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神様がくれた1年  作者: 斎田 遊矢
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第33話 たっぷり甘えなきゃ

どうも!斎田遊矢です!

第33話更新です!

よろしくお願いします!

「髪のこういうのって重くないのかな?」


 コンビニに置いてある雑誌を手に取り振袖特集なんてやってる記事をペラペラめくりながら見ていた。

 今俺は時間を潰している最中。

 夕方大家さんのとこへ行き柚子ちゃんに振袖の着付けを頼んでいる。


「かなり時間がかかるから時間を潰しててくれる?」


 と大家さんに言われたので特にすることはないし、コンビニで時間を潰している。

 かなりってどれくらいなのか。

 柚子ちゃんとは着替えたらそのまま神社の方へ来てと伝えている。

 今時計を見るとまだ夜21時前。

 一旦家に戻った方がいいのか迷いどこだ。


「とりあえず、雑誌読んだら一旦家に戻ろうかな。」


 大晦日でこの時間。特に行きたい店もなければ、車を出す気にもならない。あと3時間コンビニで時間を過ごすのも苦行だ。


「柚子ちゃんはどんな感じになるのかな?」


 雑誌のモデルなのか女優なのかよく分からないけれど振袖を着ている女性を見て想像してみた。


「赤色とか似合いそうだな。」


 赤色と出てきたのは振袖の色が赤色しか想像できなかった。本当に興味がないんだなと思った。


「……柚子ちゃんは可愛いからなんでも似合うよな……多分。」


 振袖をひらひら俺に見せびらかす嬉しそうな柚子ちゃんが想像できた。


「よし、読み終わったし帰ろう。」


 あったかいコーヒーを買って一旦家に戻った。


 コンビニから家まで徒歩10分くらい。すぐに家に戻れた。

家に戻ったのはいいのだが、なにもすることがない。

というか、何かすると家が汚くなりそうで下手に動けなかった。


「とりあえず寝ようかな。」


 何もすることがない時は寝るに限る。

 23:30分にアラームをかけベッドに横になった。




「おばあさん!今日はありがとうございます!よろしくお願いします!」


 蓮お兄さんのおかげで初詣に振袖を着ていける。なんか色々気を遣わせちゃって申し訳ないなって思うけど。


「いいのよ。これは菊月くんへのお礼なんだから。」


 座ってとおばあさんが言い、案内してくれた椅子へ座る。


「蓮お兄さん何してくれたんですか?」

「私が持ってた重たい荷物ここまで運んでくれたのよ。すごく助かったわ。」

「そうなんですか。蓮お兄さんはみんなに優しいんですね。」


 嬉しそうな顔でおばあさんは言った。

 何か困っているのを見かけると助けてくれる優しい蓮お兄さんが私は好き。一見誰にでもできそうだけどなかなかできないことを平気でやってしまう蓮お兄さんは本当にすごいと思う。


「昔から蓮お兄さんは変わってないなぁ……」


 独り言のように呟いた。


「そうね、ここに来た時からすごく助かってるわ。あんな若い子見たことないもの。」

「そうですね……」


 思い浮かべるだけで蓮お兄さんが今までやってそうなことが思いつく。やっぱりかっこいいなって。


「ねぇ、菊月さんの昔のこと教えてくださる?」

「えっ!?昔って言っても小学生の頃少し遊んだだけなのであまりよく覚えてないんです!ごめんなさい!」

「いいのよ。昔のあの人のこと知ってそうだから聞いてみただけ。」


 蓮お兄さん以外の人にはいとこって言ってるから、変なこと言っちゃうと疑問を持たれてしまいそうで迂闊に変なことは喋れない。


「ねぇ、初詣に何しに行くの?」


 おばあさんが質問を繰り返した。


「来年に向けてお願い事しに行くんです!」

「そうなの。あの人用事があること以外滅多に外に出ないから珍しいなって思ったの。」


 やっぱり蓮お兄さんは休日は家で過ごしてる方が多いのかな?あの部屋見たら大体想像つくけど……


「そうなんですね……なんとなくあのお部屋見て想像つきます……」


 私が来た時の部屋の状態を思い出して苦笑いをする。


「でも、男の子っぽいって思うわ。最近の若い子はあんな感じなんでしょ?」

「どうなんでしょう?私が見る限り蓮お兄さんは外に出なさ過ぎだと思います。」


 私の周りの男の子はもっと外で遊んでいる……と思う……

 そんな話をしながら振袖の着付けが進んでいく。

 着付けしている間今日は大掃除をしたことを話したり、普段の蓮お兄さんはこんな感じとかの話をしていた。

 もう着付けも終わりかけな頃に、


「あなたがここに来てから菊月さん変わったなって思うの。」


 急に大家さんがそう話し始めた。


「そうですか?私はただ居候してるだけで何もしてないですよ!」

「うんと、根本的に変わったんじゃなくて今は誰かのために動くんじゃなくてあなたのために動いてるから愛情を感じるって言えばいいのかしら?」

「私のために色々してもらっちゃってて申し訳ないなって思います……」

「やっぱりそう思っちゃうわよね。」

「はい……」

「でも、菊月さんはなんて言ってた?」

「今は気にせず甘えてほしいって言ってくれました。」


 本当は私が恩返ししたいのに、逆に甘えてしまって恩返しできていないと思う。甘えてほしいって言われてるし、変に拒否することもできない。

 すると、おばあさんは笑って、


「困っちゃうぐらい甘えなさい!」

「えっ!?」


 予想外の返答だった。もっと真逆なことを言われると思っていた。


「私もあなたと同じ状況の子が家に来たらそうするわ。まだ子供なんだもの、しっかり甘えれる時は甘えなきゃね。大人になったらそんなことできないわよ?」

「そうかもしれないですけど……私蓮お兄さんにしてもらってばっかりで……」


 最近はありがとうって伝えるのを忘れてるくらい甘えきってる気がする。もっと甘えていいって言われても甘え過ぎな気がしてる。


「私、蓮お兄さんにちゃんとありがとうって伝えたいんです。今までやってくれたことも昔のことも……」


 そう、私はそれを伝えるためにここにいる。ただ今はその気持ちをしっかり伝えれてないだけ。お料理とかお掃除とか蓮お兄さんにとって助かるもので少しずつ返してるつもりでいるけれど……


「なら、あともう甘えるのはお腹いっぱいってくらい甘えたあとたくさんありがとうって言葉で伝えればいいんじゃないかしら?」

「そんなことでいいんですか……?」

「ええ。確かに同じようにお返ししたいって気持ちは分かるわ、でも人には限度がある。そうしたら自分に何ができるかってなるとちゃんと言葉として感謝を伝えるのが1番だと思うわ。何か物や行動で返されるより言葉の方がずっといいと私は思うわ。」


 私はずっとしてもらった分同じようなことで返さなければいけないと思っていた。言葉だけじゃ何か物足りない気がしてしまうから。だからすごく驚いた。


「そんなことでも嬉しいのよ。特にあの人は、言葉の方がよっぽど嬉しいと思うわ。」

「……分かりました。言葉でしっかり蓮お兄さんに伝えます!」


 そんなことでいいんだって何故か心が少し軽くなった。


「それにあなたがいればあの人も安心ね。あの人最近顔つきが変わったもの。あなたのために何かしたいって気持ちが前面に出てるわね。」

「わ、私のためって……なんか嬉しいな……」


 私のためにいろいろやってくれてるのは気づいてたけど周りの人からも見て分かるくらい蓮お兄さんが頑張ってるのを聞くと嬉しいし、なんか照れちゃう。


「あなたがなぜここに来たのかは分からないけれど、何かしたいことがあるんでしょう?」

「……はい。」

「きっと大丈夫だわ。ちゃんと目的は達成できるわよ。だってあの人の親族ですもの。」

「そうですね……!」


 と笑うしかできなかった。本当は親族でもなんでもないから。ごめんなさい!おばあさん!


「ほら!見て出来たわよ。」


 とおばあさんに肩を叩かれて、目の前の大きな鏡を見る。


「うわぁ〜!すごい!綺麗!」


 おばあさんと夢中で話していたので着付けする時はあまり気にして鏡見てなかったけどすごく綺麗だった。


「ほら!もうこんな時間!いってらっしゃい!」

「はい!おばあさんありがとうございます!」


 もう時計は23:30を回っていた。

 おばあさんにお礼を言って急いで神社へ向かった。


 もうすぐ0時を回るから早足で神社へ向かった。


「おばあさんとたくさんおしゃべりできて楽しかったなぁ……!それに蓮お兄さんが私の思ってるより頑張ってるってこと聞いてなんかその……すごく嬉しかったな……」


 そんな頑張ってる蓮お兄さんを想像していたらもっと照れてきちゃった。

 そんな想像しているともう神社近く。


「えーと、入口付近にいるって言ってたけど……」


 神社に近づくにつれだんだん人混みが増していた。


「人多すぎて蓮お兄さんどこにいるか分からない……」


 どこを見渡しても知らない人ばかり。


「蓮お兄さん!!」


 大きな声を出してるつもりでも私の声では周りの人の声で揉み消されてしまう。

 不意に家でずっとひとりぼっちだった頃を思い出してしまった。


「思い出したくなかったのに……」


 1人部屋の片隅で泣いている自分やお父さんとお母さんが笑って私の名前を呼んでいるのを思い浮かべてしまい目が潤んできた。


「早くお礼言わないから……神様が私を見放しちゃったのかな……?」


 このままもう1人になるんだって思った。

 お母さんとの約束を守れなくなりそうで涙がこぼれ落ちた。


「ごめんなさい……」


 こんな時私の手を誰か引いてくれたなら……

最後まで閲覧いただきありがとうございました!

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