アンドロイドがゴスロリに着替えたら
ア×リカとフ×ンスが戦争を始めてから、はや数ヶ月。暗い話が多い中、雑誌記者である私は何か面白い話題がないかと、先日帰国した従軍カメラマンの友人Aのところに向かった。
今回の戦争で初めて戦闘用アンドロイドが多数投入されたこともあり、それについて現状がどうなっているかAに聞いてみた。
「戦闘用アンドロイドか。そう言えばこの話は知っているかな。実は今使われている戦闘用アンドロイドは全て女性型だって事を」
「へえ、そうなんだ。でも、何で女性型だけになったんだい?」
「それについては面白い逸話があってね。最初は女性型とか、男性型とかなかったんだ。そもそもアンドロイドに性別はないからね。で、ある時誰かがアンドロイドに長髪のカツラを被せ女性っぽくして戦場に向かわせたんだ。まあ、ただの悪ふざけだったと思うのだが、どう言うわけかそのアンドロイド、被弾率が大幅に減ったんだ」
「ほお、それは面白いけど、ちょっと不思議だね」
「俺が思うには、やっぱり兵士って男ばかりだよね。だから相手が女性だとちょっと躊躇するでしょう。まあわずかな差かもしれないけど、でもそれだけで被弾率は大幅に変わると思う」
「なるほど」
「で、上層部の誰かがその事を聞きつけて、だったらいっそのこと全員女性型にしよう。ってことになったみたい」
「ふむ、中々思い切った事をするねア×リカ軍も」
「それでこの話にはまだ続きがあってね」
そう言うとAは鞄をゴソゴソと引っ掻き回すと一枚の写真を出して来た。
その写真は、戦場には場違いな黒いゴシックロリータ風の服を着た可愛い女の子が写っていた。
「なんだい、この写真は?」
「現場で俺が撮ったアンドロイドの写真さ」
そう言われてその写真をよく見たが、顔にはうっすらと化粧もされておりどう見ても普通の女の子にしか見えなかった。
「いや、これどう見たって普通の可愛い女の子だろう。そもそも何でゴスロリ?」
「女性型って言ってもアンドロイドなので服着る必要はないんだが、アンドロイドボディってのもなんかエロくってね、眼のやり場がないってことで制服でも着せようってことになったのだが、ここでまた誰かが、じゃあ普通の女の子の服を着せようとか言って、何処からか女性の服を出してきてそのまま戦場に送り出してしまったのさ」
「へえ」
「そしたら、被弾率が更に下がってね。アンドロイドは結構高価だからね、被弾率が下がるなら、ってことで女性の服を着せて戦闘させることが承認されてしまったのさ」
「はあ」
「ここで何処かの馬鹿が更に悪ノリして自分の部隊のアンドロイドにゴスロリを着せたのさ。そうしたら驚きだねえ。その部隊、被弾率どころか撃破率でもトップを取っちゃってね」
なんか頭が痛いと言うか頭の悪い話になって来た。
「そのおかげで、第13部隊からとってついたあだ名がゴスロリ13。いやあ本当に馬鹿ばっかだねア×リカ軍」
そう言って笑うAだが、私はこいつが大のゴスロリ好きなのを知っている。最初にアンドロイドに女性服を着せたのも、ゴスロリを着せたのも絶対こいつだろう。簡単に乗せられすぎだろうア×リカ軍、そして女好き過ぎだろうフ×ンス軍。
(この小説はあくまでも架空のものであり、実在の人物や国とは一切関わりはありません)
調子に乗ってこんなの書いちゃったけど、だ、大丈夫だよね。