1 異世界に着きました。
少し目の前が真っ白になったが、だんだんと視力が戻ってきた。
そして、異世界に来たは良いものの、右も左もわか・・・るが、東西南北がわからないんじゃ、話にならない。
俺は、ポケットからスマホを取りだし、地図アプリを開く。
すると、異世界でも難なくスマホのマップは使える。
これは神様がなんとかしてくれたのかな?
「ねぇ、どっちに行けば良いと思う?」
姉がそんなことを聞いてきた。
「地図を見るかぎり、あっち側に街があるぞ。行ったんそこに向かって、基本的なことをしよう」
「基本的な事って?」
「・・・ここは異世界だ。本とかで読むかぎり、多分だが、ギルドとかなんかがあるんじゃないか?」
そう言うと、姉は、少しだけ考えるそぶりを見せ、返事を返した。
「そうね、そこでクエストの役割分担をして金を稼ごう」
歩き始めて早三十分、あと少しで街に着くと言うのに、そこんじょの雑魚敵と出会したが、姉が十秒ともせずに敵をぶっ飛ばしていった。
「流石は姉さんだ」
っと、俺が称賛の言葉を送る。
「ありがと」
っとだけ言って、足早に街の方に歩いていった。
そして街の関所の前まで来ると、門番らしき人が、
「見ない顔だな。どこかの国の旅人か?なら、この門を通って良いぞ」
っと、言ってきた。
この人は、人が出来ているな。良いことだ。
そして、門を潜り終えた俺達は、バラけて街散策し始める。
数分後、姉がギルドを見つけたので、来てくれと言う連絡が届いた。
地図には街の名前しか書いていなかった。
読者さんの為に書いておこう。
俺は、スマホのGPS機能を用いて、姉の位置を確認する。
どのくらいの距離なのか調べると、まぁまぁ距離が有るため、俺の能力で姉の所まで瞬間移動をした。が、迷子になりました。慣れないものは、するもんじゃないね。
スマホを取り出すと、また姉の位置を確認する。
まぁまぁ近くなったんじゃねぇの?
「あ、居た居た」
俺は、姉を見つけ、そちらに走って行く。
約数分歩き、たどり着いた。
「さあ、入ろう」
っと、促すと、一つ返事で了承してくれた。
中に入ると、すごいガヤガヤしていて、人が沢山溢れんばかりに居る。
姉が不意に口を開く。
「ここでクエストを受けたいのなら、登録をしないといけないらしい。登録する場所は、受け付け」
っと、良い情報をくれる。
俺達は早速、受付嬢のところに行く。
「あの、俺らギルド登録をしたいのですが、良いっすか?」
俺は、ちょいちょいタメ語を用いて話しかける。
すると、受付嬢が、こちらに向き、頷く。
あ、聞いてたんだ。
「では、こちらに、手をかざしてください」
っと言われ、かっこいい台座の上に、水晶が乗っている。
そして、俺は、手をかざす。
すると、水晶が淡い水色に輝く。
ピキッ。
ん?なんか割れた音が水晶から聞こえたぞ。あの人、平然としてるけど、聞こえなかったのかな。
そんなことお構い無しに水晶から、レーザーみたいなのがカードに字を書いている。カードらしきものに、俺のステータスが表示された。
「名前は、フクダ ヤマト?さん、ですね」
「どうしました?」
一瞬、止まっていたがどうしたんだろう。
「いや、珍しい名前だなと」
珍しい名前なのかな?自分。
俺は、受付嬢からギルドカードを受け取り、姉に目線を送ると、目礼をする。
姉が俺と同じように水晶に手をかざす。
とうとう水晶にヒビが入った。
「珍しいですね。この光景は」
「珍しい?どういう意味ですか?」
姉がそう聞くと、受付嬢は、神妙な面持ちになる。
「こういう現象はあまり起こらないので、珍しいんです。起こる可能性があるのは、高いステータスを持っているか、元々壊れそうだったか。でも、昨日がメンテナンスでしたので、壊れそうだったって言うのは言いがたいです」
俺は、自分のギルドカードを見る。
何このステータス。攻撃力気持ち悪。地球の数字で行くと、十二万だって。って、なんで読めるんだろうか?んなこったあ良い。スピードもおかしすぎんだろ。五万って。壊れてんじゃね?あの機械。あ、魔力は普通だね。だって十だもん。
姉がカードを取り、自分のステータスを確認する。