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神様がくれた1年  作者: 斎田 遊矢
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第36話 スマホデビュー

どうも!斎田遊矢です!

第36話更新です!よろしくお願いします!

「今週はやけに疲れた……」


 今俺は家の床で大の字になって寝そべっている。


「お疲れ様、蓮お兄さん。大丈夫?はいお水。」

「うん、ありがとう……なんとか大丈夫だよ……」


 柚子ちゃんが俺の顔をのぞいて冷蔵庫に入ってたペットボトルの水を持ってきてくれた。

 今週から仕事始めだったのだが、久々の仕事で体が鈍っているのは確かなんだけれど、それよりも走り回っていることの方が多かった気がする。

 それも今思い返してみれば明白だった。

 普段通り太田さんに、


「菊月ッ!!これあっちだ!それはあそこに持ってけ!!」


 と怒鳴り声を聞きながら工場内を走っていたのとそれに付け加えて、普段あまり喋らない人から、


「あ、あの菊月さん……」

「あっ、はい?どうしました?」

「あの、これもお願いできますか?」

「えっと、これはどこに持ってけば?」

「あそこの棚に戻しておいてください。あとその棚から工具を持ってきて欲しいんですが……」


 断ることでもないし、時間がかかる訳でもなかったから、


「分かりしました!すぐ持ってきますね!」


 というふうに、太田さんからじゃなく違う人からも仕事や物の移動などを頼まれた。

 そしてこれをきっかけに、こぞってみんなが俺に頼み事をしてきたのだ。いつもは太田さんに言いにくいことまでも頼まれた。

 そんなこんなで色んな人に太田さんにたらい回しにされて、仕事をしていた感じだ。結局時間内に太田さんに指示されたことが処理しきれず、太田さんにこっぴどく叱られたりもしたけれど。


「でも、他人に色んなことをお願いされるってことはいいことなのかな……」


 思い違いだと嫌だけど、少しづつ頼りにされてきてるのかなと思った。


「すごくいいことだと思うけどあんまり無理しないでね?」


 無理はしてないと思う。というかこれ以上仕事を増やされると俺が多分ついていけない。それでも俺はやるって言いそうだけど。


「頼まれたら断れないからなぁ……その癖直さなきゃいけないって思ってるんだけどね……」

「蓮お兄さんは断らないよね。絶対に。分かるけど、無理しないでね。」

「うん、ほどほどに頑張るよ。」


 無理して倒れたら元も子もない。来週からも大変だろうけど柚子ちゃんのために頑張ろうと思った。


「あっ!そうだ!蓮お兄さん見て見て!」


 突然何かを思い出したように柚子ちゃんは服などをしまうタンスから何か取り出した。


「じゃじゃ〜んっ!靴下直したよ!」

「ほんとだ!直ってる!」


 大晦日の大掃除の際押し入れに詰め込んでいた破れた靴下がしっかり穴が塞がって直っていた。


「それにね……こんなのも作ってみた!」


 またタンスの違うところから何かを取り出した。


「ほら!これタオルと雑巾!詰め込んでた使わない服とかで作ったよ!」

「すげぇ……」


 柚子ちゃんが見せてくれたタオルと雑巾の圧倒的な完成度の高さと俺のいらない物でこんな物が作れるのかととても感心していた。


「柚子ちゃんすごいね……まさかここまでできるとは思わなかったよ。」

「私の得意分野だからね!これからも任せてね!」


 柚子ちゃんは嬉しそうに、自慢げに胸を張っていた。


「見せたいものは見せたし、早くご飯にしよ!」

「そうだね。お腹もすいたしご飯にしよっか。」


 柚子ちゃんの作ってくれたご飯を食べながら正月に話していた携帯の話になった。


「柚子ちゃんはどんな携帯持ってたの?俺みたいなスマホ?最近の若い子達はスマホの外見までオシャレしてるから柚子ちゃんもそうしてた?」

「私はちょっと違うかな……」


 柚子ちゃんの違うという返答に少し驚いた。どんな携帯を持っていたのか……


「私ガラケーだったから。」

「えっ!?そうだったの?」

「うん。」


 今どきの女子高生でガラケーは珍しいと思ったけれど、確かにあの時の状況を考えれば……


「友達とかと連絡取る時どうしてたの?みんなトークアプリ使ってたでしょ?」

「そうだね……私と連絡取るときはメールでやり取りしてたよ。でも、そんなに連絡取る子いなかったから……でもでも!スマホの使い方はよく知ってるんだよ!」


 柚子ちゃんは苦笑いをして言っていた。柚子ちゃんの性格上友達がいなそうには全く見えないけれど……


「そっか、じゃあ明日からスマホデビューか……でも……」


 スマホよりガラケーの方が料金は安いのでは?と思ってしまった。


「私スマホじゃなくてもいいよ!トークアプリじゃなくてメールのやり取りになるけれど……」


 と柚子ちゃんに言われた。柚子ちゃんは察してしまったようだ。だけど、


「いや、スマホ買おう。別にそんなたいして変わらないからね。」

「そうなの?蓮お兄さんがいいって言うならいいけれど……」


 多少は料金が高くなってしまうけれど、俺が子供の頃、新しいものをもらった嬉しさは分かっているつもりだから。柚子ちゃんは今まで我慢してきてると思うから。


 ー次の日


 早速朝、柚子ちゃんのスマホを買いに携帯ショップへ来ている。休日だからか、親子連れが多い気がする。


「こんないっぱいあるなんて知らなかったなぁ〜!」


 柚子ちゃんは携帯ショップに置いてある携帯の見本機をキョロキョロ見ながら言った。


「最近はかなり種類増えてるからね。機種によって全然性能とか違うし。」

「どれがいいかな〜?」


 最近は広告でもテレビのCMでも気づけば携帯の宣伝をしている。このスマホひとつで電話はもちろんネット、ゲーム、さらにパソコンと同等な資料まで作ることができる。今はそんな便利な時代になったんだなと若い俺でも分かる。


「蓮お兄さんはどれ使ってるの?」

「ええと、俺のは……あった、あれだよ。」


 自分の使ってるスマホなのでぐるっと一周見渡したらすぐ見つけれた。


「へぇ〜、蓮お兄さんのはこれなんだ。でも色が白と黒しかないね。」

「色はそんなに気にしたことないかな。それに俺は白が好きだしね。あとはスマホの性能重視。」


 色んなタイプのスマホが置いてあるが、自分に合っていないスマホがあることもある。俺もはじめはものすごく悩んで選び抜いたスマホだ。


「スマホは自分が使いやすいとか使いにくとかあるから見本機触って試してみるといいよ。」

「うん!そうしてみる!」


 さっそく柚子ちゃんは色んな携帯の見本機を触っていた。


「これいいなぁ……でももう少しここの機能がよかったらいいのに……」


 柚子ちゃんはあれじゃないこれじゃないと色々な携帯を手に取って機能を試していた。

 何個か機能を確かめたところで、


「これにしよ!!」


 柚子ちゃんは急に大きな声を出したので周りから目線が集まる。周りの目線に恥ずかしさを感じたのか柚子ちゃんは顔を少し赤らめて下を俯く。


「いいの見つかった?」


 柚子ちゃんの声に反応して俺は柚子ちゃんに聞いた。


「う、うん……決めたよ……これ……」


 さっき大きな声を出して恥ずかしかったのか、恥ずかしそうに俺に買いたい携帯を渡した。


「へぇ……柚子ちゃんって黄色が好きなんだ。」

「う、うん……あとね……」


 まだ手に持っていた物も俺に渡した。


「このスマホケースも欲しいな。」


 渡してきたのは優しい黄色を背景にたくさんの花柄がついているスマホケースだった。


「このスマホケース可愛かったから……いい?」

「花も好きだったんだ……よし、買いに行こっか。」


 柚子ちゃんが色は黄色、花が好きだったことは全く知らなかった。覚えておかないといけないなと思った。

 契約やら会計やらなんやら済ましたらすぐに柚子ちゃんが俺の服の裾を引っ張って、


「蓮お兄さん……早く出よう……」


 と言った。


「いいけど……どうしたの?」

「えっと……それは……」


 柚子ちゃんはそう言うだけでもじもじしていた。

 俺はよく分からなかったが、ふと周りを見渡すと、


「……なるほどね。さっきので周りが気になっちゃったのか。」

「い、いいから!早く出よっ!」


 次は強引に俺の裾を引っ張った。強引に出ようとしたけれど柚子ちゃんの顔を見ると親子連れを見て少し寂しそうにも感じた。

 俺たち2人は周りには兄妹きょうだいと見られているのかと思うと少し恥ずかしかった。まぁ、でもそう思わない人もいると思うけど。


「あ〜、恥ずかしかった!でも買えたね!スマホ!」

「やっぱり、恥ずかしかったんだ。」

「う、うるさいよっ!」


 帰り道、柚子ちゃんは車の中で新品のスマホを取り出して嬉しそうにしている。


「蓮お兄さんありがとね!」


 柚子ちゃんははちきれんばかりの笑顔でそう言う。それに俺は少し嬉しさもあり可愛くも感じた。


「早く連絡手段欲しいなって俺も思ってたからよかったよ。これで離れてる時も安心だ。」

「やっぱり、蓮お兄さんって心配性だよね!」

「いいじゃないか!心配なんだから!」

「でも、そう思ってくれてるのすっごく嬉しいよ!」


 その言葉に少しドキッとした。しかし、反応せず何食わぬ顔で運転を続けた。

 本当に何かあってからでは遅いと思っている。だから出来るだけその可能性を潰していきたい。

 もう、柚子ちゃんに心配性と言われても仕方ないのかな。


「これから平日のお昼に俺に連絡してね。」

「ふふっ、そんなに心配?」

「そうですよ!心配なんです!」

「蓮お兄さん可愛いなぁ……!分かったよ!毎日お昼に連絡入れるね!」


 女の子に可愛いと言われてなんて反応したらよかったのか……


「ねね、蓮お兄さん携帯貸して!」

「うん……?はい。」


 柚子ちゃんがそう言うので片手で運転しながらもう片手でポケットを探って携帯を柚子ちゃんに渡す。


「これをこうして……こう!」


 何か横で俺の携帯と柚子ちゃんの携帯を操作してるみたいだった。


「よし!できた!」

「何ができたの?」

「トークアプリ入れて蓮お兄さん友達追加したよ!」

「お!そっか、ありがとう。」

「これで私もスマホデビューかぁ……!」


 また嬉しそうに柚子ちゃんは自分の携帯を触っていた。


「よかったね、ゆず……はっ、ハックションッ!!うわ、なんか寒い……」

「大丈夫?風邪?」

「大丈夫だよ。それにしても寒いな……」


 柚子ちゃんはキョトンとした顔をしていた。それもそのはず、車の中は暖房が効いているから寒いとは感じないはずだから……


「柚子ちゃん今日のお昼何がいい?」

「え〜と、じゃあ今日はうどんがいいなっ!」

「よしっ!決まり!」


 今まで風邪とは無縁だったから風邪なんか引かないはず…と思い込んで自分の体調のことは無視した。これがまさかあんなことになるとは思いもしなかった……

最後まで閲覧いただきありがとうございました!

感想などありましたらよろしくお願いします!

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