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2話 スキルについて

「えー、勇者諸君にはスキルについて説明していきたいと思う。


スキルとは先天的に何を持っているか決まっている。しかし、後天的にスキルを獲得することもある。それは、ずっと、戦闘をやっていたから、剣術のスキルが付いたり、ずっと重いものを運んでいた奴隷が力のスキルを手に入れたりすることもある」


努力次第でスキルを獲得できるんだな・・・


「この国の貴族は5歳になれば鑑定を行い、それぞれあった教育が行われる・・・」


始まって5分もたっていないだろうが俺は急激に集中力を失った。。。なんか貴族のスキルの教育に関するカリキュラムからスキルによってこの国を守ってきたとかどうでもいい説明をしてきた・・・眠い・・・


そして、各勇者の個別のスキルについて説明しだした


「まずは君だ」


清楚系を指さす。


「君のスキルはパーフェクトショット・鷹の目・魔弓の3つだったな」


それから、パーフェクトショットは完璧にショットを打つスキルだと、どこぞの環境大臣が言いそうな説明を聞かされた。この翻訳機能バグってるんじゃないか?鷹の目は遠くの物が見えるとか、魔矢は魔法の矢を打てるとか聞かなくても分かりそうな説明が続く。


清楚系の説明が終わると順番にスキルの説明をしていく


委員長・・・魔法(水・体力回復・状態異常)

ギャル・・・魔法(氷・雷・闇)

イケメン・・・剣術(聖)、盾術(聖)、魔法(聖)


皆、想像からは外れないスキルの説明をしていく。体力回復は体力を回復させるとか、魔法(雷)は雷魔法を使えるとか、環境大臣も苦笑いである。


「最後に君だ。」


ついに来た。昨日は分からないと言われた。そして、今日わざわざ呼ばれたということはスキルの能力が判明したのだろう。どんな能力だやはり俺も勇者だから、かつての勇者メンバーにこのスキル持ちが居て伝説的な活躍をしていたに違いない。今に見ていろ昨日、俺を笑った奴らに目にもの見せてやる。


「えーと、君のスキルは・・・」


言ってやってくれ俺の凄さをこいつらに説明してやれ


「えー、君のスキル、奴隷使いは奴隷商人に使える人間がいるという調べが付いた。つまり奴隷使いが奴隷を従えやすくなるスキルという事だ」


俺は頭の中???である。イケメンと女子3人はクスクスっと笑いをこらえている。


(あれ?俺のスキル奴隷覚醒じゃなかったっけ?こいつら分からないスキルだからって脳内でスキル名、変更してんじゃねーよ。こいつ国のお抱えの知識人じゃねーの?)


「えー、、、、あ、、う。」


これは言葉にならない言葉を発する。


「何でわざわざ奴隷使いを召喚したんだよw」


イケメンが笑いをこらえることができずに言葉を表に出す。俺も勇者と一緒に奴隷使いが召喚されたら笑うだろう。しかし笑えない。その奴隷使いは今回、俺のことなのだから、


「ゴホン」


教師が咳を出し次に進みたいようだ。


「えー、午前はこの辺りにいたしまして午後からは実際にスキルを使用して頂こうと思います。食事をお部屋で取って頂いた後、城の広場にてスキルを使用するところを実際に見て発動して頂きます」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺は部屋に戻ってベッドに座り天井を見上げていた。「はぁーっ」というため息が漏れる。


コンコン、扉が叩かれる。


「どうぞ」

「お昼をお届けに参りました。」


昨日と同じ犬耳メイドである。また、手には何も持たず机の前まで歩いていき、淡い光を発動させて今日の昼食を机に置く。昼食はパンとチーズの様だ。


「おいしそうだね」


心にもないことを俺は言った。


グーー・・・・・


「何の音だ?」


俺は何が起こったか分からず、キョロキョロしていると、顔を真っ赤にしている犬耳メイドの姿があった。恥ずかしすぎて動けなくなっているようだった。


「・・・お腹すいてるの?」

「・・・・」


この世界に来てまともの会話ができているのがこのメイドさんだけな気がしているので俺は必死に言葉を無難な言葉を捻りだす。(嫌われたくねー)


「これ、少し食べる?」


首をぶんぶんと左右に振る。


俺はパンを取りメイドさんの口に近づけようと立ち上がった瞬間


「し、失礼しますっ」


少し強めに扉を開け礼もせずに走り去っていった。


「・・・・」


俺はそのままパンを口の中に入れた。


「やっぱり、おいしくない・・・」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


昼食の時間が終わり兵士が俺を迎えに来た。

広場に行くとイケメンと女子3人がすでに到着していた。結構人が居るな。そこには文官の見物人や訓練を中断している兵士が周りを囲んでいた。

そして、イケメンたちの前に立っている隊長風の男が俺を少し見た後、


「これよりスキルの実施訓練を行う。まず、私がスキル剣術の手本を見せる」


そう言うと、他の兵士が50センチほどの丸太を隊長に渡す。

そして隊長が息を整えると「はぁっ」っと言う掛け声とともに丸太を放り上げ丸太が目の前に落ちてくると同時に剣を横に振る。

ぽとりと落ちた後、丸太が真っ二つになる。きれいな丸い木目が空に向いた。


「!?」

「おおう」

「すごい」


俺とイケメンたちが感嘆の声を上げる。


「これがスキルの力だ普通はできないことがスキルの力があればできてしまう」


思わずイケメンが言う。


「これが俺にもできるのか?」


「ああ、俺の剣術は剣術(鉄)何だが鉄の剣で攻撃したり、鉄の防具を貫いたりするのは得意なんだがそれ以外が並なんだよ。しかし、剣聖殿のスキルは剣術(聖)なので魔族に対しては一騎当千の勇者に成れるだろう」


イケメンがこぶしを強く握っているのを俺はじっと見ていた。


「さあ次は実践だ。君たちのスキルを使ってみてくれ」


イケメンが前に出て来た。


「誰か剣を貸してくれないか?」


兵士の一人が剣をイケメンに手渡す。

イケメンは先ほど隊長が切った丸太の半分を手に取り宙に放り投げた。


「はあっ」


剣を横に払い隊長が行った剣技をまねて見せた。丸太は見ごとに半分になり丸い木目が再び空に向く。


「良し、やったー!!」


「すごい」

「一発で・・・」

パチパチパチ、女子たちが反応する。


「勇者ならこのくらいやってもらわねばな」

「しかし、1回目でやるな」

周りの兵士たちがガヤガヤと話している。


イケメンが大きくガッツポーズをする。


「では、次だ。誰かやって見ないか」


ギャルが元気良く手を挙げる。


「はーい、じゃあ、あたしやってみる」


「では、手本を見たのちに魔法を使ってみてくれ」


魔法使いが前に出て魔法を使う。


「ファイヤーボール」ピカッ


ボン、、、。20m先にある的に命中する。


「おう、これが魔法か」

「かっこいい」

「すげー」


次はお前だと言われギャルは前にでる。全く緊張したそぶりを見せない。流石ギャルだ。ギャルはスキルが魔法(氷・雷・闇)だからどれをやるんだろう。


「じゃあ、適当に氷魔法で・・・呪文とか分からないから教えて」

と、魔法使いに詰め寄る。

教えてもらってからもう一度、前に出て大きく息を吸って魔法を放つ。


「・・・アイシクルバレット」ピカッ


ポト、、、、10mほど飛んで地面に落ちる。悔しがるギャル。

周囲も苦笑いを浮かべ。最初はこんなもんだよね。


「あれ?おかしいな。もう一回もう1回、・・・・アイシクルバレット」ピカッ


ビュンーーガ、コツコツ、、、20mほどだろうか、そこにある的の端に当たり。氷の塊は床に落ちて転がった。


「おおお・・・」

「もう的に当てたぞ」


どうやら凄いらしい。ギャルがものすごくうれしそうにしている。それから、委員長が水魔法、清楚系が魔弓を使っっているのを見終わってとうとう俺の番である。野次馬も最初より少しは増えているであろう。


「では、最後に奴隷使い殿よろしくお願いします」


「奴隷使い?」

「ああ・・噂の・・」

「奴隷使いに何が出るんだ?せいぜい奴隷に言う事を聞かせるだけのスキルだろ」


もうこいつらの中では俺は奴隷使いで統一されているらしい。俺は質問をする。


「で?俺は何をすればいいんだ?俺は魔法も剣術も使えないんだが」


「この城には戦闘用の奴隷はいない。なのでこの城に居る給仕用の奴隷を連れて来た。来い」


すると、人ごみの中から下を向いている犬耳メイドさんがとぼとぼと歩いているのが見える。

(犬耳メイドさんは給仕用の奴隷だったのか)


「ではこの奴隷を使ってくれて構わない。丸太を切るなり、魔法を使うなり好きにしてくれ」


「おいおい、俺はスキルの使い方が分からないんだ。どうやって丸太を切ったり、魔法を使えばいいんだ」


「早くしてくれ時間が惜しい」


「クッ」


俺はメイドさんの方に近づき何ができるかを聞いてみる。


「剣を使ったり弓を使ったりすることはできるか?魔法は?」


メイドさんはエプロンを両手で握りしめ首を横に振る。

(マジでただのメイドじゃねーか、戦闘能力は0か。うーん)

俺はその辺に落ちていた小石をメイドさんに手渡す。


「今だけは俺のメイドだから」


「・・・」


「この石をあの的に思いっきり投げて見てくれないか?もしかしたら何かが起きるかもしれない」


「え?あ、、う?」


俺はメイドさんを定位置まで案内する、その間に何回も俺の方を見ては不安そうな表情をしている。俺は定位置につくと的の方を指さし、


「あっちの方に思いっきり投げて見てくれ」


「は、はい・・・」


俺は少しだけ期待していた。だってイケメンや女子3人がちゃんとスキルを使えたのでる。俺も使えるのは道理である。同時に召喚されて俺を含め全員スキル持ちそれは鑑定で証明されている。そう、俺は正真正銘スキルを持っているのである。


イケメンはこの世界で初めて剣を持ち丸太を両断させ、ギャルは初めての魔法で氷を出した。では俺は初めて奴隷に命令することでスキルが発動するのである。


「い、いきます」


大きく振りかぶられた。綺麗なフォームだ。石を握った(こぶし)は腰から頭の横をすり抜け、そして(てのひら)から中指と人差し指に重心を移し、指先まで到達した。宙に放たれる。そして宙を舞い。5m先でポトリと落ちる。


ゴロゴロ・・・ゴロ・・・・


「・・・」

メイドはこちらを見る


「だー、はっはっは」

「なんだあれ?wこれが奴隷使いの能力かw」

「石を転がすの奴隷使いの能力ってか、だははっはっ」


周囲はの野次馬たちは腹を抱えて笑っている。その対象が俺とメイドさんである。俺はまあ良い。俺は召喚されて勇者の能力を持っていることを期待されてその期待はずれから笑われているのである。納得はできないが。しかし、メイドさんは完全にとばっちりである。


俺は勇気を振り絞りメイドさんの手を引く、メイドさんを城の中に押し込み、俺は隊長の前に立ちにらみつけた。

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