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無光のグローブ(ほし)  作者: カルメン
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希望の星

今は、大それた作品じゃないですが、読者の皆がこの作品を息衝かせてくれる事を信じてます。


episode1『消滅』


**************************************************************



20***年 8月1日 夜明け



『お前達!ダメアさんは何処にいる!?』



部屋に居た者達はみな、驚きを隠せていないが、必死に目配せをして教えている。



『落ち着け。私ならここだ。一体どうしたんだ、ミリス』



彼女は普段から騒がしい。また何かあったのだろう。



『あ、いや、大した事じゃないんですが。ちょっといいですか』



あの慌て様は異常だった。ミリスは何かを隠している。その場にいた者達は皆、そう思っていたに違いない。



『わかった。だが手短に話せ』



そう言うと二人は、上層部の者達の部屋へ入っていった。



----------------------------------------



『なんだと!?』



『ですから、この世界が闇に包まれた今こそ、あなたの軍に動いてもらう必要があるんです!』



いや、そんな事はないはずだ。現に今こうして存在しているじゃないか。



『ならば、いま見えているあれは太陽とは別の物だとでも言うのか?』



ガラスを一枚隔てた目の前にはコロナと共に、緋色く輝いている球体がある。



『なんと!一体どういう事なんだ。全く訳が分からない』



文系且つ頑固頭のコイツには解説が必要らしい。



『つまりは、太陽と地球との間を妨げている『何か』があるのだろう。まあ、仮にももしそうだとすると、規格外の大きさなのは言うまでもないが。ハッハッハッ。面白い』



『って。笑ってる場合ですか!どうするんですか!?もはや既に、地球はその『何か』のせいで、生命体は(おろ)か、世界各地で暴動やデモ等が頻発していると報告が上がるなど、異変が起こり始めています!』



ふむ、思ったより深刻か。これは厄介事になりそうだ。



『あぁ、分かった分かった。直ぐにこっちでレベル5の緊急対策特例を施行しよう。すまないが君の方でも動いてもらうぞ?』



『御意に!では私は一度地球に戻り、事態の沈静化に務めて参ります』



御意って、どこの時代のキャラ設定だ。それに幼馴染なんだからもっと、、って、もう居やしねぇ。



『慌ただしいにも程ってもんがあるだろう』



はぁ。せっかく訪れていた自由時間が、とんだ悪夢の始まりだ。私はいやに真っ赤なスイッチを押して、職員達に事項を伝える。



『所内全ての者に伝える。一度しか言わないのでよく聞いておくように。これより緊急対策特例を施行する。作業中の者だろうが、トイレに(こも)っている者だろうが、直ちに第二特例会議室に向かうように。尚、これは訓練などではない、気を引き締めて取り掛かってくれ』



えぇと次は、本部に連絡か。ったく面倒だ。



『……うむ、中央レーベル本部のゴードンだ。遅かったではないかダメスよ。まぁ、話は聞いておるが。それで、どうするつもりだ?』



さすが、本部のお偉いさんだ。話が早い。



『えぇ。まずは最警戒レベルの特策、東ルーベル本部との策や連携、それと私が優秀な宙機師(エリーナ)達を任命し、早期の原因究明に徹した体制を維持していく所存です』



『そうか。なるほど、承知した。では、それらを速やかに実践してくれ。今回は私の部署からも、他の本部に伝えておこう。君らの活躍を期待している。また報告があれば頼む。では、そちらは任せた』



『所長、、失礼します。会議の準備が整いました』



『あぁ、分かった。直ぐに向かうよ』



向かいのエレベーターで、先の秘書が待ち構えている。乗り込むや否や、彼女は1Fのボタンを押した。はぁ、足取りが重いな。このまま一生、部屋に着かなければいいのに。



『貴方は宇宙規模の研究所の一翼を担う方なんですから、しっかりしてくれないと職員達への示しが付きませんよ』



やはり、ここ秘書は何でも筒抜けのようだ。長年一緒に仕事をしていると、互いに通じ合ってくるものなのだろう。



『だから、ミナが所長やってくれれば何もかも丸く収まるといつも思うんだけど。第一、その方がきっと皆も喜ぶと思うし。それに俺はそんな器じゃないからな』



『フッ、何を言い出すのかと思えば。貴方は生まれからして恵まれているのです。だから今の発言も、ただの戯れ言にしか聞こえませんね。私や、たくさんの努力を積み重ねてきた方達の為にも、もう喋らないで下さいますか』



『ひぇー、おっかないね。でもまぁそんなツンツンしている所が、ミナの唯一の可愛い所だよな』



『そろそろ殴っていいでしょうか?』



完全に怒らせてしまった様だが、所長としてここで引き下がる訳にはいかない。



『またまたー、それもかわい、、、ボフッ』



『痛って!』



今のは本当に手か?いや違う。恐らく金属バットかフライパンのような鈍器に相違ない気がする。



『これは失礼しました。鬱陶しかったので仕方なく』



『お前、一体どんな手の作りをしてるんだ。しかも仕方なくって何だよ。仕方なくって』



『はい、何か?』



『なっ、何も無いです』



ミナの奴が、とうとう目に見える殺気を放ち出したので、これ以上は危険と判断せざるを得ない。



『さあ、着きました。お先にどうぞ、所長』



『あ、ありがとう』



会議室前には、早くも特例対策会議と貼り紙がしてある。室内は二階構造になっている。聞いた話では、最近リノベーションを行ったおかげで、第一会議室よりも広くなっているらしい。



『所長、お席はあちらになります。参加者517名、欠席者3名です』



『分かった』
































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