に着地すると同時に船はあっという間に水中へと沈んでいった。



 「沈んで何もなくなっちゃった……。」

 「間一髪でしたね。クロアお疲れ様です。」

 「やっと出られたか。ランフェル殿しばしの間リヴィの事をお願いします。……みな無事か!?マークス、隊員の人数は足りているか」

 


 そう言って隊員の点呼をしにいった。

 周りを見渡すと、少し離れたところにエリオットさんもいた。

 こちらに気づくと、エリオットさんは笑って手を振ってくれる……無事で本当によかった。

 はぐれてしまっていた他の人達も全員無事のようだ。


 霧はすっかり晴れて、雲の切れ間から日が差し込み光の柱が何本も海の上に現れた神秘的な風景を最後に私の意識は無くなった。





 ふわふわとしていて、暖かくて、たまに優しく頭を撫でられたような気がした。

 なんだかすごく幸せだけど、そろそろ起きないと。


 うっすらと瞼を開けると、外から降り注ぐ光が眩しくて思わず布団の中に潜り込んだ。

 すると布団の外からクスクスと上品な笑い声が聞こえた。

 そっと布団から目を出すとそこには、太陽の光を神々しく纏ったラン様がベッドの端に座って私の顔を覗き込んでいた。



 「おはようございます、ねぼすけさん。可愛らしい寝顔でしたよ」

 「ラン様……??おはようございます」


 寝たままでは失礼だと思って起き上がろうとすると左腕に痛みが走った。

 ラン様は手が貸してくれてなんとか上半身を起こすことが出来た。


 「大丈夫ですか??……すみません。リヴィに回復魔法を何度も施したのですが治せなかったのです」

 「そ、それってもしかしてラン様の持つ光魔法の力が弱まっているのですか??」

 「いいえ、他の方の怪我は治せたので私の魔力は問題なさそうです」

 「よかった……」



 私はてっきりラン様の魔力が弱くなってしまったのかと思ったので、安心して胸をなでおろした。

 すると、ラン様は私の怪我をしていないほうの右手を握り目を真っすぐに見て言った。



 「リヴィ、貴女の事について確かめたいことがあります。もちろん貴女の体調が優先ですので急ぎはしませんが」

 「??はい、構いませんよ」


 

 私はラン様の瞳に目を離せなくなった。

 なぜなら美しい青色の瞳が少し悲しそうに揺れていたからだ……。




 

無事に海賊船から脱出できました。

戦闘シーンは書いてて楽しかったです。

リヴィリカの傷を治せない・・・またしても謎が増えました。

その謎が次の話で少しわかるかも?ではでは

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